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分離とブレンド
日時: 2009/07/19 02:17
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

荒れて削除されてしまったスレッドの中で、とても興味深い話題がありました。

それは

ギターの評価の軸として、
「分離性能」が大事であるというお話でした。
私はこれの他に、
「ブレンド性能」も大事であり、この2つは両立しないということはないが、ややトレードオフの関係にあるという意見を申し上げました。

そして何人かの方が興味深いサウンドのサンプル(ガット弦ですが)を提示していただきました。

これがとても面白くて、削除されたのが惜しく感じます、よろしければ、もう一度ご紹介いただけないでしょうか。

そして、このテーマについて、もう一度(削除されたスレッドで既出のものも含めて)ディスカッションしてみたいと考えています。
メンテ

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Re: 分離とブレンド ( No.1 )
日時: 2009/07/19 13:18
名前: 気弱

う〜ん、敬愛するYAMAGUCHIさんのスレなので反応したいのですが、
テーマが難しくて無知な私では的確な書き込みができません。
皆さんの書き込みを拝読して、参加できそうになったら書き込みます。
しょ〜もないレスですみません。 でも一番レスGET! v
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.2 )
日時: 2009/07/19 14:18
名前: GON

ガット弦が多い人 さん

勝手に転記しちゃってすみません、、


分離する楽器はトップを指でタップした時に コツン という響きを持っていると思います。
鈍い音のものはボワボワが多いようです。何本もある人は試してみてください。
そいう作りこみがされている物は分離がいい楽器が多いと思われます。
最後は自分でいいと思ったものを使うしかないですね。

分離していて無駄な音が少ないガットギターを集めてみました。
マーチンでなくてすいません。

ネェーニョス?
http://www.youtube.com/watch?v=8a16S6WD_-k
南米のギターは暗い音色のものが多いですね。

多分アルカンヘルフェルナンデス?
http://www.youtube.com/watch?v=nGNwhBlYVWs&feature=related
芯が太い無駄な音が出ないギターの例にはいいと思いました。
弾きこなすのは非常に難しいと思われます。

へルンディーノ
http://www.youtube.com/watch?v=oIfF02EzxWk&feature=related
音量は小さ目っぽいですが非常に芯があるギターに感じます。

マルセロバルベロらしいです。音色から判断しても多分そうだと思いますが。
http://www.youtube.com/watch?v=3QWboSD7-5I&feature=related
バルベロならアルカンヘルの師匠にあたる人の楽器です。


参考までに、日本のクラシックギター的な音
http://www.youtube.com/watch?v=ikJR17MN1FM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=FnEYTf3zyMk
こういう音が好きな人も多いですね。


どれが好きかは味覚と一緒ですね。

メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.3 )
日時: 2009/07/19 14:29
名前: GON

多分、太郎八師匠ご自身で参加なさると思いますが、、
僭越ながら、保存してあったもんで、、、


横レス失礼します。

ガット弦が多い人 さん
ハンドルどおり、ガット・ギターへの造詣、ほんと深いですね。
早速いろんなガットの比較、楽しませてもらいました。

>南米のギター
オイラ、ガットのことはよくわかんないんだけど、ご紹介のアタウアルパ・ユパンキさんは、
とても哀愁を帯びたトーンと“間”の演奏で好きでした。
彼の演奏でよく聴いた『花まつり(El Humahuaqueno)』を探してみたけど、映像がみつからなくて、、。
で、この曲をアメリカの人が弾くと、イメージがかなり違ってきて、そのあたりも面白いなって思いました。

■ Douglas Niedt - El Humahuaqueno
http://www.youtube.com/watch?v=QiHq_L5TGMk

この人、こんな曲もやってて、とても興味深いです。
■ Douglas Niedt - Take Five
http://www.youtube.com/watch?v=OmzMIvW_HX4

ちなみに、太郎八がいちばん好きだったガット使いです。
こういうギターは、『分離/ブレンド』といったくくりじゃ語れないような気もしますが。
ゴリゴリの“芯”はあるかとは思いますけど。。
http://www.youtube.com/watch?v=Q2aLz-dda9c&feature=channel_page
http://www.youtube.com/watch?v=AOnr5NpPj8U&feature=channel_page


YAMAGUCHIさま
どういたしまして↓
もしかしたら消えちゃうかな?と
保存しておいて正解でした、、、



>前にも言ったように“師匠”はちょっとね。。
またそんな、つれないことを、、

でも、それぐらいの試練でヘコたれてちゃあ
芸の道は極められませんがな、、、
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.4 )
日時: 2009/07/19 20:01
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>気弱さん

気楽にご参加ください。荒れなければスレはずしも歓迎します。

>GON さん

ありがとうございます!!!!!!
コピペでとってあったんですか?

