※ 10月17日に仲間のドクターが永眠されました。約2年前、私が最初に参加したときに、道具を借り、一緒に修理した方です。多くを語る人ではありませんでしたが、やはりいなくなるとさびしいものです。最期のほうで、きっといいことをされたので、天国で安らかに暮らしていることでしょう。天国でもおもちゃの修理をされていることと思います。奇しくも数日前は奈良地区センターでおもちゃの病院を行っていました。どうりでお昼頃、体が異常にだるくなり、おもちゃの病院が終わるころには大丈夫になっていましたが、お知らせなのかも知れません。3週間経ってから知ることになるとは。謹んでお悔やみ申し上げます。お疲れ様でした。ゆっくりお休みください。
○ 新聞の反響
私の投稿が新聞に載りました。読売新聞、平成12年10月6日(金曜日)の「気流」です。先日、読売新聞から封筒が届いていたので開けてみたら、私の投稿に反響があり、それを転送してくれたものでした。ひとつは、開催日程を知りたいとメールでの問い合わせ、もうひとつは子供のおもちゃをなんとかして直したいが、直してくれるところを知らないので、といったことでした。原則として新聞社側では教えないことになっているそうなので、私からメールとはがきで連絡することにしました。やはり、全国版だと反響があるものですね。私は全国規模にするつもりはありません。なぜかというと、大きな組織になるほど、費用がかかるからです。ただし、費用がかからない方法であれば採用したいとは思っています。全国でも個人的に行っている方がいらっしゃいますので、お近くを紹介するとか、ここのホームページを中継にするとか。おもちゃのドクターは定年退職されている方が多いのですが、私はまだ現役で働いており、ほとんどおもちゃの病院に時間が取れないのが現状です。また、ドクターからのリンク依頼もあんまり来ないですし。(笑)
横浜市青葉区、都筑区、緑区などで、無償でおもちゃを修理している横浜北部おもちゃの病院です。
おもちゃは、壊れると捨てられることが多いです。しかし、それを直せたら、直そうというものです。ただし、メーカーに依頼すると高額になったり、最初から受け付けないものもあるかとおもいます。愛着があるおもちゃを直したときの、お子さんの喜んだ顔を見るのはとても気持ちのいいものです。
○ 開催場所(私たちが主催でないものもあります)
偶数月の第一土曜日 | 都築地区センター 横浜市都築区葛が谷2-1 tel:045-941-8380 |
偶数月の第二土曜日 | 綱島地区センター 横浜市港北区綱島西1-14-26 tel:045-545-4578 |
奇数月の第二土曜日 | 菊名地区センター 横浜市港北区菊名6-18-10 tel:045-421-1214 |
毎月第四土曜日 | 篠原地区センター 横浜市港北区篠原東2-12-27 tel:045-423-9030 |
1月、5月、9月、12月第三日曜日 | 仲町台地区センター 横浜市都筑区仲町台2-7-2 tel:045-943-9191 |
2000年4月15日、10月21日 | 北山田地区センター 横浜市都筑区北山田2-25-1 tel:045-593-8200 |
2000年7月1日 | 若草台地区センター 横浜市青葉区若草台20-5 tel:045-961-0811 |
2000年9月2日 | 藤が丘地区センター 横浜市青葉区藤が丘1-14-95 tel:045-972-7021 |
2000年5月6日、11月4日 | 中川西地区センター 横浜市都筑区中川2-8-1 tel:045-912-6973 |
2000年10月14日 | 奈良地区センター 横浜市青葉区奈良町1483-11 tel:045-963-5380 |
2000年度不明 | 中山地区センター 横浜市緑区中山町413-4 tel:045-935-1982 「ハーモニーみどり」3,4階 |
不定期開催の情報を入手しましたら、なるべくここにあげたいと思います。
○ 諸注意
・申込方法
原則として各地区センターに申し込みます。予約受付開始日等がございますので各地区センターにお問い合わせ下さい。
・受け付けるもの
