Canon EOS1000s

   with EF35-80mm/F4-5.6PZ

 ついに私もEOSデビューを果たしてしまった。今まで、EOSというとなん
だか当たり前すぎて、ひねくれ者の私の食指が動かなかったのだけど、たまたま
行ったハードオフのジャンク品の棚に、EOSがあったのだ。ただし、5000
円というのはジャンクにしては高いなあというのが第一印象。しかし、ここのジ
ャンクの棚にしては綺麗で、きちんとビニールに入れられている。他のは棚ざら
しで、あちこちぶつかって傷だらけだったり、その上部品もちゃんと付いていな
いようなものが1000円とか2000円の値札が付いていたりするので、ちょ
っとけしからんと思うのは私だけではないはずである。そんな中で、5000円
である。一応「チェック時動作しました」の張り紙があるもののジャンクだから
なあ・・・でも、EOSはAF駆動はレンズ側にあるので、AFがいかれている
可能性は低い。シャッターさえ切れれば、写真は撮れる可能性は非常に高い。し
かも、機種が1000ではなく1000sである。これは、1000に対して機
能アップされたモデルで、上位機種の100についでサイレント機構を搭載した
モデルである。この辺のこだわりが私のEOSデビューには丁度いいのではない
だろうか。ということで、一大決心の末買うことに。しかし、EOSとなるとレ
ンズも必要。そこでやはり同じジャンクの棚(決して中古品の棚でないことがみ
そ)で「動作しました」の張り紙付きのEF35−80mmのレンズ(2000
円)を見つけた。レンズ自体には傷、カビはなさそうだし、フィルターがついて
いるのでこれだけでも200円くらいの元は取れるかな。結局カウンターで消費
税込みで7350円を支払った。
 さて、家に戻って電池を入れてみる。シャッターは確かに動くぞ。しかも、古
いEOSにつきもののシャッター幕汚れも全く無い。レンズを付けてみる。AF
もOKみたい。ダミーフィルムを入れてみる。ウイーンという音とともに最後ま
でまず巻き上げる。シャッターを切るたびにカウンターが減算していく。EOS
1000Sは、プレワインディング方式なのでこれで正解。やったー完動品じゃ
ん!ジャンクで7000円というのはちょっと高いけど、完動品の中古と考える
とかなり得した気分である。しかも、1000ではなく1000Sである。
 自慢のサイレント機構については、こんなもんかなと思う程度で、あまり静か
だとは感じない。実はEOS1000については、昔会社で仕事カメラとして購
入したのでよく知っているのである。それと比較すると、確かに静かな感じはす
るものの、NikonのF70D(これは、特に静音設計を謳っていないが静か
なことで有名)と比較すると結構うるさい。元々EOSって音がでかいのでこん
なモンだろう。
 そしてレンズの方は、35−80mmでF4−5.6と当時の安い標準レンズ
の平均的スペックではあるが、他と違ってパワーズーム内蔵なのである。コンパ
クトカメラでは当たり前だけど一眼レフとしては珍しい。しかもAF専用でマニ
ュアルフォーカスはできない。これはちょっと誤算であった。EOS1000の
前のEOS700とセット販売されていたレンズらしい。レアものっぽいけど安
物である。しかし八代通信で紹介するカメラらしくてとってもよろしい。
 このレンズとカメラのコンビネーションを見ていると、なんだか似たようなカ
メラを思い出した。オリンパスの
L−2である。レンズ交換ができないことと、
ズームの焦点域が異なるけれど、シャッターの最高速が1/2000であったり、
パワーズームでAF専用(実際にはL−2ではMF可能であるが、実用レベルで
はない)であったり、AFも中央1点のみだったり、ストロボを内蔵していたり
というところが同じである。そして、構えたときのグリップの大きさや、左手親
指の位置にパワーズームのボタンがくるところなんかそっくりである。
 早速フィルムを詰めて試し撮り。場所は観光情報にも書いたラベンダー園であ
る。風景やスナップのように、のんびりと撮影するのには、普段マニュアルカメ
ラばかり使っている私にとってこんな古いAF一眼レフでも実用十分なのである。
一緒に使ったのがOM2000であったが、どちらも軽いカメラのため、持って
いてとっても楽であった。
 パワーズームの使い勝手も以外といい。コンパクトカメラのステップズームな
んかと比べると格段に操作性が良いのだ。ズームによるフレーミングもやりやす
かった。AF専用レンズのためか合焦しないとシャッターが切れないのは困った
けれど、フィルムの無駄遣いが無くなっていいかな。
 フル機能満載の上、低価格で、かなり楽しめるカメラであります。でも、シャ
ッターの寿命を考えるといつまで使えるかちょっと不安なカメラでもあります。
やっぱりキャノンってカメラは消耗品という考え方なんだなあ。

作例 

博物館屋上より
EF35-80mm/F4-5.6 F11 Auto
Kodak Royal Gold 400
ラベンダーと蝶
EF35-80mm/F4-5.6 F8 Auto
Kodak Royal Gold 400