アメリカでは45%の家庭にパソコンが行き渡っているのだそうです。News.comの分析では、去年から出始めた1000ドル以下の安価なパソコンが普及を進めたということらしいですが。確かに、売れているパソコンの40%が、1000ドル以下のパソコンという国だから、そうなのかもしれません。日本でも20万円を切るパソコンが目玉商品になりつつありますが、まだ、「Pentium II 333MHzを搭載したハイエンドモデルが17インチモニタとセットで40万円台」なんて驚いている状態ですから、上のNews.Comの記事にある、「333-MHz Pentium II system with a 17-inch monitor down to $1,950(25万円)」に比べると、ちょっと格差を感じます。一方で、アメリカのメーカーは1000ドルパソコンに拡張性を加えたモデルを売り始めました。これは、安く買ったパソコンに自分好みのオプションを加えて、長く使えるようにできるという売りですが、見ようによっては、本体ではもうからないから、高いパソコンからオプションを外して値段を下げ、買った後でその分を買い足してもらおうという発想とも取れますね。また、オプションを外して激安にしたパソコンなどがでてくると、本体だけ最新のものに買い替えて、今使っている拡張カードやボードを流用しようなんて考えている人は増えるでしょうね。でも、それをすると、Windows 95では使えていても、近い将来Windows NTがパソコンOSの標準になった時に使えなくなるかもしれません。 Windows 95が出たときに、私は職場のパソコンにそれを入れようと考えて、Windos 3.1からのグレードアップパッケージを買いました。しかし、なんと、そのパソコンは互換性リストに載っていなかったのです。しかたなく、入れかけたWindows 95を止めて、Windos 3.1をインストールし直す羽目になりました。こうしたことが起きるので、Windows 95のウリであったPlug and Play:"つなげば使える"は、Plug and Pray:"つないで祈る"だと皮肉を言われるようになりました。Windows 95が使えないと分かった私は、コンベンショナルメモリが足りなくて困っていたので、しかたなくWindows NT 3.51を、そのパソコンにインストールしました。もちろん、そのときには互換性リストを徹底的に調べて、そのパソコンで使えることを確かめました。でも、不思議ですね。同じマイクロソフトの製品なのに、Windows 95でだめでもWindows NT 3.51だと使える。そして、最近、私は新しく購入したノートパソコンにWindows NT Workstation 4.0を導入しました。このノートパソコンは、それまでWindows 3.1のころから使っていたパソコン(その後、Windows 95にアップしている)を更新したものだったので、そちらのLANカード(Xircom CE-10)やSCSIカード(Ratoc 5535)を流用する予定でした。しかし、なんと、両方とも互換性リストに載っていなかったのです。Windows 95ではPlug and Playで使えていたPCカードが、Windows NT 4.0では使えないのです。製造会社のWebサーバーから、最新のドライバーを持ってきて、それのWindows NT用というのをインストールしてみたりもしましたが、結果的には使えませんでした。 ここで互換性リストというのは、OSのパッケージの中に入っている、100ページくらいの簡単に綴じられた冊子です。でも、インターネットに接続できれば、買う前にマイクロソフトのホームページからダウンロードして事前にチェックすることもできます。
(Windows 95の互換性リストのページをアクセスして文字化けしたら文字コードを再度指定しましょう。) ただ、私がWebで提供されているWindows NT 4.0の互換性リストと、製品に添付されてきたリスト比較すると、パッケージに添付されたリストには英語版OSで使えたものも載せているのに対して、Webの方のリストは日本語版で動作確認されたハードウエアに限定しているようでした。一方、Windows 95版の互換性リストの方は、英文の説明がそのままなので、英語版での確認結果のようです。なんだか、統一されていないが、英語版で動いていれば日本語版でも動くということなのか、そうでもないのか、ちょっと不安はありますね。ところで、Xircomのアダプタをみると、確かにWindows 95のリストには載っていても、Windows NT 4.0の方にはありません。だから、載っていないものも動くかも知れないと考えるより、載っていないものは動かない可能性が高いと考えたほうが無難です。こうした、互換性リストは、Windows Hardware Quality Labs Japanという機関が担当していて、専用のテスト用ソフトを使うか、有料でテストしてもらうという方法で申請すると、互換性確認リストに載る仕組みのようです。そうすると、新しいOSになるほど古い製品がこのリストに載る可能性は少なくなりますね。ですから、パソコンの本体だけを更新して周辺機器を流用する場合、OSを変えたときの動作保証は難しくなります。 例えば、Pentium II 300MHzで20万円なんてのが近い将来日本でも売り出されたとして、CD-ROMもSCSIインタフェースもオプションだけど、それは今のパソコンから外せばいいや、なんて考える。添付のOSはWindows NT Ver.5かWindows 98を選べる。ここは、やっぱりWindows NT Ver.5にしたいなぁ、と思ったのが間違いで、起動してみたらSCSIボードもCD-ROMも認識しないし、ゲームで愛用のオーディオボードも認識できないなんてことが起きるかも知れない。いまのまま、Windows 95を地道に使っていればいいんですがね。特に、SCSIインタフェースがだめだと、CD-ROMを使ったソフトのインストールができないのでとても不便です。ここで言えるのは、周辺機器に限らず、ハードウエアは使えなくなったから捨てるのではなくて、OSがバージョンアップしてしまったから使えなくなるっていう状況が、この先、Windows 95からWindows NT Ver.5に移行するときに起きそうだ、ということです。これは、Windows 3.1からWindows 95のときにも起きました。すると、古いものを大事に使いたい人はどうしたらよいでしょうか。まず、OSは変えない。アプリケーションソフトもバージョンアップしない。これですね。そして、よそからソフトのデータをもらうときは、古いバージョンで出力してもらう。それが、面倒であれば、やはり、廉価版のパソコンではなく、何でも付いているオールインワン仕様のパソコンを買うのが、一番安全なのかも知れません。で、古いのはFree BSDやLinuxみたいな無料配付のUNIXでも入れて、家庭LANのサーバーマシンに使う。でも待てよ、この場合も、インストールする前にホームページに行って、使用可能なハードウエアのリストを調べておいたほうがよさそうですね。
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1998.03.13 |
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