月斗筆跡集
その六
松本正氣宛て句葉書集 その二
(昭和13年〜15年)
女狐の耳迄裂ける欠哉 今年水年蟻が畳にのぼりゐし 月斗
父が魂もみ国を護る身にぞしむ 月斗 江戸橋に立ちて水見る夏めきぬ 月斗
風鈴の音そはへゐる大雨哉 月斗 草いきれ笠の中なる顔襲ふ 月斗
行平にたく粟粥や今朝の秋 月斗 秋水に須落したる顔洗ふ 月斗
二条城 内堀に映る櫓や風光る 月斗 雨蛙鳴きくるるに雨降らず 月斗
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