もう一度、よく聞かせていただきます。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.5 )
日時: 2009/07/19 21:21
名前: ガット弦が多い人

転載ありがとうございました。
再び、音に芯があるガットギターのサンプルです。
重複しているものもありますがサンプルを増やしました。
録音環境の違いも考えながら聞いてみてください。
こういう傾向の楽器は少量生産の伝統工法で作られている場合が多いようです。
サドルを高めにして分離を稼ぐ、マホガニーとかの素材で分離を稼ぐなど
材料の特性で稼ぐのではなく設計と作りこみで分離しているギターが本当に分離するギターだと思います。
音量に偏った作りこみをすると弱音と分離が甘くなるなど失われる部分が多いという事、
また非常に音量のある固体もバランスが大丈夫か考える必要があると思います。
人により弾き方は千差万別なので最終的にはどこかで妥協点(ブレンド加減)を決めてバランスで決めるしかなさそうです。
正解のない話ですが、著名な演奏家の多くは分離性能の良い楽器を使っている傾向があるとは言えると思います。
著名な奏者は弾き方がいいのはもちろんですがそれだけでは補えない部分もあることは間違いないと思います。

ネェーニョス?
http://www.youtube.com/watch?v=8a16S6WD_-k

アルカンヘルフェルナンデス
http://www.youtube.com/watch?v=nGNwhBlYVWs&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=dlfhZH8KULg&feature=related

左ロマニロス 右アルカンヘル 
http://www.youtube.com/watch?v=EZypZXhcklE

ハウザー
http://www.youtube.com/watch?v=UjPUfRqbz2Y&feature=channel

多分ハウザー2世?
http://www.youtube.com/watch?v=Kno_Tdu1zM4&feature=related

フレドリッシュかな?
http://www.youtube.com/watch?v=hbjpvRZlfRg&feature=related

ヘルンディーノ
http://www.youtube.com/watch?v=wq0ZLCvvwsY&feature=related

多分マルセロバルベロ?
http://www.youtube.com/watch?v=3QWboSD7-5I&feature=related
シープレスでない素材のバルベロの音
http://フラメンコギター.com/index.php?ギャラリー%2Fマルセロ・バルベロ1954

昔のコンデエルマノス
http://www.youtube.com/watch?v=PeSaJC7NU3A&feature=related


参考に日本的なクラシックギターの音
井田ギター
http://www.youtube.com/user/masaofujikawa#play/all/uploads-all/2/ikJR17MN1FM

高音の感じで多分中出阪蔵系のギターに感じます。違ったらすいません。
http://www.youtube.com/watch?v=FnEYTf3zyMk&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=QFiqMmNctXM&feature=channel
このような音色は根強いファンが多いですね。


結局好きなのを買うのが一番だと思います。

メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.6 )
日時: 2009/07/20 00:49
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ガット弦が多い人さん

とても面白いですね。
楽器として圧倒的に印象に残るのは田部井さんのハウザーです。ドイツだけど、私の耳にはとてもスペイン的に聞こえます。
同じ人が西野のギターも弾いているので興味深い比較ができます。西野は私や友人も持っていて好きな楽器です。上品で現代的だけど、色気はハウザーにはるかに及びませんね。

グスマンの弾くアルカンヘルはこの中でもっとも分離重視の音に聞こえますが、個人的にはちょっと色気無くて物足りない感じがします。弾きこなすのが難しいというのは素っ気無くなりやすいからでしょうか?

実は昔アルカンヘルを試奏したことあります。その楽器はもうすこし甘口だったと思います。「ポロンと弾けばそれだけでいい音」という感じ。
値段聞いてどうでもよくなっちゃいましたが...
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.7 )
日時: 2009/07/20 01:11
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

スチール弦で分離のいい音というと思い出すのは太郎八さんのHeadway かなあ、

http://www.youtube.com/watch?v=0qaj23_T-Ls&feature=channel

タイトな低音の上で高音弦がくっきり引き立つ感じはマーチンより強いと思います。
太郎八さんのD28は色気あって素晴らしく魅力的だけど、このHF-422もまた実にいい音ですね。

以下追記−−−

マーチンの例
これも紹介するの3回目くらいですが...

http://www.youtube.com/watch?v=7IYHr_6VefY

分離性能はヘッドウェイには敵わないですが、音と音の間にまとわりついてくる「無駄な音」(音楽的には決して無駄ではないと思います)が魅力じゃないかな。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.8 )
日時: 2009/07/20 21:29
名前: 太郎八

こんばんは

GON さん
火事場からひろってくださりサンクスです。
ただ、、前にも言ったように“師匠”はちょっとね。。

ガット弦が多い人 さん
ガットの映像って、普段そんなに見ることのない太郎八だけに、今回のいろんな映像、
どれもとても興味深いです。そのなかでも、個人的にはやはり若き日のパコさんかな。
アランフェスも耳にとどまってるけど、、。
あ、ギターの話でしたね。
ハウザーですか?、素人耳にも、深いなぁ。。って思いました。

