'bout JAZZ in SUMMER 1999 Vol.2

夏がやってまいりました。
ステュエーションで音楽を聴くのはあんまり好きじゃないんですけど、
やっぱり夏の暑い日にゴリゴリのジャズってのは、ちょっとねー(笑)。
って訳で、厳選したアルバム紹介と云う感じではなくて、
思いつくまま気軽にセレクトしてみました。
尚、ゲッツ〜ジルベルトとかキャノンボールのボサを入れていないのは、
レコードが実家にあると云う個人的な理由です(笑)。
ジャズ中心ですがブラジル音楽、アフリカ音楽、フラメンコ等も
取り上げて行こうと思います。
コンセプトは「冷房とビールと音楽と」(笑)。
期間限定:7月〜8月と云う事で。

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MR.PC
THE JAMMAICAN BEAT VOL.2 / JAZZ JAMAICA (EAU RECORD)
summer17.jpg (9466 バイト) GARY CROSBY(B),CLIFTON"BIGGA"MORRISON(KEY),
RICO RODRIGUEZ(TB),MICHAEL"BAMMIE"ROSE(SAX,FL),
KENRICK ROWE(DS),EDDIE"TANTAN"THORNTON(TP),
TONY UTER(PERC),ALAN WEEKS(G),
BRIAN EDWARDS(AS)
このアルバムのサブタイトルは「PLAYS BLUE NOTE BLUE BEATS」。
つまりジャズの名曲をジャマイカなビートで演奏してしまおうって企画。
これがなかなか面白い仕上がりになっております。
一番ギャップが楽しかったのがこの"MR.PC"。
なんともまあ能天気な"MR.PC"です事(笑)。
「シーツオヴサウンド?そんなコセコセした事できまっかいな。」
そんな大らかさが心地良いです。
ちなみにこのアルバムの中でもっともしっくり来ているのは、
モンクの"BEMSHA SWING"と"WELL YOU NEEDN'T"でした。
なんとなく納得?(笑)

 

DESCARGA A LA HINDEMITH
CHAMALONGO / JANE BUNNETT (BLUE NOTE)
summer18.jpg (7996 バイト) JANE BUNNETT(FL),CARLITOS DEL PUERTO(B),
TATA GUINES(CONGA),,LARRY CRAMER(TP),
FRANK EMILIO(PF),RAULITO HERNANDEZ(TIMBALES)
このジェーンバネットって云うお姉ちゃんは、
他に「RENDEZ-VOUS BRAZIL CUBA /  (JUSTIN TIME)」
なんてアルバムも出しています。
どうやらこの手のリズムが好きなんでしょうね。
ジャケットには、にこやかに笑ってる姿が写ってますけど、
結構演る音楽はエグイ(笑)。
変拍子・転調だらけの小難しい曲を演ってみたり、
民族色の強いコーラス&パーカッションを加えてみたり‥‥。
ここでもジェレミースタイグばりのノイジーなフルートを
聴かせてくれます。

 

TRAVEL SOUTH
AROUND / KARL BERGER (BLACK SAINT)
summer19.jpg (9656 バイト) KARL BERGER(VIB),SANTI DEBRIANO(B),
LEROY WILLIAMS(DS),PAUL KOJI SHIGIHARA(G)
このヴァイブ奏者がどんな人なのか良く知りません。
ブラックセイントレーベルと云う事で敬遠する向きもあるかと
思いますけど、知的な抑制の効いた素晴らしい演奏です。
アルバム全体としては、決して夏向きって感じじゃないですが
(ジャケットはこんななのにね・・・(^^ゞ)、
この演奏の爽やかな疾走感は、ホント気持ちいいです。

 

