エラリー・クイーン『Yの悲劇』(創元推理文庫)
◇あらすじ◇

 行方不明を伝えられた富豪ヨーク・ハッターの死体が、ニューヨークの湾口にあがった。死因は毒物死で、その後、病毒遺伝の一族のあいだに、 目をおおう惨劇が繰り返される。
 名探偵ドルリー・レーンの推理では、有り得ない人物が犯人なのだが………。

(文庫カバーより引用)

原題:THE TRAGEDY OF Y



◇感想◇

 この作品は昔に子供向けにリライトされた物でしか読んでませんでした。内容はほとんど忘れてしまって、あの有名な犯人とそれに至る動機しか覚えていません。で、今回、読んだわけですが………。

 まず、一言で言うと「なつかしい」ものでした。小さい頃を思い出してしまいましたよ。それはともかく内容についてですが、さすがですね。名作といわれるだけのことはあります。複線も巧みです。
 中盤の「なし」の論理はいい感じ。クイーンを読んでるって気がしますよねぇ。最後の犯人の解明の論証は、ややまだるっこしい感じだけど(これは私が犯人を知ってたからだと思います)。

 それよりも、ラストがああだとは思わなかったっす。何とも言いようがないけど・・・。うーーーん。まぁ、子供向けだとあそこまで書いてなかっただろうから、ある意味衝撃的(^^;。
 しかしやっぱり名作はちゃんと読まないといけませんね。次は何にしようかね。

(1995/2/17)

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