YAMAGUCHI さん
マイ・ギターを引き合いに出していただき恐縮です。YAMAGUCHIさんがこれを弾いたら
どんな音がでてくるのかなぁ、なんて思いますよ。>HF-422
オイラの D-28 は、ハイフレット、とくに1弦10F以上の音がとてもふくよかに伸び
ていきます。分離っていうことで言えば、良くないのかもしれませんが、、。
D-28 の魅力は、低音や音のデカさばかりじゃないように思いますね。
この感じはヘッドウェイにはないです。

ところで、ガット、特にクラシック系の集音って、オフマイクが多いのかな?
“分離とブレンド”、これ、“マイク乗り”にも影響ありそうですね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.9 )
日時: 2009/07/20 22:05
名前: ガット弦が多い人

サンプルにあげたギターの音は、昔の作り方をしているある意味古い楽器の音色です。
最近はエフェクトがかかったような音の方を好む人が多いかもしれないですね。
電気的な音が溢れる現在は、シンプルな音よりもエフェクト気味の音が耳になじんでいるのも原因と思います。

>楽器として圧倒的に印象に残るのは田部井さんのハウザーです。
ドイツの楽器ですがスペイン的な作りをしていると思います。
西野ギターはハウザーモデル?と思うのですがハウザーと分離だけで比べると微妙に分離が甘いように思いますが現代的な楽器はこういう傾向だと思います。

>弾きこなすのが難しいというのは素っ気無くなりやすいからでしょうか?
そう思います。
アルカンヘルは非常に張りが強いものが多く無駄な音が全く出ないため強弱含め音色のコントロールが的確な人でないと音楽的に使えないように感じます。
繊細さ強靭さを併せ持っている奏者が使うべきと思いますがあまり使っている人を見ないですね。
値段も高いのでどちらかというとコレクターアイテムになってしまっていると思われます。
実際に楽器を触ってみるとよくぞここまで作りこんだという楽器が多いのも確かです。
重厚な低音、芯のある音色、適度なサスティーン、バランスがなせる技だと思います。
かといって自分が弾きたくなる、弾きこなせるかというのはまた別ですね。
ある製作家のアルカンヘルコピーモデルが分離しない出来栄えの楽器だったのですが、
後に試した古いわりに綺麗な再塗装したであろうアルカンヘルが同じような音でした。
見た目を良くするために塗装を削る時にボディーも削ってしまい特性が変わってしまっているようでした。
寸法、形が同じだけでは出せない音なんだというのを強く感じました。
ギリギリのバランスで作りこんでようやくアルカンヘルの音になるのだと思います。
どうやるとそうなるのかはわからないですが入念に作りこまれている事は間違いないと思います。

>タイトな低音の上で高音弦がくっきり引き立つ感じはマーチンより強いと思います。
D28と聞き比べしたら多くの日本人はこちらを選ぶかもしれませんね。
芯をしっとりつつみこむような響きがヘッドウェイのようですね。
ボディーサイズの関係もあるのかもしれませんが低音の強さ(太さ)は少し弱い気がします。
試したことのないメーカーなのですがもしかするとトップの強度がマーチンより高いかもしれないですね。
経験的にトップの頑丈そうなギターは低音の弱い(低音の野太い音が出ない)楽器が多かったのでふとそんな気がしました。

パコデルシアは昔からオンマイクが多いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AqRjtSp3UzM&feature=related
多分音量が大きい楽器は使っていないと推測します。


作り手がどういう物を作りたかったのかを考えて(想像しながら)音を聞くといいギターなのか悪いギターなのか自分に合わない楽器なのかが見えてくる気がします。
自分の好み、思想と違う楽器に感じたら購入対象から外すと選びやすくなるかもしれませんね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.10 )
日時: 2009/07/21 00:37
名前: 太郎八

ガット弦が多い人 さん

ご紹介のパコさんの映像、
これ、鉄弦の感覚だと、かなりオフマイクだと思うんですが、、。
鉄弦でよくあるのは、マイクがネック・ジョイント部あたりに、まるでへばりついたかの如くですもん。

Headway のトップの厚さですが、特に厚いとは思わないんですがね、Lakewood よりは厚いようですが。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.11 )
日時: 2009/07/21 01:03
名前: ガット弦が多い人

トップの強度はトップの厚さ+ブレーシングの張り加減だと思います。
主観ですが薄い方が音量は稼げると思います。
ボディのタッピング音はギターの音色につながりそうな感じはするので比べてみると面白いですね。

どの距離までをオンマイクというのかが私は良くわかりませんが最近は更に近いみたいですね。場所によるのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=I8tWloz4bI4&feature=related
この映像だと本来のギターの音色がわからないですね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.12 )
日時: 2009/07/21 02:45
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ガット弦が多い人さん

