パリ/国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)2

 2010年8月、ポンピドゥー(国立近代美術館)を9年ぶりに訪れました。展示が大幅に変わっており、改めて充実した時間を過ごすことが出来ました。20世紀美術を質量ともに充実した作品群を、重要な作家は個展のように、また主要な主義・スタイルごとにブースを設けた展示は、まるで20世紀美術の教科書のようです。美術を学ぶ者必見の美術館でしょう。パリはルーブル、オルセー、そしてポンピドゥーを見れば、古代から現代までの美術を概観できるすばらしい環境が整っていると言えます。
 美術館に入るとまず目に入るのは、レジェの大作です。そしてピカソ、ブラックなどのキュビスム、ダリ、エルンスト、タンギーなどのシュルレアリスムへと続きます。いずれもそれぞれを代表する重要な作品ばかりです。写真作品では、以前から惹かれていたRaoul Ubacのソラリゼーションの作品を見ることが出来ました。私も何度か試みましたが、現代の上質な印画紙ではうまく流れてくれないのでした。オットー・ディクスの特異な表現にも惹かれます。バルティスの作品も4、5点、コーネル、ニキ・ド・サンファン、抽象表現主義の作品などがあり、映像作品ティンゲリーのメカニカルなオブジェやラファエル・ソトの錯視的作品も好きなのですが、特にソトの作品を横から見るとまた別の面白さに気付きます。いちいちあげるときりがありませんが、Cristina Iglesiasの麻縄を結んで作られた大きな網状の物体を光が透過してくる作品が、大変興味深いものだったことを付け加えます。
 最後に、今回改めて気付いたのが、ポンピドゥーから眺めるパリの街の美しさです。ほとんどの重要な建造物が見渡せます。
(作品は著作権の関係で、掲載できません)

美術館風景、主義により分けられたブース

美術館からの眺め・モンマルトル遠望

外の風景に見とれている人々


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