おおむね小学生以下のお子さんが使うおもちゃです。但し、玉などが飛び出す、火を使うなど危険と思われるもの、時計やカメラなど本物と変わらないもの、おもちゃのような本物、家電製品、家庭用品などおもちゃ以外のもの、明らかに電子部品の故障のものなどは原則として受付をお断りさせていただいております。
・費用
無料です。ただし、特殊な部品は了承を得て実費を頂くこともあります。たとえばスピーカーなどの故障は、スピーカー代として数百円を了承の上頂く様になります。
・修理時間
原則としてその場でお直ししますが、状況によっては時間がかかることもありますし、お預かりする場合もございます(入院)。その際は、後日地区センターに取りに来て頂くようになります。
・その他
電池を使うものは、電池も一緒にお持ち下さい。
壊れて取れたものなど、全てセットにしてお持ち下さい。
駐車場がない地区センターもございますので、できるだけ公共交通機関をご利用ください。
なるべく早い時刻に持ってきていただけると助かります。
・お願い
私たちは、子供達の前で壊れたおもちゃを分解し、カラクリを見ることで科学心や創造性を養うと共に、ものの大切さを認識していただくことを大きな目的としております。お申し込みに当たってはこのことに留意していただき、お子様とご一緒に来館下さる様お願いします。
また、原則としてメーカーと同等の修理結果にはならないこともあります。これは、部品が入手困難、部品を入手すると費用がかさむ、リサイクルを考え、使えるものを加工等して使う、などです。また、私たちが修理した結果、メーカー保証外になることもあります。そしてメーカー以外は修理してはいけないものもあります。そのような点を所有者の方が理解された上、自己責任のもとお持ちください。なるべくアフターは致しますが、私たちが修理した結果、生じたものにつきましては責任をおえないこと、よろしくお願いします。
※ 誰でもできる故障時のワンポイント
おもちゃに限らず電池を使ったものは、「故障かな?」と思ったときにまず電池を調べることをお勧めします。実は、おもちゃの修理でも電池だけの不良というのは結構あります。
・賞味期限を調べる
電池にも「賞味期限」というものがあります。これはどの電池にも必ず「使用推奨期限」として表示されています。
「使用推奨期限(月-年)は本体に表示」
本体に表示されている。ちょっとわかりにくいが98年12月になっていた
「使用推奨期限(月-年)は本体に記載」
これも本体に記載されている。
以上のように必ず記載されているものであるから、まずこれを調べ、期限が過ぎていれば交換したほうがいいかと思います。期限内であれば電圧を調べます。
・電圧を調べる
電圧はテスターがあればいいですが、なければ電池チェッカーのようなものはあったほうがいいでしょう。
![]() 上の画像はテスターのバッテリーテストで行ったものです。赤が「GOOD」ですが、かろうじて入っています。 |
![]() しかし、実際の電圧で計ると1.2Vぐらいです。(ちょっと画像がわかりにくいかも知れません)電池電圧は、1.5Vが定格ですから、この電圧ですと動作不良を起こすかも知れません。特に複数本使っている場合、例えば4本使っている場合、1.5V×4=6.0Vですが、1.2V×4=4.8Vで定格より1.2Vも下がってしまいます。 |
![]() 市販の電池チェッカーです。みどりがGOODですが、かなり下のほうに下がっています。こういうのは交換したほうがいいでしょう。 |
・電池を交換する
電池を交換するときにも注意があります。それは同じメーカーの同じ種類の電池を使うということです。また同時に交換するということです。詳しい説明は省きますが、違う種類のものを使ったり、まだ電圧があるからとそのまま使うとすぐ電圧が下がったりするようです。
・長い間使わない場合は電池を外す
これは「液漏れ」を防ぐためです。液漏れを起こすと、電極が錆びたり、スポンジが溶けたりします。なかなか落ちません。
以上、電池に対する簡単な説明でした。これ以外にもプラスとマイナスを間違えない、使わないときはスイッチを切る、など電池に記載されてある注意事項以外にも守ったほうがいいものがあります。
○ 10/14 奈良地区センター
今回は、初めての開催の影響もあるのか、考えさせられることがいくつかありました。