田部井さんのハウザーは一世ですよね。
現代のハウザーとはだいぶ印象が違います。現代ハウザーに関しては大阪のギター屋さんの実に興味深いYoutubeがあったのですが、すべて削除されてました。西野さんのハウザーモデルはどちらかと言えば現代ハウザーに似ているのではないでしょうか?
どちらにしても本家と比較すると分離感はそれほどでもないと思いますが。

太郎八さんの楽器に関してですが、

>D28と聞き比べしたら多くの日本人はこちらを選ぶかもしれませんね。
>芯をしっとりつつみこむような響きがヘッドウェイのようですね。

私は逆の印象を持っています。ヘッドウェイはライブで分離よく聞かせるには有利だけちょっとむき出しの感じ。太郎八さんのマーチンD28には包み込むような色気があり、魅力は素晴らしいと感じます。

>ボディーサイズの関係もあるのかもしれませんが低音の強さ(太さ)は少し弱い気がします。

確かに強力な低音ではなく、軽めの低音だと思います。分離感は悪くないと感じますが。000さいずで野太い低音というと、000-18Authenticを思い出します。あれは凄い低音だったと思います。(高音も太い)

パコの最近のビデオはエフェクトがきつすぎますね。
オンマイクでもこのくらいなら音色もまあまあ分かるのではないでしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=RYkz30RL_GU&feature=related

パコの演奏でもっとも驚異を感じるのは「一音のスピード感」です。非人間的なほどの立ち上がりの鋭さと貫通力。最近の映像だとそれがはっきり分からないのがとても残念です。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.13 )
日時: 2009/07/21 12:24
名前: ガット弦が多い人

ハウザーモデルというと1世を手本にするものだという固定観念がありました。
3世といわれるとそうなのかもしれません。
音色の印象や特徴を言葉に表すのは限界があるので聞いてどう感じるかは自分の中で納得すればいいかなと思います。
近年のクラシックギターは音量重視パワー重視の傾向になっているので音色の傾向も変わってきているようです。
ウルフの位置も昔はF#付近だったものがG#付近で作るのが多くなっているようです。
サスティーンも長めになっている傾向があると思います。
音量を稼ぐ現代的なクラシックギターはG#あたりで作ると良いそうです。
その分低音の太さなどが失われる傾向があるようです。
ただパワーを出しながらも低音を失わない方法はあるというのを聞いたことがあります。
その辺が分離しながら野太い低音を実現する鍵だと思います。
多分アルカンヘルみたいなコンサートギターでありながら伝統的な音色みたいなのは
オーセンティックシリーズに通じるものがあるのではないでしょうか。
腕のいい人が相当手間暇かけている事は間違いないですね。

最近のコンデエルマノスと思われます。
http://www.youtube.com/watch?v=3EvcL4hc4Jc
昔のものとは印象が違うように感じます。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.14 )
日時: 2009/07/21 17:53
名前: 太郎八

こんにちは

YAMAGUCHI さん
ガット弦が多い人 さん

いやぁ、みなさん深いです。。
ウルフの飼い方も時代とともに変ってくるんですね。興味深く読ませていただきました。

パコさんですが、他流試合が多かったんで、他の楽器との兼ね合い等で、オンマイクやイフェクティブな方向に
いかれたんでしょうかねぇ。
>「一音のスピード感」
>非人間的なほどの立ち上がりの鋭さと貫通力
かつてのスーパー・ギター・トリオの時も、あとの二人がまるで霞んでましたもん。

ところで、フラメンコの場合、組んでる足の関係で、マイキングはサウンドホール側からになるんでしょうかね。
この人も、最近はマイクの位置がギターに近そう。。 ヴィセンテ・アミーゴさん。

http://www.youtube.com/watch?v=YCM_bbxUaDQ

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

え〜と、太郎八のギターのことに触れてくださってるんで、自分の vid をあらためて見返してみました。
で、思ったんだけど、、
>D−28
ブルーグラス系のピッキング@での、高音弦のブレンド具合と芯?を感じさせる中低音の立ち具合とでもいうか、
やはりこのあたりがD−28の最も得意とするところかな、と。 生い立ちからして、そうですもんね。
スラッキーAでのブレンド感やラグ系Bでのバリバリ感も、好きには違いないんだけど。。

@(Under the Double Eagle)
http://www.youtube.com/watch?v=xnjXCRC7wWk
A(いつも引き合いに出してすんません、マイ・サウンドの“Pu'uanahulu”です)
http://players.music-eclub.com/?action=user_song_detail&song_id=219851
B(トカちゃんの散歩)
http://www.youtube.com/watch?v=Y7R3DSz8zQk

p.s.
ちなみに拙奏“月亮代表我的心”で、D-28, Headway HF-422, 同 HO-430、それぞれの音の比較ができます。
それぞれ録音条件が違うんで、同じ土俵では語れないかもしれませんが。(HF, HO はデジカメのマイクですし)
これ、トシさんのスレッド(ホンマホ・スレ)ともリンクするのかもしれませんね。

