パリ/中世博物館(クリュニー)

15年前に来たときにはまだ、中世博物館とは呼ばれていなかったと思います。絵画などはなく、象牙の細密な彫刻や首をもがれた中世の石彫の奥に、あの有名な一角獣と婦人のタペストリーがありました。その美しさは当時も今も変わらないのですが、この博物館自体は大きく変わったようです。今は、中世からルネッサンスの初期に至る祭壇画や工芸品が多数収蔵されているのです。特に(写真左上)の磔刑像や(左下)のフランドルの影響を受けた作品(フランドルの作品かも知れませんが)は見事ですし、細密な彫りのさまざまな工芸品もすばらしいものです。ここは数あるパリの美術館の中でも、私が特に好きなところです。以前から、(右上)石像の首はいつ取られたのだろうかと疑問に思っていたのですが、フランス革命の時だとフランスの友人が教えてくれました。きっとこの時にかなりの美術品が破壊されたり傷んだりしたのだろうと想像しました。


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