夏がやってまいりました。
ステュエーションで音楽を聴くのはあんまり好きじゃないんですけど、
やっぱり夏の暑い日にゴリゴリのジャズってのは、ちょっとねー(笑)。
って訳で、厳選したアルバム紹介と云う感じではなくて、
思いつくまま気軽にセレクトしてみました。
尚、ゲッツ〜ジルベルトとかキャノンボールのボサをs入れていないのは、
レコードが実家にあると云う個人的な理由です(笑)。
ジャズ中心ですがブラジル音楽、アフリカ音楽、フラメンコ等も
取り上げて行こうと思います。
コンセプトは「冷房とビールと音楽と」(笑)。
期間限定:7月〜8月と云う事で。1 2
COISA FEITA | |
THE BRASIL PROJECT / TOOTS THIELEMANS (PRIVATE MUSIC) | |
TOOTS THIELEMANS(HARMONICA), JOAO BOSCO(VO,G),OSCAR CASTRO-NEVES(G), NICO ASSUMPCAO(B),MIKE LANG(KEY) |
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トゥーツシールマンスと凄すぎるメンバーによるアルバムです。 主な参加ミュージシャンを挙げてみますと、 ルイスボンファ、ジャバン、イリアーヌ、ジルベルトジル、 イヴァンリンス、ミルトンナシメント、カエタノヴェローソ‥‥。 ボサノヴァやMPBのビックネームがこれでもかと云う感じです。 トゥーツのハーモニカをこんなに気持ち良く聴けるアルバムは、 他にないかも! 同じ時の録音で「THE BRASIL PROJECT VOL.2」もあり。 甲乙つけがたい出来の良さです。 |
INSENSATEZ | |
BRAZILIAN RHAPSODY / LEE KONITZ & BRAZILIAN BAND (VENUS) | |
LEE KONITZ(AS,TS),ROMELO LUBAMBO(G), PEGGY STERN(PF),DAVE FINCK(B), DUDUKA DAFONSECA(DS),WALTINHO ANASTACIO(PERC) |
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同じブラジル傾倒のアルバムでも、コニッツが作ると かなり趣が変わってきます。 正直云ってコニッツのフレージングとボサは合わない(笑)。 この演奏を聴いて「さわやか」で「おしゃれ」と解説するところが 流石ヴィーナスレーベルですね‥‥。困ったもんです。 間違いなくこれはコニッツの持つテンションを聴くアルバムだと思います。 特にアルバムの最後に収められた"INSESATEZ"の唄い出しは、 唸ってしまうくらいコニッツ色。ボサの持つ毒とは違う質の毒。 良く分からないけどテンションの高いコード付けがなされていて ジョビンの原曲を凌駕しているとさえ感じます。 尚、このアルバムにも続編「BRAZILIAN SERENADE」ってのがあります。 こちらは、SJ誌のゴールドディスクなんかを取っちゃってますけど、 トムハレルのヨレヨレのトランペットが入ってて、更にブラジルの香りが 希薄になってしまってる様な気がします。 |
PARAISO | |
PARAISO / GERRY MULLIGAN WITH JANE DUBAC (TELARC) | |
GERRY MULLIGAN(BS),JANE DUBAC(VO), EMANUEL MOREIRA(G),WALTINHO ANASTACIO(PERC), CLIFF KORMAN(PF),ROGERIO MAIO(B), DUDUKA DaFONSECA(DS) |
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お次はマリガンです。 このアルバムの凄いところは、マリガンのオリジナルが 11曲中8曲も収められてる事です。 マリガンの永年に渡るブラジルへの憧れが一つの形になった 素敵なアルバムだと思います。 マリガンのどこか牧歌的な明るさとドゥボックのサラリとした歌が 見事にマッチしていて心地よいサウンドを生んでいます。 |
STONE FLOWER | |
STONE FLOWER / 山下洋輔 (VICTOR) | |
YOSUKE YAMASHITA(PF),MAURICIO
CARRILHO(G), PEDRO AMORIM(BANDOLON),PAULO SERGIO SANTOS(CL,SS), MARCOS SUZANO(PERC) |
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山下洋輔のジョビン曲集と云う異色のアルバムです。 でもでも無理矢理ボサノヴァに仕上げてしまおうなんて 演奏じゃないので安心して下さい(笑)。 ボサ独特のコードワークに洋輔さんの爆発力も今一つですが、 それなりに面白い仕上がりになっております。 リズム的にはボサノヴァではなくて、ショーロです。 独特のアクセントのあるモタったパーカッションと 洋輔のピアノが絡み合う様は、なかなか聴き応えあります。 |
A TACA | |
HERMETO