■ D-28(シトカ?+ハカ、ノンスキャ)
http://www.youtube.com/watch?v=skny17NJNZY
■ HF-422(シトカ+ホンジュラス・マホ、ノンスキャ、000スケール)
http://www.youtube.com/watch?v=lgiQIlEhjSQ
■ HO-430(シトカ+インディアン・ローズ、ノンスキャ、OMスケール)
http://www.youtube.com/watch?v=1CVnxupwZ0A

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(2009/07/27 追記)

■ D-28(シトカ?+ハカ、ノンスキャ) 
これ、撤収いたしました。
聴きくらべいただいたみなさん、ありがとうございました。
コメントくださったみなさん、せっかくコメントをいただいたのにごめんなさい。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.15 )
日時: 2009/07/21 21:55
名前: 太郎八

自分の文面を読み返していて、ふと疑問に思いました。
ギターを弾いたあとのリバーブ感って、“ブレンド”の枠にはいるのかな?
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.16 )
日時: 2009/07/21 22:26
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ガット弦が多い人さん

>音量を稼ぐ現代的なクラシックギター

楽器もニーズとともになんでしょうね。
分離感のいい芯重視の楽器はホールで生音の時は強いですよね。ただ絶対音量とトレードオフとなるとなかなか悩ましいのかも知れません。
だけど私はそんな機会はまず無いのでブレンドとちょっとの雑味という方向に多少シフトしたあたりがちょうどよく感じます。
まして極端に音量重視の現代的な楽器には正直あまり魅力感じません。そこまで音量いるならPAします。

削除されちゃった大阪のギター屋さんのyoutubeで、

ビセンテ・カリージョ(80万)
パウリーノ・ベルナベ(200万)
ハウザー(3世?)(300万)

の紹介がありましたが、私の中の評価では、

カリージョ≒ベルナベ  >  ハウザー

という感じでした。生音でコンサートする人だったらまた評価が違うのだと思います。ギター屋さん(かなりのギタリストです)はベルナベが一番好きだったみたいです。(「硬軟、甘辛どんな音でも出る、欲しいーーー」というコメント)

鉄弦もアストリアス、ヘッドウェイ、ヤイリ、マーチンがありましたが、その人の演奏で聴くとマーチン(レギュラーD28)が一番好印象でした。太郎八さんの楽器とはかなり違う感じですが。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.17 )
日時: 2009/07/21 23:26
名前: 気になりました

私はクラギの事は良く知らなくて、物凄く素人な質問です。

現代的なニーズで音量やサスティーンを重視しているのは音楽の演奏形態が変わって来たからでしょうか?
それとも他の流行が有るのでしょうか?

個人的には「ブレンド」が多い程他の楽器が多い場合に埋もれる気がします。
言い換えれば全体に馴染みが良いギターと感じます。
私がソロギターを弾くならこちらを選びます。

「分離の良い」場合は所謂「ヌケが良い」と私は解釈しているので、使い方を間違えると全体の邪魔になりかねません。
他に沢山の楽器が居る場合はコチラを使うと思います。


演奏する編成や曲によりますが、昔はギターはあくまで楽団のリズム楽器としての側面が強く、今はソロや少人数でのどちらかと言えばリード演奏がポピュラーな気がします。

私の鉄弦での感覚ではこんな感じですがガットギターの方はどうなんでしょうか?

お教え頂くと幸いです。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.18 )
日時: 2009/07/22 10:40
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>気になりましたさん

私もクラシックの事情はあまり分かりませんが、

ギターの生でホールコンサートは非常に厳しい条件であることは間違いありません。大音量の楽器が求められる所以だと思います。
伝統的なギターと違う構造で音量を稼ぐ楽器がいろいろあるようですが、ジョン・ウィリアムズがグレッグ・スモールマンという大音量の楽器(ブレーシングが従来と違う)を使うようになったあたりからトレンドが変わってきたのではないかと思います。
日本人では村治香織さんがコンチェルト(とかく音量が問題になりやすい)でポール・ジェイコブソンという大音量の楽器を使ってます。
やはり有名アーティストの影響力は強いのかなあ?

編成と音のキャラに関しては色々な考え方があるかと思いますが、クラシックの方はよくわかりませんがコンチェルトでは大音量系というのはあるかも。
コンチェルトやるということ自体普通のギタリストにはまったく縁のない世界ですけど。

私自身のことを言えばPU前提なので楽器の音のキャラで調整ということはありません。
別スレッドでも書きましたが、PUの使い分けで対応します。
打楽器が居て抜けが要求されるときにはアンダーサドルPU(スピード、芯、分離、音圧はいいがブレンド、ハコ鳴り感が弱い)を適宜混ぜます。逆にソロやデュオの場合はアンダーサドルは切って貼りピエゾとインターナルマイクで明瞭度とハコ感のバランスを取ります。
分離は大事だけど、それだけに注目すると極端に言うとアンダーサドルPUの音が一番という事になってしまいます。やはりバランスだと思うのです。

