Windows 2000評価版を入れてみました

マイクロソフトからWindows 2000[microsoft]アップグレードのDMがやって来ました。「デジタルビジネス時代の新しいウインドウズ、誕生」なんだそうです。実は、今年に入ってから職場のPCの空きパーティションを使って、プロフェッショナルバージョンの評価版を試しているのですが、エンドユーザーにとってはDMの中の「移行は非常に容易です」という言葉通りには行かない様に思います。パンフレットには簡単に導入できますとか書いてあっても、Windws 3.1からWindows 95へのバージョンアップで経験したトラブルが、また繰り返されると思いますね。

Windows 2000に関する新しい機能のうち、送られてきたDMで大きく宣伝している、Active DirectoryやVPNやInteliMirrorはWindows 2000 ServerをLANに入れないと使えない機能ですし、ネットワーク版ブリーフケースにあたるオフラインファイル機能も同様にLAN利用者にメリットがあります。こうした機能を売りにしている点からも、マイクロソフトは企業ユーザーにWindows 2000を売り込んで、さらにその新機能を使うのに必要なWindows 2000 Serverのシェアも広げようという戦略のように思います。こうした、ほとんどの個人ユーザーには関係のないLANの話はさておき、LANを使わないユーザーにも使えそうな新機能もあります。ローカルディスクを好きなフォルダーにマウントする機能は、複数のパーティションを一つのドライブに束ねることができるので便利ですね。例えばCD-ROMドライブをCドライブのcdromというフォルダーにマウントするには、あらかじめここにフォルダーを作っておき、「ディスク管理」というツール(Windows NTユーザーはディスクアドミニストレータと言ったほうが分かるかな)で、パーティションやドライブの別名をそのフォルダーに設定します。これは、UNIXのマウントと似ていますが、Windows 2000の場合は、フォルダーにマウントしても元のドライブが見えなくなるわけではありません。どっちかというと、UNIXのシンボリックリンク(ディレクトリを別のディレクトリに別名定義する機能)に近いものです。あとは、検索機能が強化されてインデックスファイルをつかって、ファイルに含まれる文字でも検索できるようになったとか。そうそう、セキュリティをあげるためにファイルの暗号化が可能になっています。仮にゲストユーザーがネットワークからログインしてきても、ファイルを開くことはできません。でも、試してみたらゲストユーザーは、中身を見れなくてもファイルを消去することができたぞ(^_^;。消されることはセキュリティ上の問題ではない?しかし、こうした新機能より、いま使っているOSとの使い勝手の違いの方が大きいように思いますし、それがプラスになるとともに、逆に負担になるかもしれません。

私自身は、Windows 95とWindows NT ver.4を使っていますが、ほとんどはNTで仕事しています。ですから、Windows NT Ver.4との違いが気になる。いちばん大きいのは、ゲームソフトが動くということ(^_^)。Windows 2000では、directX7をサポートしているのでゲームソフトが動くのです。これは、ゲームの時はWindows 95のパーティションから起動して、Windows NTと使い分けているユーザーにとっては画期的なことです。ま、本来仕事で使っているのなら関係ないはずのことでもありますが(^_^;。試しに、あくまでWindows 2000の性能チェックのためにですが、ゲームソフトのお試し版を入れて動かしてみました。例えば、マイクロソフトのホームページにある、お試しソフトページ[microsoft]から、ピンボール アーケードとアーバン アソールトを入れてみましたが、ちゃんと動きましたね。マイクロソフトの製品だから当たり前?じゃ、セガのお試しソフトはどうかと、いくつか入れてみると、バーチャルコップとか、デイトナUSAなんかは、そのまま動きました。ただ、セガラリーなどはインストーラがOSが対応していないとはねました。それに、私が確認したわけではありませんが、ジョイスティックとか音源ボードの相性にも問題があるようなことを言う人もいたので、心からWindows 95なユーザーにとっては、ゲームが動くと言っても、全部が動くわけではないというような印象のようです。Windows NTのユーザーにとってもう一つの画期的出来事は、プラグ・アンド・プレイが使えることですね。Windows 95/98でおなじみの、新しいデバイスを認識したという窓がでるのは嬉しい。ただ、私のマシンの場合、CD-ROMを入れておかないとCD-ROMドライブを起動時に認識しないのですが。これって、こういうものなの?それはともかく、基本的にWindows NTの利用者から見れば、よりWindows 98的になったWindows NTの新しいバージョンという印象です。でも、評価版のせいか、ちょっと不安定だけど。

