月斗筆跡集
その三
月兎時代の短冊より(春星舎蔵)
我庭は梅の落花や初桜 月兎
見てすぐる岸の桜や下り舟 蛙
桜さく正遷宮の社かな 秋窗
(蛙・荒木井蛙、秋窗・芦田秋窗)
其棚に泣きかたりたる雛のぬし 月兎
(為山画) 彼岸会や南に霞む天王寺 月兎
正氣へ
汝が妻は椿の花の島少女 月斗
与正氣 中国の探題なれやさくら鯛 月斗
正気庵にて
大三島詣 舟行や青螺を縫うて風薫る 月斗
佛通寺 渓川に沿うて入りけり山茂り 月斗
(画刀子) 春酒満酔尚も許さず鯛茶漬 月斗
(画滴萃) 正氣賛 歯を入れて粽を食はし得々たり 月斗
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