BLUELLESPIE
ISLAND STORIES / THE CARIBBEAN JAZZ PROJECT (HEADS UP)
summer20.jpg (7249 バイト) PAQUITO D'RIVERA(CL),DAVE SAMUELS(MARIMBA),
ANDY NARELL(STEEL PANS),DARIO ESKENAZI(PF),
OSCAR STAGNARO(B),MARK WALKER(DS),
PERNELL SATURNINO(PERC)
パキートデリベラのこのユニット、二枚目のアルバムです。
そのオープニングテューンがこれ。
ジャズファンなら思わず笑ってしまうブルースです。
いろんな曲のメロディをパッチワークの様に繋げてあって、
「あ。これなんだったっけ?あ。これも。また変わった。」
って感じのめまぐるしい12小節なんです(笑)。
キューバンなリズムに乗って、抜けるようなパキートのクラが
実に気持ち良いっ!
最後の最後にもあんな曲を引用してたりしてー(内緒)。
いやー、アルバム全体、楽しさのかたまり状態です。
眉に皺を寄せて聴くばっかりがジャズじゃないって事で
一作目と併せてオススメ致します。
ムード歌謡スレスレの泣きのアルトも聴けます(笑)。

 

ISANUSI
SOLO PIANO / CHUCHO VALDES (BLUE NOTE)
summer21.jpg (9079 バイト) CHUCHO VALDES(PF)
パキートとくれば、次はチューチョヴァルデスでしょう。
イラケレのアルバムもゴージャスで凄いのですが、
ピアニストとしての彼を聴くには、このソロアルバムも絶品です。
とにかくこの強靭なタッチ。特に左手!
ゴリゴリと弾きまくる野生的な即興演奏に、ピアノ全体が唸る!
夏の暑い日は、カレーを食べる如し。
って、訳の分からない喩えだなー(笑)。

 

PRESIDENTE
GIRALDILLA / GONZALO RUBALCABA (MESSIDOR)
summer24.jpg (4042 バイト) GONZALO RUBALCABA(PF,SYNTH,ETC.),
FELIPE CABRERA(B),REYNALDO MELIAN(TP),
HORACIO HERNANDEZ(DS),ROBERTO VIZCAINO(PERC),
MARIO GARCIA(G,SYNTH,ETC.)
キューバ出身のピアニストゴンサロルバルカバが、
モントルージャズフェスで全世界の脚光を浴びる少し前に
録音された壮絶なアルバム。(1989年)
実際演奏された音とプログラムされた音が入り交じり、
彼の目指す音楽がトータルで襲い掛かってきます。
1997年に前作から4年の歳月を経て発表された
「ANTIGUO / (SOMETHIN'ELSE)」は、正にこの頃への回帰だと
私は思っています。

 

LA PRIMAVERA
POTRO DE RABIA Y MIEL / CAMARON (PHILIPS)
summer22.jpg (6392 バイト) CAMARON(VO),PACO DE LUCIA(G),
CARLOS BENAVENT(BAJO),ANTONIO CARMONA(PERC),
MANUEL SOLER(PERC),RAMON EL PORTUGUES(PERC),
GUADIANA(PERC),ANTONIO HUMANES(VO),
ESPERANZA FERNANDEZ(VO)
※バックでエレベやシンセサイザーが鳴っていますが、
 パーソネルに記述がありません。
 (あるかもしれないんですが、スペイン語なのでわかりません(^^ゞ)
カマロンとパコデルシアと云う最強の顔合わせによる演奏。
ここでのフラメンコは、伝統的なスタイルから一歩抜け出した
パコの目指す新たな方向性に基づいています。
こういったスタイルで演奏する様になったのは、
1970年代の最後の頃からで、自己名義のアルバムでは、
「道」や「カストロマリン」、そして「ONE SUMMER NIGHT」
あたりで聴く事ができます。
1991年のこの作品は、パコとカマロンの久々の共演であり、
同時にカマロンの遺作でもあります。

 

YHO! YHO!
CROSSROADS / WINSTON MANKUNKU (NKOMO MUSIC)
summer16.jpg (6946 バイト) WINSTON MANKUNKU(TS),MIKE PERRY(PF),
MIKE CAMPBELL(B),RICHARD PICKETT(DS)
この人、南アフリカでは有名なテナーサックス奏者なのだそうです。
豪快にブロウするタイプではありませんけど、
大らかにゆったりとしたフレーズを吹くスタイルは、
いかにもアフリカ的な感じを与えます。
概してアフリカのプレイヤーは、メカニカルなスケール等に
陥る事が少なくて、個性的な人が多い様に思います。