録音時はPUを使いません。楽器もPUなしの生音重視のものを使います。抜けや音圧が要求される場合はリミッターを多少かけて調整しました。これもやりすぎると不自然になります。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.19 )
日時: 2009/07/23 01:36
名前: ガット弦が多い人

小ホール位の場所で生音だけで演奏する機会の多い近年のクラシックギターのコンサートでは音量が必要なのだと思います。
また、早弾きやテクニカルな曲が多い現代曲を演奏する奏者は、昔と音の出し方(発音)も違ってきていると思われます。
より軽いタッチで音量は楽器に頼る奏法が多いように感じます。
そういう奏者は必然的に音量重視のギターを使うことになります。
クラシックギターのソロ曲を聞かせる場合、単音弾きだけでなくハーモニーを聞かせるわけですから分離が良くないと遠くの方では何を弾いているのかわかりません。
響きをコントロールして音楽を聞かせるのは表現方法の手段だと思います。
結局、分離が必要ないと思えば必要なくていいのだと思います。
どれだけ分離が必要かも奏法や感覚、使い方によって違っていいと思います。
分離が悪く音が大きい方が荒が目立たなくていいという意見もあります。
手元で鳴っていれば満足という人もいます。
分離の問題は一生気づかない人もいるでしょう。
製作家ですら良く理解していない人がいるのですから気づいた時点で今までと違ったギター選び、聞き方が始まると思います。

クラシックギターの銘器といわれる物は、この辺がしっかりしている事は間違いないと思います。
その上で音色に特徴がありさまざまな個性があります。
また、分離感をコントロールして製作するのが一番難しい部分なのだと思います。
個人的な感覚では何でこれでこの値段?というのもあるのが事実です。
それでも買う人がいるのなら自分には合わないだけだという事ですから
どこを重視するかは個人の自由でいいと思います。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.20 )
日時: 2009/07/23 06:15
名前: 気になりました

YAMAGUCHIさま
>ギターの生でホールコンサートは非常に厳しい条件であることは間違いありません。

大きい会場での生演奏を考えてみれば確かにそうですね。
私は生での演奏は家ぐらいなので頭に有りませんでした。

>やはり有名アーティストの影響力は強いのかなあ?

これは確かにどんなジャンルでも有名人に憧れる事で色々と動きますよね。
一番大きい要因かもしれませんね。

以前から仰っている「バランス」は本当に大事な問題ですよね。
イイ意味での妥協点がどの辺りか?
これが「自分にとって」と「聴衆にとって」が一致してない事も有ったりして(笑)
あ、これも結局はバランスかな?

ただ人によっては正反対の意見も出るので面白いところです。

>録音時はPUを使いません
これは私もそうしたいのですが、大概グループの音源になるのでP.Uを使用した方が良い場合も私は有ります。
と言ってもアンダーサドルのみは流石に無いですが・・


ガット弦が多い人さま
>小ホール位の場所で生音だけで演奏する機会の多い近年のクラシックギターのコンサートでは音量が必要なのだと思います。

こう言った所は殆んど足を運ばない場所なんで「そう言うものなんだ」と言うのが正直な感想です。

演奏面は確かにテクニカルと言うか派手な物が好まれてる(求められてる)気はしますね。
でも、お二方以外でもこのBBSを見られている多くの方は「テクニカルな物も良いけど、それだけがギターじゃない」とも考えられている気がします。
そう考えると今の状況も一過性のものかも知れませんね。

>クラシックギターの銘器といわれる物は、この辺がしっかりしている事は間違いないと思います。

この言葉で思い出したのですが、近所にとあるギター制作家が居て、その方は「音に関係ない物は要らない」と言う主義で装飾等はキライらしいのです。
その方が自分の作ったギターの演奏会に招待された時、会場で一目見た瞬間に
「ワシの作ったギターに何でP.A通すんや!」
と言って直ぐに帰ってしまったと言う話です。

帰ったご本人はかなりのご立腹だったらしいのですが、裏を返してみると渾身の作品を台無しにされた気分だったのかも知れません。

細かい状況は解かりませんが、こんな頑固職人は結構好きなんで機会が有れば怖いけどオーダーしてみたい気がします(笑)


脱線しましたが、素人質問にお答え頂き有難う御座います。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.21 )
日時: 2009/07/23 11:59
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>太郎八さん

サンプルを整理してご提示いただきありがとうございます。

太郎八さんのマイク取りのライブの音はライブの音とは思えない程アコギのよさを捕らえてると思います。なかなかのPAさんではないでしょうか。
改めて聴きなおすとD-28はやはり多面的な魅力がありますね。

ヘッドウェイの2本に関してはHF-442がとても好きな音です。自分で弾いてみた何本かのヘッドウェイは立つけどストレートすぎるという印象を受けていましたが、この楽器はそれとは別に香り、色気のようなものも感じます。

>ガット弦が多い人 さん

いろいろ考えたのですけど、もしかしておっしゃりたい「分離」は私が最初考えていた「分離」よりもう少し包括的な「遠距離性能」ということではありませんか?

