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さらに10月7日の終会まで、あと5回の30万総登山大法要が行われる。これからの登山には、毎回6千名以上、多い日には7千名という登山者が予定されており、まさに「竜頭竜尾」の実現と強く感ずるものである。この勢いで最後の最後まで、気を緩めずに臨んでまいりたい。
この30万総登山大法要において御法主日顕上人猊下は、本年修される数々の大行事によって、世界広布の基礎が築かれることを述べられるとともに、全世界の宗教界・思想界の混乱の中、広宣流布の大願に基づき、立正安国の真実の正義を厳然と行ずる宗団は、我が日蓮正宗のみであると御指南の後、「かかる重大な意義と地涌の使命を自覚し、30万総登山の達成、さらに日本乃至世界広布を大目標として『一人より一人への折伏』、妙法弘通の大業にいよいよ精進をいたしてまいりましょう」(趣意)と参詣者一同に仰せ下されている。
御指南のごとく、30万総登山大法要の達成・奉安堂落慶、そこに向かう我等の下種仏法の信心即生活をもって、未来広布の基礎が建立される。その後は、広布大願という御遺命の実現に向かって、さらに僧俗一致の大前進が始まるのである。
本年は実に、功徳に満ちあふれた年であり、それを表現し尽くす言葉を持たないというのが実感である。この時に生まれ合わせ、御法主上人猊下の御指南に随順して功徳を積んでくることができた因縁と身の福徳をかみしめ、御本尊様の利益に護られ、どこまでも求め祈る御題目を唱えよう。そして、この御題目をどんどんと人にも唱えさせていく生活の毎日に、切りかえていこうではないか。
「登山参詣信徒数御命題の30万人を突破」
ご承知の通り、平成6年・地涌六万大総会の砌、御法主日顕上人猊下より、平成14年宗旨建立750年を慶讃し、御本仏日蓮大聖人の御鴻恩に報い奉るために、法華講衆30万人による総登山を行う旨の御命題を賜わりました。以来8年間、僧俗一体となって真剣に推進活動に取り組み、見事にその御命題にお応えすることができたものであります。
偏に、仏祖三宝尊の御加護と御法主上人猊下の御嚮導によることは勿論、宗内僧俗各位の不惜身命の精進行が結実したものと、衷心より慶賀申し上げます。
宗内僧俗各位には、10月7日の終会まで、全ての支部が御命題を達成すべく、支部割当人数の完遂に全力を傾注せられるよう強く念願いたします。
宗旨建立750年慶祝記念法華講30万総登山大法要も、残すところあとわずかとなり、いよいよ、待望の奉安堂落成に関する各法要が始まることとなる。
はじめに、10月8日に奉安堂竣工式が奉修され、同12日に落慶大法要、その翌13日から10日間にわたって落慶記念大法要が行われる。これらの大法要を間近に控え、奉安堂外構工事、御宝前の御厨子などの仏具の搬入等が9月いっぱいをもって終わり、これですべての工事が終了したことになる。
このたび、最後に完成したのは、奉安堂の外廻りの回廊である。これは広開門(正面の門)から東西に180mずつ、全長360m、幅3.3m(一部5.5m)、高さ4.4mからなるもので、この回廊により、雨天時などに広開門から入り、雨にあたらず東西からそれぞれ直接堂内に入ることができるようになる。
構造は、鉄骨造、日本瓦本葺きの重厚感のある屋根、また、床には正面参道と同種の石張りを配し、廻りの植栽とともに、富士山を背景にした周辺の景観と調和している。
御宝前は、本門戒壇の大御本尊様御安置の御厨子と御灰骨宝塔、御宮殿の設置が完了した。特に、大御本尊様御安置の御厨子は、耐震・耐火を徹底的に追求した特殊な構造を持ち、現存する厨子の中では最も強固で安全なものとなっている。御扉の回転軸も数十万回の開閉にも耐える特注のものを用い、さらに、御開扉の際、信徒席の隅からでも大御本尊様を拝することができるよう、御厨子内部の丸柱の幅を改良する等の設計がなされている。
これらの御厨子・宝塔・御宮殿は、幅8.8mの須弥壇の上に御安置され、御宝前全体として、大空間をもつ奉安堂にふさわしいスケール感をもたせたものとなっている。
これら奉安堂のすべての工事が完了し、総本山ではいよいよ、8日からの竣工式をはじめとする慶祝諸行事を待つばかりとなっている。
9月12日の午後6時より、総本山の御影堂において御法主日顕上人猊下大導師のもと、宗祖御難会が厳粛に奉修された。
法要は、塔中・山内の御僧侶、所化小僧さん、近隣の檀信徒多数がお待ち申し上げるなか、御法主上人猊下が御出仕あそばされ、読経、引き題目と進められ、大聖人様の大慈大悲に御報恩謝徳申し上げ、午後6時半にとどこおりなく終了した。法要終了後は、御影堂前において、御法主上人猊下の御慈悲による御造酒のおながれが振る舞われた。
また、全国の各寺院でも、竜の口法難に当たるこの日を中心に、御難会の法要が執り行われた。
すなわち『開目抄』に、「日蓮といゐし者は、去年九月十二日子丑の時に頸はねられぬ。比は魂魄佐渡の国にいたりて、返る年の二月雪中にしるして、有縁の弟子へをくれば、をそろしくてをそろしからず。みん人、いかにをぢぬらむ」(御書563頁)と御教示あそばされているように、この時、大聖人様は凡夫上行日蓮の身より久遠元初自受用報身如来、すなわち三世諸仏の根源たる久遠名字の本仏として、その本身を開顕され、凡夫の御立場から末法の御本仏と発迹顕本あそばされたのである。
また『上野殿御返事』の中に、「三世の諸仏の成道は、ねうしのをはりとらのきざみの成道なり」(同1361頁)とあるように、子丑の刻とは、大聖人様の名字凡夫の死で終わりを示し、寅の刻とは、大聖人様の御身そのままが久遠元初自受用身、すなわち御本仏の生で始まりを示すという甚深の意義が存するのである。
宗旨建立750年慶祝記念法華講30万総登山は、9月22日をもって第55会がつつがなく終了した。この日は8千余名がご登山し、賑々しい大法要となった。そしてまた、初会(4月29日)よりの登山参詣者数が御命題の30万名を突破した、記念すべき日でもあった。念願の30万名達成という報に、共々に喜び合おう。
○奉安堂、今月8日に竣工式、12日に落慶大法要
○宗祖御難会
大聖人様の御一生は「大難四カ度、小難数しれず」といわれ、仏教の大弘通者も肩を並べることができないほどの大法難をお受けあそばされた。なかでも文永8(1271)年9月12日の竜の口法難には、特に重大な意義が存するのである。この前代未聞の極刑に処せられようとした頸の座を契機として、大聖人様の御身の上に一大変化が生じたのである。