<6〜8面>
「開宣大法要・特別大法要・法華講30万総登山大法要の修了に当たって」
これ偏に、仏祖三宝尊の御加護と御法主日顕上人猊下の御威徳によることは勿論、宗内僧俗御一同の堅固な道念と篤き信心に基づく異体同心の御奉公が見事に結実したものであり、誠に御同慶に堪えません、ここに甚深の謝意を表する次第であります。
本門戒壇大御本尊を御安置し奉る総本山奉安堂の落慶大法要を目前に控え、いよいよ僧俗和合して未来広布を目指し、唱題と折伏行に精進せられるよう念願いたします。
ただいまは、宗旨建立750年慶祝記念法華講30万総登山大法要の最後を飾る、第60会において「論義式」を修し、もって仏恩報謝に備え奉りました。皆様には遠路はるばる総本山に御参詣せられ、本仏日蓮大聖人宗旨建立の記念法要に参加されましたことは、宿縁深厚にして現当二世の功徳、まことに大いなるものとお喜び申し上げます。
この宗旨建立750年の大佳節に当たりましては、去る3月28日に慶祝記念開宣大法要、4月27・28日に同特別大法要を修し奉りましたが、さらに4月29日よりの60回にわたり、慶祝記念法華講30万総登山大法要を奉修いたし、本日をもって最終会となった次第であります。
宗祖日蓮大聖人の仏法は、五重の相対、三重の秘伝等、重々の浅深勝劣をもって判ずる寿量文底深秘の大法でありますから、まことに難信難解であり、したがってその正しい意を得るためには、甚深の法門における種々の義理を正しく判釈し、その筋道を明らかにするため「論議」あるいは「講説」の必要があるのであります。
さらに日興上人は同『置文』において、「御抄を心肝に染め極理を師伝し云云」(同)と示され、末法の下種仏法は大聖人の御書を根幹とする信解こそ大事であり、その要旨は必ず師弟相対しての血脈をもって伝えるべきを誡められました。
これらの教えに基づき、我が宗門独特の正法の深義を内容とする仏法の研鑚が、いにしえよりこのような形において行われてきたのが、この論義式であります。
思えば、平成2年の3万結集の総会より、平成6年・地涌六万の大総会、続く平成10年の客殿新築に伴う10万総登山、さらに本年の30万総登山等、ことごとく法華講の大前進を示しております。特に、この30万総登山の参加者総数は、目標の30万をはるかに超えて、本日までにおいて実に34万9068人に至りました。仏祖三宝尊にも御照覧あって、深く御満足におぼしめすことと拝し奉ります。皆様、本当におめでとうございました。
これすなわち法華講の皆様が、「今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(御書1594ページ)との御金言を受け、信心修行と折伏に邁進された尊い結果であります。
さて、宗門僧俗一同の尊い御供養による奉安堂の建設工事は、9月末までに回廊をも含めてすべて完了いたし、明8日には竣工式、そして10日に本門戒壇の大御本尊御遷座の儀を執り行い、10月12日、大御本尊御顕示の大吉日をもって奉安堂落慶大法要を奉修いたします。さらに10月13日より22日までの10日間、12会にわたって落慶記念大法要が執行されます。
思えば建長5年春、3月・4月の宗旨建立より弘安2年10月の本懐成就に至る大聖人の御化導を拝するとき、この記念すべき宗旨建立750年の本年において、その4月より10月にわたり未曽有の地涌30万信徒の参詣によって仏徳を報じ奉り、また、その10月において奉安堂に大聖人一期御化導の究竟、本門戒壇の大御本尊がお出ましになり、日本乃至、世界広布の厳然たる基礎が築かれることは、まことに不思議な実相と申すべきであります。このような宗門の大興隆は、これまさに妙法の正義を実践する故であると信ずるものであります。
今や全世界の宗教界、思想界の混乱のなかにおいて、本地甚深の妙法広布の大願に基づき、厳然として立正安国の正義を行ずる宗団は、我が日蓮正宗のみであります。かかる重大な意義と地涌の使命を自覚し、日本乃至、世界広布を大目標として、一人より一人への折伏、妙法弘通の大行にいよいよ精進をいたしてまいりましょう。
以上、一言、本日の法要の言葉といたします。
最終回第60会が、本日、御法主日顕上人猊下大導師のもと、このように厳粛かつ盛大に奉修せられ、まことにおめでとうございます。
4月29日より始まったこの法華講30万総登山大法要が、去る9月22日の第55会において御命題の30万人を超え、本日ここに目標をはるかに超過する完全達成の形をもって終了を迎えることができましたことは、何ものにも代え難い喜びであり、これひとえに仏祖三宝尊の御冥護と、御法主上人猊下の御威徳の然(しか)らしむるところと、恐懼感激の極みであります。
この未曽有の30万総登山達成のために尽くされた全国各支部僧俗の精進努力は、まことにもって筆舌に尽くせないものがあると存じます。
特に、創価学会の飽くなき誹謗中傷と妨害をはね返し、あらゆる三障四魔を克服しての30万達成は、実に僧俗一結・異体同心の固い団結による大勝利であり、御本仏大聖人の御照覧あそばされるところにして、法華講700年の歴史を飾る大偉業であると申して差し支えないと思うものであります。慶祝記念局といたしまして、全国の僧俗の皆様に、甚深の謝意と敬意を表し、かつお慶びを申し上げる次第であります。まことにおめでとうございました。
この大歓喜をもって奉安堂の落慶を迎え、大聖人様に御報恩謝徳申し上げることができますことは、無上の喜びであり、同時に、このことが本年の方針である「法礎の建立」を成し遂げ、未来広布への礎を磐石に築くことになると、確信するものであります。
○御法主日顕上人猊下御言葉 法華講30万総登山大法要終会の砌
さて、この法要中、終始にわたって執り行ってまいりました論義式は、二祖日興上人が『遺誡置文』の意義について、「偏(ひとえ)に広宣流布の金言を仰がんが為なり」(御書1884ページ)と仰せられた二十六カ条の遺誡のなか、「一、論議講説等を好み自余を交ゆべからざる事」(同)との御指南に基づくものであります。
けだし、正法の流布は、内に真実甚深の教法を受け伝える僧侶と、外に正しい信心をもって三宝を護る檀信徒によってこそ、遂行されるのであります。この真の令法久住・広宣流布へ向かっての僧俗一致の活動こそ、現宗門の姿であります。
この「是好良薬」の妙法は、あらゆる人々の身と心の大良薬であるとともに、おのずから空仮中三諦三観の妙用力もってあらゆる因縁を幸福と善徳に転ずる秘術であり、かかる信念と体験実証に住して、自らも唱題し他をも唱題せめる道こそ、まさに即身成仏と妙法広布の要諦であります。
○挨拶 記念局委員長 総監・藤本日潤御尊能化