これからの検索サイト

最近、検索サイトのコマーシャルがテレビで目に付くようになりました。最初は、Yahooのコマーシャル[yahoo]だったと思います。テレビのコマーシャルを出すくらいだから儲かってるんだろうなと思ってみてました。すると、しばらくして、exiteやinfoseekもコマーシャルを出してきましたね。なんか、infoseek[infoseek]のコマーシャルは捨て身の攻撃とか、やけくそなコマーシャルとか言われてますけど(^_^;。ほかにも、gooも凝ったコマーシャル[goo]を出してます。ま、考えようによっては、なぜ今まで出てなかったのかとも言えますが。こうしたコマーシャルは、どれも、家庭の利用者をターゲットにして、インターネット検索をするときには、自分のURLを使ってくださいということなんでしょう。ただ、これらの検索サイトに利用者を集めることで、どれくらい収益が上がるのかちょっと分かりませんが。

実際、どれくらい多くの検索サイトが存在するのか分かりません。敢えて、探したことも無いですし。検索サイトで「検索サイト」をキーワードにして検索したら、どこが引っ掛かるのだろうかとYahooでやってみたら、60件くらいでますね。さすがに、商売敵は載せてないし、カテゴリもないみたいですが。私の検索サイトの使い方は、必ず複数のサイトを使います。だから、ここのホームページの検索サーバーページも10数サイトを並べているわけです。一つの検索サイトの使い方を極めるのも手ですが、私の経験では、いくら検索サイトのプログラムが進歩しても、情報収集能力は単独のサイトでは限度があるように思います。そんなわけで、例えば、カテゴリがはっきりしているものはYahooから始めたり、なんだかわからんものは、infoseekやlycosみたいな、ともかくヒット数の多いところから始めたりするのです。インターネットを検索して、ゴミ情報がたくさん引っ掛かるのは仕方ないことです。逆に、検索サイトで厳選して載せてますっていうところは、ある意味で情報をフィルタリングしているわけで、検索する範囲を狭くしているように思いますね。例えば、Yahooのカテゴリには私のサイトは載っていません。その価値がないと、数年前にYahooが判断したからですが(^_^;。では、ここの情報はまるっきりゴミかというと、別のサイトで情報源として私の書いたページをリンクしてたりするわけで、どうやら、ここのページもどっかでは役に立ってるようなんですね。それを、検索するにたらないサイトと判断するのは、それはYahooの勝手なわけで、それがフィルタリングというものです。たしかにlycosやinfoseekで引っ掛かるサイトは、私から見て意味のないものが90%を越えますが、でも、それは私にとってであって、他の人には必要な情報かも知れないのです。だから、厳選して載せますみたいなのは、これほどカテゴリの多様化した今のインターネットにおいては、メリットになっていないと思います。強いて言えば、ごみから必要なものを見つけるのに慣れていない初心者向けかな。

ところで、この間、東京は新宿駅の近くでYahooのネオンサインを初めて見たときは、なんか驚いちゃいました。なんで驚いたのか、驚いた自分の理由が分からないのですが(^_^:。多分、私はインターネットの世界というのは、バーチャルな世界と認識してるんだと思います。パソコンの画面の中に閉じた世界というか。その中で意味を持ち、それを現実の情報として使う過程に自分が介在するところに意味があるというか(なんのこっちゃ)。それが、電車の窓からYahooなどといいう文字が飛び込んでくると、思わずそこをクリックしちゃいたくなる。冗談はともかく、ネオンサインになったり、コマーシャルになったりするくらい、インターネットは実生活に入り込んできたということでしょうか。現在は、インフォメーション・テクノロジー(IT)だか、エレクトロニック・コマース(EC)だか、マスコミがはやし立てて、関連する会社の株価が上がるという図式になっています。でも、これも、私にとっては、自分がパソコンの画面のなかで判断していたものが、勝手に実生活のなかに土足で入ってきたような印象を持つのですね。パソコンの中の世界であれば、こんなもん使えるかいと、自分の判断で、窓を閉じてしまえばよいわけですが、テレビは宣伝が終わるまで見なきゃいけないし、新聞はゴミに出すまで私の前で電子商取引しなきゃ現代人じゃないでしょと主張します。そういうあんたは、どれくらい使ってるのと言いたいが。パソコンとか本とかCDとかソフトウエアとか、製品の仕様や内容が保証されてるものは、私だって電子商取引しますけどね。あれは、テレビのオンラインショッピングみたいなものだから、何らかの方法で売る側の信用が保証されないと、利用者の立場がとても危ない仕組みだと思います。逆に、インターネットで店を開くほうも、その信用をオンラインで獲得するのに何年もかかるということですが。効率悪いね。町のお店屋さんなら、扱っているものを手に取ったり、店員の表情とかみれば、だいたいどのレベルの信用ができるか、分かるだろうに。

