■□□□□▼ 旅のフィールドノートから ▼□□□□■□□□□■□□□□■

 第6章 沖縄県 太平洋上の南大東島(2001年 1月)
     57.沖縄島復路 おみやげを買いに国際通り

◆◇◇◇◇◆ 旅のフィールドノートから ◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆
―――――//―――――――――――――――――――――――//―――――
☆これまでの旅☆
ふしぎなサトウキビの島。特別な気象台から気球とゾンデは、世界同時に大空
へ飛んでいく。道には石敢當とお地蔵さん、お祭りは神社も琉日折衷の不思議
な島。荷物のようにクレーンで吊られて、船に揺られて南大東島ともお別れだ。
―――――//―――――――――――――――――――――――//―――――

●那覇入港

 揺れる船の中、早々に寝てしまい、目がさめたのは8時半。ゆれが心地よか
ったのか、ちょっと寝すぎた。
 揺れはあいかわらずだが沖縄島の島影が見えている。那覇にある泊港は東シ
ナ海に面しているので、島の南側をまわりこまなければならない。
 10時すぎやっと接岸。もちろんクレーン上陸はない。南大東島から離れてし
まったことを実感する。
 そのままフェリーターミナルにある多目的施設「とまりん」へ向かい、コイ
ンロッカーに荷物を預けて、沖縄最後の日のお土産買いに国際通りに向かった。
 大阪へ向かうフェリーは泊港の北にある那覇新港(安謝港)から出る。ちょ
っとはなれているが、泊港の方が国際通りに近いので、ここのコインロッカー
に荷物を預けることにした。
 予定通りに出航することを電話で確認して、さあ、国際通りに向かおう。
 10時半すぎ、18℃、曇り、風が強い。やはり南大東島よりも那覇は寒い。同
じような緯度だというのに。南大東島では着ることが無かったフリースを着る。

○那覇港ではタラップで下船する「だいとう」
 那覇港ではタラップで下船する「だいとう」

●おみやげを買いに国際通りでタコライス

 夕方に出港なので国際通りでおみやげを買うくらいしか時間が無いが、その
分ゆっくりと買い物できる。
 国際通りは沖縄一の繁華街といえるような場所で、「奇跡の1マイル」よ呼
ばれた戦後の沖縄復興の象徴的な場所だ。
 沖縄名物の店が並び、大きな書店があり、百貨店があり、周辺には市場や官
庁などがある。沖縄の中心地であることはまちがいない。
 まずは朝飯。今まで食べていなかった沖縄名物のタコライスを食べることに
した。ぶらぶらしていると喫茶店のショーケースの中に見つけたので入ってみ
る。
 ご飯の上にひき肉を炒めたものとチーズ、その上にキャベツのみじん切りと
ケチャップで600円。
 ご飯とキャベツ。ぼくにとっては苦手な組み合わせだ。ソースカツ丼の悪夢
がよみがえる。
 はたして、やはりソースカツ丼の再来だ。

●ゴーヤーのお土産

 商店街のスーパーで沖縄の食べ物などお土産を買う。お土産用ゴーヤーも。
それから、フェリーの中での食事としてジューシーのおにぎりを追加した。
 さて、ゴーヤーについて少し書こう。
 沖縄の代名詞ともなったゴーヤー。本土ではニガウリと呼ばれていたが、今
ではゴーヤーとして全国的に有名になり、食べる人も増えてきたので、お土産
にしても喜ばれる。
 しかし1990年頃まではこんなことはできなかった。沖縄から生のゴーヤーの
持ち出しは禁止されていたのだ。
 そう、牧志のスーパーで買ったゴーヤーを生のままお土産にするというは、
今だからできることなのだ。

●ウリミバエ絶滅作戦

 沖縄に広まってしまった瓜害虫のウリミバエが撲滅できたからこそ、ゴーヤ
ーをお土産に持って帰ることができるようになったのだ。
 もしウリミバエごとゴーヤーを本土に持ち込んでしまったら、最悪の場合、
日本本土中の瓜に被害が及ぶことになり、ウリミバエの根絶は限りなく不可能
に近くなる。
 このような害虫の根絶は、虫が移動可能な地域で足並みをそろえなければな
らなく、当然小さな島よりも大きな島の方が難しくなる。大陸だと事実上不可
能だ。だから沖縄島でできたからと言って本州でできるとは限らない。
 また沖縄島なら何でも根絶できるというわけではなく、害虫が原因となり、
沖縄から持ち出せない作物はまだいくつもある。
 それだけウリミバエの根絶というのは沖縄農業の一大偉業なのだ。

○沖縄から持ち出しが規制されている野菜など
 【農林水産省 植物防疫所(ページの下の「国内旅行編」をクリック)】

○沖縄のウリミバエの根絶について
 【不妊虫放飼 - Wikipedia】

●世界一ゴーヤー好き?

