8月17日海外部長尾林広徳御尊師の導師により、アフリカ初の日蓮正宗寺院『法華寺』の上棟式が盛大に奉修された。法要にはガーナ理事長のアソマニ氏を代表とするガーナの信徒を始め、隣接国のトーゴやべナンの法華講員も加わり、計700余名が参列した。法華寺は黄金海岸に面するガーナの首都アクラ中心から車で40分弱の郊外ある丘に位置し、周囲は開発が盛んで高速道路が計画されている。境内は約1200坪。
本日は、法珠院がこのたび移転新築をいたしまして、その落慶入仏法要を執り行うに当たりお伺いしました。皆様方には元気なお姿で御参詣になり、まことにおめでとうございました。ご苦労様でした。
−宝珠寺縁起−この法珠院の成立は皆様方もほぼご存知かと思いますが、昭和56年にこの釧路市の興徳寺という寺院の住職・山本量道が、当時の状況上種々の悪縁に粉動されて、日蓮正宗総本山の指導から背いて、えむをえず、他の信心を忘れた不逞なる者どもと共に処分致した次第であります。したがって、処分された以上、その者どもは直ちにそこから退去するべきでありましたが、我意・我見をもってあくまで今までのところに留まり、動く姿もなかったのであります。
このような状況のなか、当時の御信徒の篤志の方が、御自分の住居ならびに土地等を御供養して下さいましたて、そこを本拠に法珠院が出発したのであります。それが昭和56年の6月だったと思いますが、次の年の昭和57年10月に、さらに日蓮正宗の正式な教会・法珠院として発足したのであります。これ以来、有縁の信徒と共に、福田寿道房がこの院を盛り立てて、正法広布のために精進をしてきたのであります。そして時至って今回、この慶事を迎えた次第でありますが、その前に興徳寺に居座っておりました山本量道が、寿命が尽きて没しました。したがって、興徳寺が正常なかたちに戻ってまいりましたので、現在は興徳寺もまた日蓮正宗の寺院として行っており次第であります。
したがって、まだ本宗においては、無論将来は判りませんけれども、全国的にみますれば、だいたい一都市一ヵ寺というような状況があるわけでありますが、現在この釧路市には2ヵ寺の寺院が存在するという状況になっておるのであります。これはむしろ、山本量道の宗門に対する反抗によって、かえって正しい信心を持った、総本山を中心とする僧俗の真の護持和合の志とその功徳によりまして、釧路市に2カ寺の寺院が出来上がるというような、大きな慶事が生じたということを感ずるのであります。
−妙法の功徳(逆即是順)−法門の中に『逆即是順』(ぎゃくそくぜじゅん)ということもあります。これは個々の信心のなかにおいて、色々な悪いことをしていたけれども、その信心を正しくどこまでも受け持って、退転せずに信心修行に邁進していくところに、かえって過去の悪が転じて、そのまま菩提の因となる不思議な姿であります。これは特に法華経の功徳でなければ、この道はないということを大聖人様が種々の御書に御指南であります。特に『始聞仏乗記』という御書でありますが、ここに『相対種』な悪いものが妙法の大きな功徳によって転じて、大きな幸せになるという姿があります。
この場合は、山本量道のことについて云々ではありませんが、山本の悪業の姿も、日蓮正宗の僧俗が真に和合して正法を護持し、広布へ進むところの功徳をもって彼が回向(えこう)されて、そこに『転迷開悟』の姿が、現在ないし未来において顕れてくるものと思うのであります、そういう意味からも、このたび寺号公称、再出発に当たりまして、山号を『如意山』と付けたのであります。
−当寺山号(如意山)の意義−『如意宝珠』という、珠の宝があるということは、仏教のなかでは色々な教えの中にありまして、これは竜の脳の所に存するとか、他に色々な説がありますけれども、要は釈尊の亡くなられたあと、その身体をお焼き申し上げて、お骨を取り分けて安置した仏舎利を如意宝珠といって、この仏舎利を拝するところの功徳をもった珠であるという意味で言われておる意味もあります。
しかし、法華経の意義からするならば、骨のことを舎利と言いますけれども、この舎利も『生身の舎利』すなわち、お釈迦様がいくら尊いお方であっても、そのお骨そのものよりも、お釈迦様の真の悟りを説かれたところの法華経こそ、真の功徳が存する舎利である。いわゆる『法身の舎利』(ほっしんのしゃり)という意味が存するのであります。この法身の舎利を我々は尊い功徳の上に拝していかなければならないのでありまして、こういうところからもこの『如意山宝珠寺』というのは、
一代経々の中には此の経ばかり一念三千の玉をいだけりという大聖人の御指南がございまして(新編574)、一念三千の深い仏の悟り、その功徳の凝集された法体(ほったい)を、いわゆる『珠(玉)』と仰せになっておるのであります。
−『末法における如意宝珠(法体=法身の舎利)』とは何か−したがって、『如意山宝珠寺』というところに、大聖人の御出現の主意たる、
一念三千を識らざる者には仏大慈悲を起こし、五字の内に此の珠をつつみ、末代幼稚の頚に懸けさしめたまふ。というところの御指南(新編662)がある次第でありまして、そこに御本仏大聖人様が日本乃至世界の衆生を救うために御出現になり、そして『本門戒壇の大御本尊』を御顕示あそばされたことは、皆様もよくご存知のとおりで有りあります。
9月4日最高裁第一小法廷は離脱・僧渡辺慈済らの上告を棄却、大経寺が今後とも『日蓮正宗』 (静岡県富士宮市)の末寺であることが確定した。−事件の経過−
- 平成4年10月17日、大経寺の元住職渡辺慈済は法華講員総代全員を解任、同時に創価学会員を総代と称して神奈川県に宗派離脱の認証を申請。
- 神奈川県知事、同申請を受理。大経寺は日蓮正宗からの宗派離脱を完了。
- 日蓮正宗、宗教法人法に基づき文部大臣に対して、事実誤認による神奈川県知事の認証の取り消しの裁定を申請。
- 文部大臣、神奈川県知事の認証を取り消し。同寺が日蓮正宗の末寺と確認。(5・8・4)
- 渡辺慈済ら、文部大臣の裁定は審査範囲の逸脱として東京地裁に訴訟提起。
- 東京地裁、『自称総代らによる専恣な宗派離脱は違法・無効』と判断。(6・10・31)
- 東京高裁、一審判決を支持。(7・12・14)
- 最高裁、渡辺らを『独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎ』ないとして退け、『原審の判断は正当として是認することができ』(宗教法人法28条1項)るとして、高裁判決を維持。自称総代の創価学会員らの寺院乗っ取り工作は失敗に終わる。(9・9・4:確定)