そう読み替えるとお書きになったことが実に納得いくのですが。ちがっていたらスイマセン。

>気になりましたさん

上記のように考えると、

>「ワシの作ったギターに何でP.A通すんや!」

「折角遠距離性能を考慮して作ってるのになぜ?」
という疑問となりこれまた気持ちはよく分かります。
と言っても、プレイヤーやリスナーの立場では楽器の遠鳴り具合自体を聴きたい/聴かせたいわけではないと思うので、遠距離性能のいい楽器でも必要とあればPA使ってもかまわないと思うし、PA使っても分離のよさという美点はそれほどスポイルされないと思います。(PAの腕しだいですが)
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.22 )
日時: 2009/07/24 07:46
名前: 気になりました

YAMAGUCHIさま
「分離」と「遠距離性能」この両者は別物の様で相通ずる様で少し興味深い考察ですね。

私はその辺りを「抜けてくる」と言う感覚で捉えて要るかも知れません。

分離は良いが抜けが悪いモノも有るので表現が難しいのですが、音量が小さくても存在感が出せる様な楽器が抜けがイイと感じる楽器だと私は思います。

ただ、それが「良い楽器」又は「楽しい楽器」とは限らないので微妙です。

かなり主観的な感じになってしまったついでに、ある程度しっかりしているギターってイザ弾いてしまえばその音に合わせてタッチやフレーズが変わってしまいませんか?
逆に弾き方でギターの足りない部分を補おうとする時も有ったり・・・

当然「本来の音」が有るのである程度の範囲ですが、何となくそんな感じで弾いてるとみんな良く感じてギター選びの時に迷いの種です。

私は中途半端なせいか色々演奏しなければならない場合が多く、一つ一つ楽器を代えてたらエライ事になりそうでついつい実用的なもの(この場合守備範囲が広いもの)になります。


私の事はさて置き、大抵はP.A屋さんのアコギへの理解度ってあまり高く感じない事が多いので、「ブレンド」と「分離」の事を話したら有効かなぁ・・と思う今日この頃です。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.23 )
日時: 2009/07/24 12:02
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

分離は遠距離性能の「必要条件」だけど、「十分条件」ではないというのが、今回のスレッドで読んだり聞いたりして思ったことです。
分離の悪い楽器はホールに持ち込むとやはり厳しいものがあるような気がします。
実体験的にはホールでボワーンとして聞こえないというより「芯が細すぎて聞こえないよ」と感じたことがあります。

「分離だけ」の事を言えば、ならなくていいならそんなに難しくないような気がするのです。

音量とか鳴りとかいい響きと分離を上手い具合に両立させて遠くでもハッキリ魅力的に聞こえさせるというのが難しいのだと思うのですが。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.24 )
日時: 2009/07/24 18:56
名前: aya-yu  <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm

興味深く読ませてもらっています。有難うございます。
迅速なRe.ができないので迷惑をかけないよう、なるべく暫くはROMだけにしようと思っているものの、今回、面白くてつい、感想のようなものですが、投稿してしまうのをお許しください。

ガット弦が多い人さんのお話は、遠くで分離よく音が聴き分けられないギターは、本当の意味で「分離のいいギター」とは言えない、という認識を語られていらっしゃるように感じています。
また、実はYAMAGUCHIさんのおっしゃるブレンドについても、私は音のまとまり具合のことをおっしゃっているのかな、と始めは思ったのですが、書き込まれた内容からトータルバランスが大切だという意味合いが強いのだというのがわかってきました。
私自身の読み違えもあるかと思いつつ、それぞれの言われていることをなるほどな、と感じながら読ませて頂いています。

横レス、失礼しました。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.25 )
日時: 2009/07/25 00:04
名前: ビンゴ

こんにちは、皆さん。
分離とブレンド・・・そのバランスが大事だということ、私もそう思います。

YAMAGUCHIさんが試奏なさっていた2本のギター、離れて聞き比べると興味深い
違いを感じました。自分で弾いていたときは、ラファエルロマンはボリュームがあり、
音色も太く、力強い感じなのですが、少し離れて聴いていると違いがありました。
それは透明感とでも言うべき音色の「ツヤ」でした。マリンの方が近くでも
遠くでもキラキラとしたツヤがあって、それは変わらないのですが、ロマンのほうは
少しこもったような、冴えない音色に聞こえるのです。これは分離がよくても、
魅力的な音かどうかといことは別な要素があるのかとおもったわけです。ロマンの音は
分離が良いと思いましたので・・・。