 

BAYI LAM
MANTRA MODE / ABDULLAH IBRAHIM (ENJA)
summer23.jpg (4885 バイト) ABDULLAH IBRAHIM(P),BASIL"MANNENBERG"COETZEE(TS),
ROBBIE JANSEN(AS,BS,FL),JOHNNY MEKOA(TP),
MONTY WEBER(DS),SPENCER MBADU(B),
ERROL DYERS(G)
アフリカの民族音楽って簡単なリフの反復が多いですが、
正にそのスタイルを範にしてジャズに昇華しているのが
アブドゥーライブラヒムことダラーブラントですね。
ソロから大編成まで様々な演奏スタイルがあり、
更には、自身もピアノ、サックス、ドラム、ヴォーカルを
多才にこなして、自分の音楽を表現しています。
初期のアルバムを除けば、飛びぬけたモノがないのですけど、
どれを聴いてもやっぱりダラーブラントの匂いが充満してるんですよね。

 

MOLIENDO CAFE
MOLIENDO CAFE / JERRY GONZALEZ & THE FORT APACHE BAND (ALFA JAZZ)
summer25.jpg (11056 バイト) JERRY GONZALEZ(TP),CARTER JEFFERSON(TS),
JOE FORD(AS,SS),LARRY WILLIS(B),
ANDY GONZALEZ(B),STEVE BERRIOS(DS,PERC)
ちょっとキャッチーに"コーヒールンバ"なんてのを
セレクトしてみました(笑)。

 

VACATION IN LOVE
VACATION IN LOVE / 澄淳子 (NINETY-ONE)
summer26.jpg (10413 バイト) 澄淳子(VO),DON ALIAS(DS,PERC),
GENE PERLA(B),MITCH STEIN(G)
更にキャッチーに"恋のバカンス"なんてのを
セレクトしてみました(笑)。
澄淳子のこの路線は「ジャズ色・歌謡浪漫 / (NINETY-ONE)」に続き
二作目だと思います。
ここでは、ドンアライアスの参加が大きいです。
英語の歌詞でさらりと唄われると古い歌謡曲が
スタンダードに聴こえてしまうから不思議です。
しかも最後に少しだけ日本語の歌詞を交えるところなんかが
憎い演出です。

 

FISHBONE
SANGENA / SOUTH AFRICAN FRIENDS (ADDA)
summer27.jpg (7060 バイト) PINISE SAUL(VO),MIKE ROSE(AS),
ROLAND PERRIN(PF),LUCKY RANKU(G),
PHIL SCRAGG(B),VICTOR STARKEY(DS)
誰の名義なのかも良く分からないアルバムです(笑)。
衝動買いもいいところなんですが、このジャケットで
どんな衝動が起こったのか?>その頃の自分(笑)。
黒人のおばちゃんっぽい大らかなヴォーカルと
あんまり練習してなさそうなサックスのフガフガなソロ。
でもなんだかノホホンとしてて、夏になると必ず聴きたくなるんです。

 

AMAQHAWE
LIVE AT THE MONTREUX JAZZ FESTIVAL / THE AFRICAN JAZZ PIONEERS (GMP)
summer28.jpg (8640 バイト) STOMPIE MANANA(TP),SAM TSHABANGU(TP),
JASPER COOK(TB),JENNIFER KLOT(AS),
SHEP NTSAMAI(AS),NTEMI PILISO(TS),
ALBERT"NKAKA"KHUMATO(G),MADODA GXABEKA(PF),
CANTRIDGE TAU(B),MPHO MATHABE(DS),
GIANT MOLOKOMME(VO)
アフリカの古きスター達によるユニットなのだそうです。
但し、アルトのジェニファーだけが若くて可愛いお姉ちゃん。
AJPのアルバムは何枚か出ていますが、このライヴ盤が一番好き。
ジャズっていわばアフリカに起源を持つ音楽なんでしょうけど、
こんなにも違う形で進化(変形?)してしまったのだなぁと、
浮図思ってしまいます。
明るく楽しいジャズ本来の姿も良いもんですねー。

 

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