PASCOAL & GRUPO / HERMETO PASCOAL & GRUPO (SON DA GENTE) ※このアルバムが何か他のものの再発なのかどうか定かではないのですが、 ポルトガル語で書かれているので読めません(笑)。 |
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HERMETO PASCOAL(FL),HERALDO MONTE(G), CARLOS MALTA(FL),JOVINO SANTOS(KEY), PERNAMBUCO(PERC),MARCIO BAHIA(DS), ITIBERE ZWARG(B) |
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エルメートパスコアールと云えばブラジルでは有名な 作曲家であり演奏家です。 楽器はキーボードやフルート、サックスを主にこなし、 果ては、豚や鶏も操ります(笑)。 天才肌の音楽家で実験的な作品も多いですけど 決して聴きにくいタイプのものではありません。 これも彼の体に流れるブラジリアンの血によるものでしょう。 ここで取り上げた曲も一体何拍子かわからない曲ですけど(笑)、 何の違和感もなくリズムの流れに従う事ができます。 最近何枚かの作品がCD化されて入手が容易になっています。 |
AQUA DE BEBER | |
ANTONIO CARLOS JOBIM AND FRIENDS / VARIOUS ARTISTS (VERVE) | |
GONZALO RUBALCABA(PF),HERBIE
HANCOCK(KEY), RON CARTER(B),HARVEY MASON(DS), ALEX ACUNA(PERC) |
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1993年サンパウロにてアントニオカルロスジョビンが そうそうたるジャズメン行ったライブです。 ジョビンが祖国で行った最後のライブでもあります。 ここでは、ゴンサロルバルカバの演奏をセレクトしてみました。 この"おいしい水"って曲の持つ躍動的なリズム感を ルバルカバの硬質なリズム感で表現し尽くした名演だと思います。 ブラジル音楽をキューバのミュージシャンが、アメリカ生まれの ジャズと云う語法で演奏している事になんだか不思議な感じがします。 |
GAROTO LEVADO (=LULLABY OF BIRDLAND) | |
MEUS SONHOS DOURADOS / NARA LEAO (PHILIPS) | |
NARA LEAO(VO) & ORCHESTRA | |
ナラレオンがジャズのスタンダードに取り組んだ作品です。 これが好評で続編として「ONDE E QUANDO」も作られました。 聴いて感じた事は、やっぱりポルトガル語の色気ですね。 同じスタンダードを唄っても全然イメージが変わってきます。 ボサノヴァアレンジで演奏する事なんてザラですけど、 乗っかってくる言語が英語だと音感がストレート過ぎるんですね。 さっぱり意味がわからないポルトガル語を聴いて気持ち良いのは、 そんな耳あたりのせいもあるんでしょうね。 ここでは云わずとしれた"バードランドの子守唄"を取り上げました。 眠れない子守唄として有名な曲ですけど(笑)、 このナラレオンの歌なら眠れるかもしれません。 |
IN THE MOOD | |
DREAM / 小野リサ (東芝EMI) | |
LISA ONO(VO,G),OSCAR CASTRO(VO,G), DON GRUSIN(PF),DAVE CARPENTER(B), MIKE SHAPIRO(DS),GLEN GARRET(FL,TS), CASSIO DUARTE(PANDEIRO,CUICA) |
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小野リサの99年のアルバムは、ジャズスタンダード集です。 明らかにナラレオンのアイデアを下敷きにしています。 演ってる曲もかなり似ています。 "MOONLIGHT SERENADE","TEA FOR TWO","NIGHT AND DAY", "AS TIME GOES BY","THE BOY NEXT DOOR","SENTIMENTAL JOURNEY" これだけかぶっていますので、聴き比べて見るのも面白いですね。 それにしても小野リサは、ホントに良い声ですよね。 少しハスキーで可愛い声質は、ボサノヴァにピッタリです。 この"IN THE MOOD"でもリズムを明確に出す唄い方と 正確な音程で聴き手に気持ち良さを与えてくれます。 アレンジも面白く、途中ブラウン=ローチクインテットで有名な "BLUES WALK"を引用したりしています。 |
CHEGA DE SAUDADE | |
THE LEGENDARY / JOAO GILBERTO (WORLD PACIFIC) | |
JOAO GILBERTO(VO,G),ETC. | |
1958年〜1961年のボサノヴァ創世記に残された ジョアンジルベルトの歴史的レコーディングの集大成です。 一曲が短くてテーマを一度唄って終わりと云う演奏も多いのですが、 魅力的なジョアンの歌が38曲も収められているのはポイント高いです。 但しアレンジ等には、まだ前時代的な古臭さが残っているかな? 実は、この"想い溢れて"がボサノヴァ最初のヒット曲なのだそうです。 |
