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レポート#8 2000.10.16「中学生の友その一」

 どうも遅くなってしまいました。実を言うとこの前コピーをお渡ししたので、今回は書かなくてもいいかなあ、と、全然準備してなかったのですね。で、ちょっと詳しく記してみようかと試したらだらだら長くなって、書いても書いても終らない。そのうち小林文庫さんでいきなり召喚されてしまってアワをくったり、書いた文を操作ミスで消してしまったり。
 15日に「中学コース」を調べてきたので、二週間分のデータをぼちぼちと送ります。お使いいただけるなら、適当に取捨してくださいませ。
 では「中学生の友」、まいります。 図書館にあった一番古い号が昭和26年3月号。島田一男の絵物語「ネバダ颪」、橘外男の「イキストの怪塔」、白木茂の「呪われた宝石(=月長石)」がそれぞれこの号で完結、ほかに島田の「青い魔術師」と角田喜久雄の時代物「幻の美少年」が連載中。
 次が同年5月号、ここでいきなり高木彬光の神津もの「がいこつ島」が完結しています。連載の量から見て、3月号で休載していたとも思えないので、これはたぶん「小学六年生」あたりから持ち上がってきたものでしょう。この前後の「小六」が図書館にないので、確認は出来ませんが。ちなみに、この作品は「科学冒険小説」らしいです。島田と角田は連載継続中。
 ちょっととんでつぎが29年の10月号になります。柴錬の「スパイ第13号」と武田武彦の「黄金燈台」が連載中、ともに12月号で完結。
 で、昭和30年あたりから例の「犯人あてクイズ懸賞」が登場いたします。チェック漏れがあるかもしれませんが、以下にその一覧を示します。
*武田武彦「影男」昭和30年4月号
*矢田洋「白い幽霊」昭和30年6月号
*島田一男「合宿所の怪」昭和30年8月号
*横溝正史「十二時前後」昭和30年10月号
*木々高太郎「孤島のキリスト」昭和30年11月号
*城昌幸「二枚の十両小判」昭和30年12月号
*大下宇陀児「拾ったさいふ」昭和31年1月号
*氷川瓏「模型飛行機のゆくえ」昭和31年2月号
*江戸川乱歩「奇怪なアルバイト」昭和31年4月号
*山田風太郎「毒虫党御用心」昭和31年5月号
*渡辺啓助「エリーゼはささやく」昭和31年6月号
*永瀬三吾「わいて出た警官隊」昭和31年8月号
*氷川瓏「三吉の冒険」昭和31年9月号
*千代有三「タシラマ指輪の奇跡」昭和31年10月号〜11月号
 乱歩の「奇怪なアルバイト」については、謎宮会1999年2月の中川瑞穂さんの文章と、その後の中さん・高橋さんの往復メールをご参照ください。タイトルが微妙に違うのが気になりますが、比較しようとしてもソノラマ文庫が出てこない。困ったものです。
 この間のクイズ以外の小説には、黒沼健「緑の血」(30年9月号〜12月号)、水谷準「双竜閣の秘密」(31年7月号)、香山滋「不思議な写真」(同)、などがあります。
  32年4月号から。「中学生の友1年〜3年」として学年ごとに分離して再スタート。「1年」では香山の「火星児カセル」を連載(32年4月号〜12月号)。33年1月号?から双葉十三郎「走矢五郎の冒険」が登場、「2年」に移って34年3月号まで続きます。
 で、なぜかこの後の号が一年分以上抜けています。ちょうど手塚治虫の小説「蟻人境」が連載されているあたりなんですが。のこっているのは34年11月号〜35年5月号、36年1〜3月号など。梶龍雄の推理クイズがいくつかあるのが、目を惹く程度でしょうか。
 「2年」「3年」については、またのちほど。