中興期後俳人短冊より
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うくひすの家根からをりる畑哉 巣兆
消のこる雪のまたらや初子の日 月渓
さきかけし梅投入れようた? 大江丸
紅梅や見いれ床しき源氏垣 不二
巣兆 建部氏、名英親、字族父、秋香庵、小蓑庵、黄雀園、寒葉斎、菜翁、松甫の号あり、白雄門、武蔵千住人。文晁に画を学び、蕪村に私淑して一家をなす。文化十一年没。
月渓 松村氏、名春、字伯望、称嘉右衛門、三果堂、呉春と号す、蕪村門、京都人、画家なり。文化八年没、享年六十。
大江丸 大伴氏、初め安井氏、名政胤、称宗二、回心斎、大江隣、芥室、舊國と号す、初め淡々、舊室、涼袋等の門に遊びしも、後ち蓼太に師事す、大阪人、島屋と称し、飛脚問屋を営む。文化二年没、享年八十六。
二柳 勝見氏、名充茂、桃居、二柳庵、不二庵、七杉堂、翁堂、三四坊と号す、初め桃夭門、後ち希因門、加賀人、大阪住、享和三年没、享年八十一。