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 第6章 沖縄県 太平洋上の南大東島(2001年 1月)
     12.那覇09 宿替えして崇元寺石門へ

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☆これまでの旅☆
日本と中国とインドの神様と図書館と。南大東島へ行く前に、することいっぱ
いありました。何日も滞在してるのだから、あっちこっちで食事します。沖縄
名物「SPAM」料理。いえいえ「迷惑」な料理ではありません。
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●宿替え

 南大東島へ旅立つ日が近づいてきた。今日は荷物を南大東島に発送する日だ。
 南大東島へ飛ぶ飛行機へ持ち込める手荷物は、10キロを超えると超過料金を
とられるので、小包で送った方が安いこともある。だから、コピーした資料や
すぐに使わないものを送るのだ。
 その前に、宿替えだ。近くのユースに行く。なぜわざわざ宿替えをするのか。
それはフェリーの切符とセットになったユースの無料宿泊券を使うためにだ。
残念ながら沖縄のユースにしか使えない。
 9時過ぎ、室温15℃。だが、昨夜の15℃よりは温かく感じる。チェックアウ
トしようとしたが、一階の居間にはだれもいない。なんか拍子抜けだ。料金前
払いで部屋の鍵もないので、勝手に出て行ってもいいのだろう。
 ユースは、民宿からは国際通りをはさんだ反対側にある。途中、商店街のJ
efで朝食を食べて1時間ちょっとで晴海ユースに到着。以前来たことがある
のでそれほど迷わなかった。
 日本では、通常宿泊施設のチェックインは夕方からだ。このユースもしかり。
というわけで荷物を預けておいて外に出る。もちろん、ユースの管理者、通称
「ペアレント」の了承は得ている。
 沖縄島ではいろいろ観光することも考えていたが、南大東島の資料はここで
しか見つからないだろうと図書館を最優先にしたので、あまり観光していない
だから、今日はご近所観光の日だ。ユースから歩いてまわれるところを観光す
る。

●崇元寺石門

 国際通りの東端、安里交差点から北西にちょっと行ったところに崇元寺石門
はある。ユースから歩いて30分もかからない。
 見た目は荘厳な、まるでヨーロッパの遺跡のような石造りの塀がある。いや、
百メートルも続いているその重厚さは、城壁と言う方がふさわしい。
 これが国重要文化財の旧崇元寺石門だ。三連のアーチ型門の中央が第一門で、
その両側が通用門。門は流球石灰岩でできている。
 臨済宗の寺で、尚家の家廟、舜天(しゅんてん)王以降は歴代の王の霊をま
つる国廟だった。中国からの冊封使(さっぽうし)が那覇の港に着くと、首里
へ向かう途中にまずこの寺に寄り、「諭祭の宴」と呼ばれる、先王供養の儀式
が行われたという。
 だが、現在は中は整地されてただの公園になっている。古いところにつきも
のの御嶽も無い。石門だけだ。以前は国宝に指定された正廟などがあったよう
だが、戦争で全壊し今は何も残っていない。
 それ以外には、樹齢が古そうな大きなガジュマルの木が寂しそうに立ってい
るだけだ。
 裏から見ると城壁もなんだか軽く見える。きれいな公園だが、残された石壁
を見ていると、なんだか寂しい。
 今日は首里観光するつもりだったが、まだ昼前だが雨が上がらないので明日
にすることにした。

○崇元寺石門
崇元寺石門

○樹齢が古そうな大きなガジュマルの木
樹齢が古そうな大きなガジュマルの木

●スーパーAAA(サンエー)

 崇元寺石門から国際通りまで戻るとスーパーがある。マンションの一階一フ
ロアしかないCOOPみたいなスーパーだが、沖縄だけあって、珍しい魚がいっぱ
いだ。特にカラフルな魚が多い。
 バター焼き用と書いてあマンボウの切り身があった。マンボウの刺身はおい
しいと聞いたことがあるが、バター焼きもおいしいのだろうか。
 それから、ポークタマゴおにぎりがあった。ポークたまごのおにぎりまで置
いているとは、さすが沖縄だ。もちろん、このスーパーだけでない。コンビニ
でもよく見かける。
 ふつうおにぎりと言うと三角形か俵型だが、このポークたまごおにぎりはち
ょっとちがう。基本形は四角く平べったい形。横方向に海苔が巻かれている。
中央に入っているポークたまごが見えるので、平たく押しつぶした海苔巻と言
った感じだろうか。
 ときおり三角のものもみかけるが、この平たい形のものが圧倒的に多い。た
だし、ポークたまごに限るが。

●ミスで郵便局へ急ぐ

 15時半、ユースにチェックイン。すぐに体重計を借りて荷物の選定と荷造り
をはじめた。10キロも無く、送料も千円ほど。聞くと17日着の予定らしい。
 ホテルへ戻る途中、あることに気づいた。今日から泊まるユースは、大阪―
那覇間のフェリーのチケットについていた無料券で泊まるのだが、その無料券
を荷物といっしょに南大東島に送ってしまっていたのだ。
 沖縄だけでしか使えない券で、六千円くらいの節約になる。それに、今のと
ころ帰りには那覇には泊まらず、南大東島から帰ってきたその日に大阪行きの
フェリーに乗るつもりだ。
 今は19時45分。まだ間に合うのなら、と郵パックの控えにあった電話番号に
かけてみる。係員が出て、待つように言われた。
 ユースに戻った20時35分、荷物が見つかったと連絡があった。ただし、荷物
はすでに那覇中央郵便局まで集められている。急いで那覇中央郵便局を目指し
た。
 21時15分着。時間外窓口に行って箱を受け取り、チケットを取り出す。これ
で大丈夫、宿泊費の節約ができる。局員はとても親切だった。申し訳無い。
 22時ユースに着く。夜遅いが、都市型ユースなので夜間も多少の融通はきく。
大慌てでシャワーを浴び、洗濯をしてあわただしく寝た。

●つづく●
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