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問題1の解 犬埋めて人踏まざれば犬ふぐり

 

石ころが置いてあって、犬の墓です。そこに盛り上がるように生え繁り、みな上向きに、青い可憐な花弁に満ち満ちたひとところ。聖域。

 

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問題2の解 赤い風連れて駈け来る風車

 

遠くからこちらを目指して疾走してくる。片手突き出しての風車が見えてくる。赤い風車である。

 

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問題3の解 雨十二分のはこべの日に透いて 

 

これ以上はないほどに降って降って降り続いた雨。やっと明るい日差しとなった。茎の節が徒長したハコベ。立ち上がっている。緑色を帯びて透明である。

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問題4の解 金ぶんは恐るる人に落ちにけり

 

そろそろ羽を休めに落ちる頃だ。又は一座の誰かが団扇で叩いて落としたのかも。えてして女子供を狙ったかのようになるものだ。

 

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問題5の解 こがね虫朝の畳に拾ひけり

 

一夜明けて、あれほど飛び回っていたのが、今朝はこんなところにじっとしている。静かな朝の部屋。「こがね虫」とは視覚である。

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問題6の解 鍬疵を言うて筍呉れにけり

鍬疵のある筍を貰ひけり

 

あげるほうは「ちょっと鍬の疵がついてるのですがよければ」。

貰うほうは「これはこれはあなたが苦労して掘られたのにね」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題7の解 蚊帳の中にを持って這入りけり

物ではなかった。内密な相談。親身な関係。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題8の解 扇風機小皿の海苔を飛ばしけり

寸景。朝食か。それならば朝から暑いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題9の解 低きより柳の枝の垂れにけり

意表を突いて、「柳の枝の垂れにけり」に続くことで、柳の枝」「垂れにけり」を改めて認識。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題10の解 高々と雨意の木蓮崩れけり

「高々と」は木蓮の属性。

 

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