システムの安定性については、Windows 95ユーザーとNT Ver.4のユーザーでは違う印象をもっているようです。Windows 2000を試しているWindows 95ユーザーと話したら、まず、起動は遅いがアプリケーションのスピードは変わらないと言っていました。確かに、私もWindows NTと比べても特に動きが遅いというイメージはありません。それと、Windows 95よりも安定であると言ってます。ここは、ちょっと私のイメージと違います。私は、Windwos NT Ver.4の方がずーっと安定な感じがする。これは、新規インストールしたWindwos 2000と比較してもです。私が、遭遇した問題点としては、アプリケーションがハングアップするとき、タスクマネージャーから問題のアプリケーションを強制終了すると、ちゃんと動いていた他の全てのアプリケーションも同時に異常終了しまうことがある<補足1>。また、一度は、ネットワークのほかの計算機からファイルをコピーする途中で、キーボードとマウスが凍ってしまい、電源から切る必要がありました<補足2>。凍るのはソフトのせいかもしれませんが、Windows 2000のヘルプメニューソフトが凍ってしまうこともあるので、決して安定なOSとは思えません。製品版になればこうした問題はとれているかもしれませんが、それを期待するよりも最初のサービスパックが出るまではWindows NT Ver.4の入ったパーティションは削除できないような印象を持っています。これは、誰もが考えているようで、これによる買い控えを恐れたのか、はやくも、マイクロソフトはサービスパックを出そうとしている[cnet]という話もあります。ただ、安定性の議論はおいといて、ニュースサイトの評価記事によれば、Windows 2000は節電機能などで、モバイル系の機能が強化されているので、ノートパソコンについては導入のメリットがある[zdnet]と書いてあるものもあります。私も、Winodws NT Ver.4でつかっているノートパソコンを持っているので、入れ替えてみるかな。もっとも、パフォーマンスもディスクスペースも足らないようですが。

システム移行のハードルとしてには、Windows NTユーザーよりも、Windows 95/98ユーザーの方が高いと思います。ソフトの互換性はともかく、マルチユーザー、マルチタスクが基本のOSには戸惑うところが多いのではないでしょうか。アドミニストレーターってなに?ゲストユーザーて誰?パフォーマンスメーターがちっとも上がらないのは、システムに問題があるの?こういう、訳の分からないものを気にせずに、それなりに使えていれば構わないという、心の広いユーザーにはお勧めかもしれませんが。でも、ここまで雑誌とかで宣伝されると、このままWindows 95/98やNT Ver.4を使い続けることの方が勇気が必要だったりして<補足3>

2000.1.28

<補足1> 他の全てのアプリケーションも同時に異常終了しまう

    アプリケーションソフト内の操作で、キー入力やクリックが効かなくなるときがある。カーソルは移動できるのでタスクマネージャを起動し、該当するアプリケーションを強制終了すると、続いて、他に起動しているアプリケーションが応答しない、これを終了するかという警告が表示される。ここで終了を選択すると、つぎつぎに他のソフトも応答しないという警告が表示され、全部のアプリケーションが止るまで繰り返される。試しに、この警告に対してキャンセルを選択すると、見掛け上、残りのソフトが正常に使えることが分かった。ただし、これが正常かどうかは分からないので、いずれにせよ再起動が必要である。これは、一ヶ月に3回程度起きた。

<補足2> キーボードとマウスが凍ってしまい、電源から切る必要があった

    ネットワークの他の計算機から自分の計算機にフォルダーごとコピーする作業の途中で、コピーが途中で止ると同時にマウスやキーボードが応答しなくなった。パソコンの電源をおしても(ソフトキーだから?)シャットダウンできないので、コンセントを抜いて再起動した。作業中のデータは失われた。これは、一度だけ起きた。もっとも、その後試していない。

<補足3> このままWindows 95/98を使い続けるか
    マイクロソフトは、Winows 98の後継OSである「Millennium」[cnet]を2000年の後半に出そうとしている[cnet]。その後、Windows 98の様なDOS系の流れと、Windows 2000のようなWindows NT系の流れは統合されるらしい。しかし、一般向けOSの「Millennium」を待つのか、一気にWindows 2000に行ってしまうのか、Windows 2000に関する宣伝記事は多いが、個人ユーザー向けの指針はない。個人でWindows 2000を入れるのも良いが、システムに慣れるまで半年苦労したら「あれは、企業ユーザー向けのOSだってい言ったでしょ、個人向けはこっち」ということになるかもしれない。

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