 沖縄ではいろいろなところでゴーヤ―チャンプルを食べたが、たいていは
「苦い」。
 といっても味の差があり、観光客が訪れるであろう店ほど苦くなく、逆に地
元の人が訪れるであろう店ほど苦い傾向があるように感じる。
 以前沖縄島を一周したとき、一番苦くなかったのは国際通りの食堂で、一番
苦かったのは沖縄北部山原(やんばる)の国道沿いの食堂だった。
 ゴーヤーはインド原産といわれ、実際ダージリンやシッキムなどの市場で納
豆と共に見かけた。北東インドのミャンマーよりの地方にはゴーヤーを食べる
民族もいるという。
 つまり、いわゆる東亜半月弧に分布している野菜だが、食べる習慣がない民
族も多いということだ。
 このように東アジアの亜熱帯から温帯地方に分布している野菜なので、日本
本土でも成長する。
 沖縄でなければ育たないというわけではなく、今まで沖縄以外ではほとんど
食べられなかったことのほうが不思議なくらいだ。
 もしかすると、日本は世界で一番苦瓜を消費している国ではないか、などと
思ったりする。

○ゴーヤー
 ゴーヤー

●沖縄から帰る

 そうこうしている内に、時間がきた。とまりんへ戻り、コインロッカーから
荷物を出す。
 とまりんから大阪行きのフェリーが出る安謝港(那覇新港)までちょっと時
間がかかりそうだが、時間も余裕があるのでのんびりと歩いてみた。
 重い荷物を担いで待合室にたどりついたのは30分後、すでに人が集まってい
た。
 簡単なチェックインを済ます。16時すぎにバンで船まで送ってくれるらしい。
客は少ないとはいえ、バンに乗り切れるほどではないので、数回に分けてピス
トン輸送することになった。
 客室は降りる港で分けられている。大阪・神戸までの客は三階。先客は三人。
車で乗り込んだのだろう。
 出航前に船内放送。今日は海上が荒れているらしい。場合によっては徳之島
などには寄れないかもしれないそうだ。では、そこで下りる予定の人と乗る予
定の人はどうなるのだろうか。謎だ。
 いつのまにかインフォメーションに予定が掲示されていた。

 那覇         出港16時30分
 与論島 入港20時30分 出港20時40分
 和泊  入港22時20分 出港20時30分
 亀徳  入港00時50分 出港01時10分
 名瀬  入港04時00分 出港04時20分
 宮崎  入港16時50分 出港17時40分
 大阪  入港06時50分 出港09時00分

 16時半。碇が上げられ、離岸はじまる。沖縄ともお別れだ。

○フェリーの航路

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏━┓∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏━━━━┛ ┃∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏━━━━━┛ ┗━━━ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏━┛ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┛ 中国 ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┛ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┃ ┏┓ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┓∴┏━╋━━┓ ┏┛┃ ┏━┓ ∴∴∴∴∴∴∴∴┏┛┗━┛ ┃∴∴┗━┛∴┗┳━━┳┛∴┗━┳━━┓ ∴∴∴∴∴∴∴∴┗┓ ┗━┓∴∴∴┏━┫∴┏┻┓∴∴┏┫┌─■大 ∴∴∴∴∴∴∴∴┏┛┏┓ ┃━┳━┛ ┗━┛ ┗━┳┛┃│┏┛阪 ∴∴∴∴∴∴∴∴┗┳┫┃ ┃∴┃ 四国 ┏┻━┛│┃ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴┗┛┃ ┏┛∴┃ ┏━┓ ┏┛∴┌─┘┃ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┛ ┃∴∴┃┏━┛∴┗┓┏┛┌─┘∴∴┃ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┃ 宮崎■┬┐┗┛∴∴∴∴┗┛┌┘∴∴∴∴┗┓ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┃ ┃│└────────┘∴∴∴∴∴∴┗━ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┗┓ ┃│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┃┏┓┏┛│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┗┛┗┛∴│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┓┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴種子島┃┃│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┏┓┗┛│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴屋久島┗┛∴┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴東シナ海∴∴∴∴∴∴∴┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴┌─┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴┌┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴│┏━┓∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ (奄美大島)名瀬├■┏┛∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴│┗┛∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴太平洋∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴┏┓│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴┗■┤亀徳(徳之島)∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴和泊■┬┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ (沖永良部島)│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴与論■┬┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴(与論島)│∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴┌───┘∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴│┏┓∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴┌┘┃┃∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴│┏╋┛∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴└■┃∴∴∴∴∴∴北大東島→○∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴┗┛∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴●←南大東島∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴那覇港∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

A''Line マルエーフェリー株式会社・奄美海運株式会社  (旧:大島運輸株式会社) ●つづく●                    Copyright 2004-2008 Fieldnotes. □□□□▲旅のフィールドノートから▼□□□□□□□□□□□□□□□□□
前へ▲■ 第6章 沖縄県 太平洋上の南大東島■▼次へ