広布前進の道 昨年上回る折伏の勢い
○東京第一布教区
東京は隅田河畔の常泉寺、8月14日に本年目標の150名を達成した。布教区として3番目である。昨年は、全国最下位の結果に愕然とした。「今年はあのような思いをしたくない。一切、誰を責めることもなさらない御住職・藤本日潤御尊能化に、二度とご心配をおかけするわけにはいかない」と、木下雅夫講頭をはじめ、覚悟のスタートを切った。
新春から幸先よく、1月22名、2月22名と入信者を見たが、3月は東日本大震災のためか13名だった。動きが鈍ったのを感じ、3月末より唱題行を増やした。朝の勤行の後に30分。午後1時から2時までの1時間。夕勤行の後、30分。午後7時15分から9時15分までの2時間。計5時間。
大きく動き出したのは5月だった。再び月の累計入信者数が20人台へと盛り返した。常泉寺では平成16年頃から、御住職の御指導により、お彼岸・お盆の際に、境内にテントを設置し、婦人部を中心に、お墓参りに来る檀家さんたちにお茶を供しながら様々な会話をし、信頼関係を培ってきた。長年にわたり由緒寺院を護ってきたと自負される檀家さん方と信頼関係を結ぶのは、一朝一夕にできることではない。
そして昨年、藤本御住職より「土・日もテントを張りなさい」との御指導があり、折伏に向けて毎週土曜日と日曜日、休日にテントを張ると、新しい折伏対象者が現れた。折しも建設中の新電波塔・東京スカイツリーを見学に、人が行き交っていた。門の前にパンフレットを持って立ち、そのような人たちに声をかける。話が続けられそうな方とは、テントでしばし話をし、さらに踏み込んで話ができそうな方は、本堂で一緒に唱題する。時には、テントで話しをするだけで入信を決意する人もある。
入信者はバラエティに富んでいて、地元東京、埼玉や神奈川など近郊の人が遠方の知人を案内してスカイツリー観光にきたケースや、海外からの旅行者も。育成には、紹介者と各地域が協力して当たる。また、旅人ばかりではなく、近所に住むネパール人のラムさんは、「いつも聞こえてくるお経の声や太鼓の音が好き」だったとのことで、「だったら、中へどうぞ」と誘った。その後も何度か見えて、ほどなく入信。その後、奥さんをネパールがら呼んで入信させ、今は夫婦そろって参詣している。
また、テント折伏で変わったことがもう一つある。今まで勇気を出して他人に声をかけられなかった人や、話をどう切り出したらよいのか判らなかった人が、折伏への心の垣根がぐんと低くなったことだ。
しかし、新入信者の内訳で、テントでの折伏がほとんどかというと、そうではない。以前からの地道な下種の積み重ねが結実している。
誓願達成の喜びに包まれた後、御住職より「何年かかってもよい、住職の指導がすみずみに伝わるような、しっかりした組織を作るのです」との御指導に加え、「本年これよりは、計200人以上、つまり当初の折伏目標であった200人達成に向けて励もう」との御指導があり、今は「きっと達成しよう」が合い言葉だ。
東京第一布教区で本年最初に目標を達成(7月22日)したのは、池袋の常在寺支部。前御住職・細井珪道御尊師のご逝去に伴い、布教部長・阿部信彰御尊師が新住職として赴任された。悲しみを乗り越えて、これまでの御恩返しのためにも、昨年は、何としてもと誓願を果たした。今年も御法主日如上人猊下の「全支部誓願達成」の御指南にお応えしよう、との意気込みとはうらはらに、2月、3月の成果ははかばかしくくなかった。
3月からは第一土曜日に10時間唱題行を行った。すると結果が、4月に15人、5月に31人と徐々に出てきた。この間、毎日の唱題行も、4月に2時間、5月は3時間と増えた。それでも、「『立正安国論』」建白の7月16日までに、これでは間に合わない」と御住職は、6月から唱題行の時間を一日5時間とされた。
御住職がご不在の時は在勤御僧侶が導師を勤め、僧俗一体、本堂でほとんど一日中、お経か唱題の声が響くようになり、6月は41人の入信者を見た。湯野勉講頭以下役員も、「今こそ折伏に立ち上がる時です」との御住職の御指導に心を合わせ、7月に入って勢いも最高潮に達した。唱題の力はすごい。折伏の行動を起こしたことがない人も立ち上がった。誰に勧められるでも誘われるでもなく、自らお寺の階段を上がって受付に来た新来者もいた。以前に下種した人から、会いたいと連絡が入るようになった。
残念ながら、当初の目標日には達成しなかった、そこで新たに決めた目標は、常在寺において奉修される総本山第66世日達上人第23回忌法要に当たる7月22日。当日は午後8時過ぎに2名が御授戒を受け、全国で『66番目』に達成した。8月からは支部に布教部を設け、育成に力を入れている。
東京第一布教区ではその他、7月31日に北区の妙證寺(御住職・石井信量御尊師)が達成し、8月15日には足立区の本修寺(御住職・菅原信法御尊師)が達成した。その他にも、平均してほぼ「一日一人」のペースで折伏を推進している墨田区の本行寺支部(御住職・高野日海御尊能化)や、本年前半の低迷から抜け出し御主管・夏井育道御尊師の一日3時間の唱題による御祈念を受け盛り返している白蓮院支部等々、今少し残暑の続く中、御報恩謝徳のため、さらに折伏の妙行に励んでいく。
○大韓民国・釜山布教所
本年の折伏誓願目標400名を、7月2日という早期に完遂し、その喜びの中、8月6日から9日の日程で、講中の代表者190名が登山した大韓民国・釜山(プサン)布教所。昨年に続いて二年連続の達成となった。
釜山布教所では、午前11時から行われる唱題行に、毎日400名前後の信徒が参加する。その他、夕の勤行後の唱題行にも、勤め帰りの信徒が多く参詣している。
折伏の縁は家族や親せきが多い。一番身近で自分を見ている相手に、共に幸せになりたい一心で折伏している。また、地区毎にしっかりとした体制ができており、布教所に新来者を連れてくる段階で、入信の決意が固まっていることがほとんど。
布教所責任者の蘆法泰御尊師は、「昨年御法主上人猊下の御慈悲で布教所を開設していただいた。この御恩徳にお応え申し上げる道は、折伏誓願目標の達成にある」と常々御指導され、信徒一人ひとりが折伏行の実践をもって徳を積むことができるよう、日々御祈念を続けておられる。