まず第一に予約時刻のことです。どのような説明があったかは定かではありませんが、私たちは集中および閑散を避けるために、おおよその時間帯を指定するようにしています。例えば10時頃、とか13時頃とか。もしかしたら受付時に何時でもよいとか時間の範囲の説明を受けたのかも知れませんが、集中すると当然ながら待ってもらわなくてはいけません。それでなくても簡単に治るおもちゃは少ないのですから。他のところでは集中して待ち時間が多くなりすぎ、激怒したということも聞きます。
そこで、私たちも時刻の指定を10時、とか13時とかにすることにしました。10時〜11時とすると11時頃来る人がいて、次の時間帯の人と重なる可能性があるからです。また、時間帯指定すると時間ギリギリ、終わりの方に来る人が多いようです。指定時刻からかなり遅れたら(このあたりは杓子定規にはしないつもりではいますが)別な時間帯にするか、空くまで待ってもらう、こういう風にしようと思っています。
次に、嘘をつかれることです。電池は持ってきてもらうようにしていますが、まだまだ持ってこない人が多いです。たまたま単五というめったに使わない電池を使っているおもちゃがありました。あるドクターが「買ってきてくださいね」といったところ、「2件回ったけれど売ってなかった」と言ったらしいのです。この言葉にも問題はあると思います。自分のおもちゃなのだから売っていなかったら売っているところを探すべきでしょう。単五は少ないけれど、売っているところはどこかにあるはずです。ところが、少したった後、どうもそれは嘘のようなのです。つまり、素直に、忘れてたとか気づかなかったとか言えばいいのに、「売っていなかった」と嘘をついたらしいのです。これには隣のドクターが怒りました。その方は一応は「すいません」と言ったのですが、あとで友達が来たときに「怒られちゃった」と言っていました。これには私はあきれました。自分のした、恥ずかしい行為を友人にあえて言うだろうか、ということです。お子さんも一緒に来ていました。親を見て子は育つ、そしてこんな親の子供は親のようになる、そう思いました。
まだあります。少ないですが、私たちの修理をじっと見ている人がいます。親もそうですが、当然、子供も飽きてきます。以前、私が修理をした人ですが、子供はまだ小さく、飽きてきたようです。ところが「おまえのおもちゃを修理してくれているんだ、しっかり見ていろ」と言っていました。お子さんも従って我慢してました。その後小さな声で「おなかすいた」と。私が「ご飯食べてないの?」と聞いたら、食べてないんだそうです。お父さんは、「いいんです」と言っていましたが、私はその態度に感動し、「いいですから、どうぞ、食事してきてください。まだまだ、修理に時間がかかりますし」というと、「それではすいません、よろしくお願いします」と食事に行きました。
これは珍しい例でしたが、今回いらした人で、時計を4個、置時計を1個持ってきた人がいました。おもちゃの区分の説明がなかったのかも知れませんが、どんなにおもちゃに見える時計でも、残念ながらおもちゃではありません。原則としてこういうものは治さないのですが、一応見てみたところ、ボタン電池の電圧がなくなっていただけでした。当然ながらボタン電池は用意はしていません。なのでボタン電池を買ってくださいということにしました。その後その1個の置時計を出してきました。これも電池が入っておらず、電池を入れたら動きました。そしてこの時計は飾り物が壊れただけのようなのです。また、この人は、ドクターが何も言わなくても、「それでは、お願いしマース」とどこかに行ってしまいました。
私たちが1人1個と限定しているのは、多くの人のおもちゃを治したいためです。ところが何個も持ってくると、厳しく言えば修理できなくなる人が出てくる、それを避けるためなのです。しかもこの人は、おもちゃではなく時計、うーん、考えてしまいました。
また、後で気づいたのですが、終わりの方になって子供が1人で来ました。ミニカーですが、ここにもあるようにちょっと手間がかかるものでした。子供もおとなしく見ていました。ところが、どうもこの子供は前にも親子連れで来ていて、おもちゃが多すぎるので断られたらしく、それで子供1人を来させたようなのです。
この日は、センターも祭りをしていたのですが、おもちゃだけを受付に置いていって、催し物があるので先にそっちを見てくる、といった人もいました。
