Canon FTb-n

   with FD 28mm/F2.8

’70年代初期の一眼レフの代表選手?ともいうべきキャノンのNew−FTb
 いやーとにかくでかい。大きい・重い・うるさい、といった一眼レフの三悪を
完備?しており、三悪追放を旗印に掲げた
オリンパスのOM−1とは対照的なカ
メラである。
 などと、第一印象がひどいにも関わらず、取り扱いに関しては以外と使いやす
かったりするから不思議なのである。標準レンズ込みで1kg越す重量があるも
のの、以外に重さを感じない。もっとも、このカメラを首から下げて半日も歩き
回るとどうかは判らないが・・・。おまけに、このヘビー級の重量のおかげか、
ミラーのショックが少ないというのも非常にいい。
 こいつや、トップモデルのFー1に代表されるFシリーズは、キャノン最後の
マニュアル・メカカメラで、これ以降はAE−1に代表されるAシリーズという
自動露出を中心とした最先端の技術をふんだんに盛り込んだ電気カメラへと進化
し、サイズも一回り小型になっていくのである。
 A−1やAE−1+Pを持っているのでキャノンのマニュアルカメラは特に必
要とも思っていなかったのだけど、古い電気カメラの場合、回路がいかれると修
理すらできなくなるので、メカカメラがあると所有しているレンズを未来永劫使
用できるという精神的安定上たいへんよろしい。しかも、値段も一万円札でおつ
りが来るとなると、精神科の通院費用より安いのではないかな。サラリーマンの
医療費負担も3割に上がったことだし、押さえておいても損は無かろう。などと
いう勝手な理論をこじつけてしまいました。
 FTbには前期型と後期型が存在し、私のFTbは、後期型で巻き上げレバー
の形やセルフタイマーレバーの形状が異なる。デザイン的には前期型の方がかっ
こいいと思うのだが、操作性では後期型の方が勝っているうえ、新しい分だけ信
頼性も高いと思うが、これも30年近く経った今となっては気休め程度か。
 購入した機体は、幸いなことに露出計も動くし、割と綺麗なファインダーだし
(FTbは、プリズム蒸着部のシミが出やすい)機械としては、いい状態ではな
いだろうか。裏蓋のモルトがボロボロなのはご愛敬。こんなのは自分で張り替え
ましょう。
 試し撮りには、nFDの50mmと135mm、純正広角系が無かったので、
ペンタコンの29mmにアダプターを付けたものを持って、菖蒲の花を撮りにい
きました。

作例 
PENTACON 29mm/F2.8 F8 1/60
FUJI SUPERIA 100
nFD 50mm/F1.4 F5.6 1/125
FUJI SUPERIA 100