DE CONVERSA EN CONVERSA | |
ELA E CARIOCA / JOAO GILBERTO (ORFEON) | |
JOAO GILBERTO(VO,G),ETC. | |
このアルバムが吹き込まれた1970年と云えば ボサノヴァのブームが下火になった頃です。 ジョアン自身色々とあって(アストラッドとの離婚とか)、 かなり落ち込んでいた時代の筈なんですけど、 アルバムを聴く限り全くそんな事は感じられません。 アレンジも秀逸でジョアンのギターを際立たせる為に、 抑えたトーンでブラスやストリングスやパーカッションが 加えられている程度です。 |
ZINGARO (=RETRATO EM BRANCO E PRETO) | |
AMOROSO / JOAO GILBERTO (WARNER BROS.) | |
JOAO GILBERTO(VO,G),ETC. | |
私が個人的に最も好きなジョアンのアルバムです。 と云うのも、この"白と黒のポートレイト"が聴けるから。 こんな儚く美しい曲を書いたジョビンも凄いですけど、 それをここまで表情豊かに淡々と唄うジョアンも素晴らしい。 なんだか矛盾した云いまわしみたいですけど、 聴いていただければわかると思います。 |
AQUARELA DO BRASIL | |
BRASIL / JOAO GILBERTO (PHILIPS) | |
JOAO GILBERTO(VO),CAETANO VELOSO(VO), GILBERTO GIL(VO),MARIA BETHANIA(VO),ETC |
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「海の奇蹟」って邦題で知られるアルバムです。 大物歌手がジョアンの監督の元に共演した豪華な名盤。 しかもアレンジを担当したのは、ジョニーマンデル。 パーソネルがちゃんと書かれていないので、 どの曲に誰が参加しているのかわからないんですけど、 間違いなくこの曲には、女性の声が聴こえないので、 MARIA BETHANIAは、参加していませんね。 |
EU SAMBO MESMO | |
JOAO GILBERTO / JOAO GILBERTO (PHILIPS) | |
JOAO GILBERTO(VO,G),ETC | |
1990年、ジョアンジルベルトが「海の奇蹟」から 10年間ぶりに吹き込んだアルバムです。 現在でもこれが最新アルバム(の筈)です。 何が凄いと云って30年の年月が経っているのに、 ジョアンのスタイルは殆ど変わっておらず、無駄に円熟していない事。 ほら、よくあるでしょ。円熟と云う名の元に嫌な癖がついてくる人。 クレアフィッシャーのアレンジも何やら低音域で蠢いていて(笑)、 実に気持ち良いです。 |
DESAFINADO | |
FROM TON TO TOM / TONINHO HORTA (VIDEOART MUSIC) | |
TONINHO HORTA(VO,G),BOB MINTZER(TS), DAVE KIKOSKI(PF),GARY PEACOCK(B), PAULO BRAGA(DS),DEDE SAMPAIO(PERC), LENA HORTA(FL),NORMA LA TUCHIE(FL), ANDRE DEQUECH(SYNTH),AS SABRINHAS(BACK CHORUS) |
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トニーニョオルタは、アメリカのミュージシャンと積極的に 交流を持った歌手兼ギタリストです。 ギターのテクニックは、卓越したモノがあり、 パットメセニーに影響を与えたのだそうです。 ここでも彼の交友関係を示す豪華な顔ぶれがアルバムに参加。 全ての演奏が素晴らしく、アレンジにも秀でている事がわかります。 |
ANIMA ANIMALE | |
THE SUBTLE BODY / ARTO LINDSAY (GUT) | |
VINICIUS SANTUARIA(G),MELVIN GIBBS(B), YUKA HONDA(SAMPLERS),TOWA TEI(DRUM PROGRAM), ARTO LINDSEY(VO,DRUM PROGRAM) |
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90年代のMPBの担い手としてカエタノヴェローゾやガルコスタを プロデュースしていたアートリンゼイ。ブラジル育ちのアメリカ人。 ここで示される音楽もかなり先鋭的なものがあります。 かと思えば、ギター片手にジョビンの曲をオーソドックスに 唄ってみたりと、なんだかわからないアルバムです(笑)。 これがジャズファンに合う音楽なのか、 はたまた企画である「夏に聴く」と云う部分にマッチしているのか、 その辺りは、やや疑問ですけど、ここでしか取り上げられないので とりあえずチョイスしてみました(笑)。 このアルバム、ジョーイバロンやビルフリーゼルも参加しています。 |