化政期俳人短冊より

 

 

 

京中の柳かふる雨夜かな      素郷

 

助かりし蚤の命やほとゝきす      土卵

 

女郎花実のなるやうにさきにけり   葛三

 

福原に走ったかたか鉢たゝき      みち彦

 

 

素卿

小野氏、称永二、望春亭、松涛舎と号す、初め蓼太、後蝶夢門、南部盛岡人、大に新風を鼓吹し、長翆、乙二、五明と共に奥羽四傑と称せらる。文政三年没、享年七十二。

土卵

富氏、名数吉、従五位下左近将監、俳三昧堂、狼狽窟の号あり、京都人、文政二年没、享年五十一。

葛三

倉田氏、名覃、称久右衛門、虎杖庵二世、春秋庵三世、鴫立庵五世、秋暮亭、黙斎、朽佛、奇鯨と号す、白雄又天姥門、信州松代人、文政元年没、享年五十七。白門四天王の一と称せらる

道彦

鈴木氏、金令舎、十時庵、秋香庵と号す、白雄門、陸奥人、江戸住、医を業と、文政元年没、享年六十三。

 

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