どうも私の思う、常識と異なっているようです。常識とは各人で違うとは思いますし、私も常日頃、自分の常識は他の人にも通用するかを考えています。それから思うに、どうも私の中では「非常識」と思えるのです。
私たちは特に報酬をもらっておりません。センターからわずかな補助があるときもありますが、交通費や昼食代でなくなってしまうようなものです。ボランティアで行っていますから、「お客様」という考え方もありません。「お客さん」と呼ぶことはありますが。なにが違うかというと、おもちゃを無償で治してもらうのだから、もって来る人ももう少し謙虚であるべきと思うのです。私たちも「治してやる」と考えているわけではなく、おもちゃが治ったことを子供に喜んでもらえれば、という考えで行っています。それが普通の考え方だと思いますし、そうであれば嘘をついたり、数多く持ってきたり、修理を任せ、自分達は好きなことをしてくる、ということはないと思うのですが。
私事ですが、仕事が忙しく、この日は体調がよくありませんでした。特に昼過ぎは座っているのもつらいぐらいでした。それでも子供の喜ぶ顔がみたいから無理して来ました。それなのにこういう事をされては...
ドクターはほとんどが定年退職した人です。ですが、中には現役もいます。修理をしている人もいます。そんな人に仕事としてみてもらったら、見てもらうだけで1万円はかかります。作業工賃も1時間あたり1万円より少し下がるぐらいです。個人的にはそれだけいただけるのなら、修理を依頼する人は何をしてもらってもいいです。かえっていないほうが助かります。
皆さんのご意見もお伺いしたいところです。今回のことで、私は個人的には、代表としてそういう人の修理はお断りしようかと考えております。仕事ではないのですから、修理する相手を選びたいです。嫌な気持ちで行いたくはないです。気持ちよく行いたいです。皆さんはどうお考えでしょうか?
ここは最初の開催です。![]() |
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最初の患者さんは自動車の乗り物です。![]() 正面のダイアルのクリックがなくなったそうです。 |
![]() ごらんのように右上の部品についているであろうクリックのものがなくなっています。 |
![]() 画像のようにクリックの部品を作りました。これはケーブルタイのようなやわらかいものを加工しクリック感を出させました。最近購入したルータ(パソコンで使うものではなく、歯医者で削るときに使うようなもの)が大活躍でした。 |
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次の患者さんは自動車で、型にあったものをはめ込むと音が鳴るものです。![]() 全て同じ音になってしまうとのことでした。 |
![]() 内部をいろいろ見てみましたが、どうも画像のICの不良のようです。こればっかりは残念ながらどうしようもできませんでした。 |
次の患者さんは電池で動く自動車です。![]() これは電池だけの問題でした。 |
ところがこれがとても面白いおもちゃだったのです。![]() 上手のようにパトロールカーから消防車に変わります。これは、リモコンはどんなものでもいいのですが、そこから発信すると外側の囲いが動いて様変わりするというわけです。ドクター一同も「ほぉー」てな感じでした。 |
次の患者さんはミニカーで車輪が曲がっているものでした。![]() これは治してしまった映像です。 |
ミニカーは、本来飾っておくもので、動かしたりして使うものとは少し違うと思いますが、外側の頑丈さから、上から押さえつけてしまったりすると車軸が曲がってしまいます。 この車軸はとても細いものなのです。で、それだけならいいのですが、ミニカーは原則として分解できないようになっていて、分解するにはリベット止めのようなところをドリルで壊し、その後ネジ止めか半田で止めるわけですが、今回のはいいネジがなく、半田で止めました。 アルミとは言うものの、ドリルでは結構硬いですし、当然、ネジ止めを想定していませんので、細いネジしか使用できず、下穴も細く開けないといけません。この辺が苦労するところです。 |
○ 修理記録
形を少し変えました。以下に過去修理した物をサムネイルで載せてます。参考になさってください。