Windows 2000を買いました?

マイクロソフトからWindows 2000が発売[関連記事一覧:zdnet]されました。例によって、カウントダウンでたくさんの客が電器街に集まったというワンパターンな報道[MYCOM]が出ていますね。でも、ここに行列を作った人たちは、前もって評価版を自分のパソコンに入れてみたんでしょうか。企業ユーザーが町のパソコン屋に並ぶわけがないから、あの人たちは自宅のパソコン用にWindows 2000を買うのでしょう。でも、すでにWindows 98をユーザー登録していれば、プロダクトアップグレード版を1.2万円程安く買えるはず。なんで夜中に並んでまでして買うのかな。ゲームソフトならリリースを待って買いに走る気持ちは分かるけどな。あ、もしかして、評価版を上書きインストールしちゃって、めちゃめちゃ不安定になった人が、製品版ならバグがとれてるだろうと思って、買いに行ったとか(^_^;。

前回に私がここで書いたような、Windows 2000を導入する意味があるだろうかという議論は、その後のアメリカのニュースサイト[cnet]にも出ています。ここでは、今年の末までに、Windows 95/98, Windows NTのユーザーがWindows 2000にアップグレードする割合は20%に満たないと書いています。その主な理由は、既存のソフトやネットワーク上のシステムとの互換性で問題が出るかもしれないということのようです。私も、Windwows NTで使っているいくつかのソフトをインストールして動作を確認してみましたが、その内の一つはインストールはできたのに起動しませんでした。エラーメッセージもでないで終わるので、理由が分かりません。Windows用のソフトでもこうですから、DOS用のソフトはもっと悲観的でしょう。もちろん、マイクロソフトのオフィスしか使わない人に問題は起きないでしょうけど。(補足:実際は、オフィスでも問題が出てるらしい[microsoft]。)この記事では、「非常に重要な仕事への使用やWindows 2000の新しい機能などは、少なくともService Pack 1が出るまで待つほうがいいだろう」と書いていますが、私に言わせれば仕事で使うかぎりは、個人にとって重要でない仕事はないはず。だから、会社が、全面的にWindows 2000サーバーを導入して、推し進めないかぎり、好奇心だけでこれを導入するのはどうかと思います。結局、私も今ではWindows 2000評価版上で仕事をするのは止めています。もっとも、おまけゲームについているピンボールは、結構遊べますね。これのために、再起動してWindows 2000を立ち上げたりしてます(^_^)。

マスコミがよいしょするわりに、Windows 2000の人気が今一つなのは、評価版を早くから大量にばらまいた結果かもしれません。本来、Windwos 2000の新機能は、ネットワークでWindows 2000サーバーと一緒に使うことで出てくるわけで、スタンドアロンで入れたとしても、それは例えば、Windows 98的なプラグ&プレイやユーザーインタフェースが使えて、ゲームソフトも走るWindows NTでしかありません。だから、逆に不安定な部分ばかりが目立ってしまうのではないでしょうかね。一方でWindows 2000をプリインストールしたパソコンは、つぎつぎに出てくる[cnet]でしょうから、そうした先進的ユーザーが増えることで、いろいろな初期の問題は無くなっていくものと思います。その頃には、みんなが安心してWindows 2000を使うようになるかも。ただ、ネットワークで威力を発揮するはずのWindows 2000も、一方では、Linuxとの対比でメリットを問われる面[zdnet]もあるようです。個人的には、マイクロソフトのバックオフィスを始めとするネットワークより、UNIX系のサーバーをつかったネットワークの方が好きなので、こういうネットワーク構築の議論でも、あまりWinodws 2000寄りにはなれません。これは、LinuxとWindows 2000のどっちがユーザーが使えるかという問題よりも、サーバーから端末までマイクロソフト一色にしないと使えないWindows 2000のネットワークを入れるか、無料のLinuxをつかった数台規模のネットワークから、SunのSolalisをつかった大規模なネットワークまで、同じ技術の上でスケーラブルに移行できるUNIX系のネットワークを入れるかという議論なんだと思います。私には、マイクロソフトの技術は、便利そうだけど他のOSに対して排他的すぎるように思います。

それでも、ここまで増えてしまったWindowsユーザーは、私も含めてWindowsと仲良くやっていかなきゃいけませんね。そのために、一般ユーザー用Windowsの次期バージョンというのが、やっと見えて[cnet]きました。これは、前回「Millennium」という名前で紹介したWindows 98の後継OSです。それにしても、Windows系のOSは、開発中のものも含めて、いろんなバージョンがあって区別がつかなくなっていますね。これらの、違いを説明するページ[英文:wugnet]がユーザーグループのサイトにあります。これによると、新しいバージョンのWindows MeはWindows 98と同じDOS系の技術でつくられていて、マルチメディアや、ネットワーク機能を強化したもののようです。基本的に、同じということはWindows 98で動くソフトは、Windows Meでも動くわけで、新しいOSで気分を変えたいだけの個人ユーザーなら、Windows 2000よりもこっちを選ぶべきでしょう。見かけのユーザーインタフェースもWinodws 2000と似ているということだし。それよりも、多分、今使っているパソコンを買い直さなくても使えるのではなかろうか。Windows 2000については、マイクロソフトはそれほどのパフォーマンスを要求しないと言っていますが、他のメーカーはマイクロソフトの言っている仕様では、現実的でない[cnet]とコメントしています。

マスコミは、Windows 95フィーバーの再来と騒いでも、実際にマイクロソフトがターゲットとしている企業の間では、盛り上がりを欠いている[hotwired]ようです。Y2K問題対応で大量にパソコンをバージョンアップした直後だということもあるようですけどね。経営者は、冷静にコストを計算しているのでしょう。一方で、主にスタンドアロンで使っている私のようなユーザーにとっては、いつまでもWindows NT Ver.4と仲良くしていたくても、いつかソフトウエアのサポートが切れるのですな。だから、結局Windows 3.1を使っていたのを、パソコンを代えてまでしてWindows 95にしたのと同様に、いまのパソコンを捨ててもWindows 2000にせざるを得ないという悩みがあります。私の場合、Windows NTで使っているノートパソコンは、明らかにパフォーマンス不足です。何はともあれ、発売初日の夜は、電器街の一部で盛り上がったらしいですが、せっかく深夜の東京は秋葉原に出現したマイクロソフト社長の成毛氏が、報道陣にラオックスの社長と間違えられて寂しく帰ったというニュース[zdnet]は、ちょっと気の毒でしたね(^_^;。

2000.2.18
補足:Windows 2000に関する不具合は、マイクロソフトのサポートページ[microsoft]の下の方にある、新着サポート技術情報[microsoft]のリンクにまとめられています。この内容を見ても、決して上書きインストールはしないことですね。必ず、別のパーティションに新規インストールすることをお勧めします。また、マイクロソフトのオフィス製品でも不具合が出ているようです。

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