話を検索サーバーに戻せば、ああやって、宣伝してメディアの表にでてきた検索サイトも、いつまでも景気が良いわけでもないというニュース[cnet]が出ています。このニュースで問題となっているInfraSearchと言う検索エンジンは、今までの検索エンジンとは全く異なる方法で情報を探します。Yahooなどの検索エンジンは、検索するURLのデータをデータベースとして自分のコンピュータに持っています。そのデータ構造は知りませんが、多分、URLとそれの特徴を表す言葉がペアになっているのでしょう。利用者が、キーワードをいれて検索ボタンをクリックすると、検索エンジンは自分のデータベースから該当するキーワードを持ったURLのリストを表示します。データベースは、Yahooだと登録希望者が出した申請書に基づいて担当者が入力するし、Infoseekやlycosのようなサイトでは、ロボットというプログラムが、既に持っているURLを出発点として、インターネット上のリンクをたどって探してきます。この場合、キーワードは、そのページの最初の数行であったり、製作者がページのソースに埋め込んだメタタグという行から持ってきたりします。こうしたロボットを使う検索サイトの登録数が多いのはこういう自動探索ソフトが持ってくるからです。上に書いたInfraSearchが、これまでの検索サイトの使っている検索エンジンと違う点は、データベースを持たないかわりに、近所のパソコンに直接データがないか聞いて回るところです。この仕組みは、上のニュースページの絵を見ると分かりやすいでしょう。最初のパソコンの検索ツールを動かすと、自分が知っているパソコンに聞きに行きます。それらのパソコンは、自分にそのデータがないと、さらに自分の知っているパソコンに検索をパスします。そのうち、該当するデータを持っているパソコンに行き着くと、そのパソコンは、自分のデータを最初の依頼主に転送する仕組みです。現実的には、個人のパソコンに入っているデータはたかがしれてますから、データベースを持っているサイトの間を、こうした検索が受け渡されることになるでしょう。このシステムのメリットは、一つのサイトが全てを抱える必要がないことでしょうね。それぞれが、自分の得意な範囲のデータベースを持っていれば、インターネット全体では、必ず検索を成功させることができる。なんか、これが、インターネットの本来の姿のように思います。ただ、これだと、検索サイトはただのデータベースになってしまい、収入元であるポータルサイトになれないかもしれない。すると、今の検索サイトは、InfraSearchからの検索依頼を拒否するようになるでしょうね。

検索サイトというのは、WWWの本来の機能である、ネットワーク上で連携した巨大なデータベースからデータを引きだすという役割を持っています。しかし、テレビのコマーシャルに出てくるくらいですから、すでにこれらはビジネスになっています。少なくとも、まだ無料で検索できるからテレビで宣伝しようが新聞で宣伝しようが、私たちには関係ないですけどね。でも、ビジネスとなった途端に、もっと便利だが儲からない技術が出てきたときに、それの普及を阻害することはないかと、ちょっとだけ心配になります。

2000.6.9
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