高くてとてもじゃないけど買えませんが、あのお店のショーウィンドウの中にある、
ラミレスの「マヌエルラミレスモデル」、あれはバランスが良いと思います。
それに音量も、思いっきり「伝統的」な作りのはずですが、同店にあったスモール
マンやトーマスハンフリーのRF仕様のギターにも
劣らぬ大音量です。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.26 )
日時: 2009/07/25 02:32
名前: ガット弦が多い人

生音のみでの判断方法で主観ですが私にとっての良いギターは、まず分離(音に芯がある)する。
音の立ち上がりが早い(反応が良い)また議論の対象になりそうな部分ですね。
という部分を満たしていればまず合格です。材料や板目などは全く気にしません。
以上を踏まえて音色が好みなら自分に合う、音色が好みでないと自分には合わないと判断します。
もちろん音色が好みでなくても良いギターだと思うものはあります。
音色は、ブレンド加減や音の調和といった部分に当てはまるかなあと思っています。
遠達性能は分離していれば自然についてくるものと考えていますが、
遠くで和音が濁るようなものは分離が悪いと考えています。
音量に関しては大音量にはこだわってないですが、弱い音の反応がよければ良しとします。
軽い入力で大きな音がでるけど弱音の反応の悪いものは敬遠しています。(これは弾く強さが違う場合はある人には合うかもしれません。)
音色や響きは大事だけどある程度の分離性能は持っていて欲しいというのが私の良いギターの条件になると思います。
結局これが正しいという事はできないので、楽器選びの基準は各自の経験や技量で違っていいと思います。
私は大音量よりも分離と音色を重視する割合を多くして妥協しています。
手元の音量で負けているようでも遠くで聞くと思ったより差がなかったりするので難しい問題です。
分離しながら音量を出す、魅力的な音を出すというのは永遠のテーマだと思います。

ちょっと話が変わりますがあるギターの発表会を見ていての出来事です。
国産手工ギターから舶来まで色々な楽器の人がいて音色の違いが聞けて面白かったのですが、小ホールの後ろの方だと分離の悪い楽器は目立ちます。
先程までの分離の悪いギターとはうって変わって突然響きの違う楽器が現れました。
野太い芯のある低音と非常に良く通る音、綺麗な和音の響きが絶妙でした。
明らかにいい楽器だとわかったので後でその人に聞いてみたらマルセロバルベロイーホでした。
やっぱり銘器は違うなあと感じた出来事でした。
何も参考にならないですけど皆様はこういう経験はありませんか?
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.27 )
日時: 2009/07/25 07:30
名前: aya-yu  <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm

>国産手工ギターから舶来まで色々な楽器の人がいて音色の違いが聞けて面白かったのですが、小ホールの後ろの方だと分離の悪い楽器は目立ちます。

やっぱり、という感じがしました。
ガット弦が多い人さんは、クラシックのコンサートを聴かれる機会が多い方なのですね。
PAを通さないプロのコンサートで使われるクラシックギターの場合、遠達性があるのはある意味あたりまえで、好みの演奏かどうか、音色が好きか以前にホールの隅でも音がしっかりとピアニシモまで聴き分けられることが、まず重要なのだと思います。
いい悪いでなく、PAを通すことを前提にした鉄弦ギター等の場合や、ストロークでの歌物等をする機会の多い方との認識と基準が異なるのは理解できます。けっしてトータルバランスを否定されているわけでもないようにも感じています。
また、音源の参照というのも「百聞は一見にしかず」ということもありますが、逆に人により感じ方が異なってしまい意外とわかりにくかったりすることもあるかと思います。

私の場合、コンサートを聴く機会がそれほど何度もあったわけではないですが、小さなもやもやとした音の演奏で快眠してしまって家族の顰蹙を買い「しまった」というのが一度あります。下の娘の友達のギター教室の発表会でした。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.28 )
日時: 2009/07/25 10:40
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ガット弦が多い人さん

ギター教室の発表会は時々聴きますが、各人の音の違いと楽器の違いなども確かに興味深いものがありました。
ちょうど先日聞いたのが小ホールの後ろの席でした。クラシックギター屋がやってる教室なので、生徒さんの楽器はあまりヘンなの(和音がハッキリしないとか)はありませんでした。西野を持ってる友人も出演しましたが、分離はまあまあ(他と比べて)というところでした。
だけど、後ろの方でも「芯」が聞こえると思った人もいませんでしたね。
ビンゴさんのお話にあった、この前弾いたラファエルロマンは「芯」があるなあと思いましたが、これももうすこし上のランクのものを知り合いが持っており、別のホールの発表会で聴いたことあります。
そのときはいい音だけど、やはり力強さは感じませんでした。セッティングの影響もあると思います。ハナバッハの黄色を軽いタッチで弾いてましたから。
実はその発表会で一人だけ、「会場の空気を揺らす」という感じでかなり芯のある音を出してる人がいました。楽器は聴いたこと無いアメリカもの。
フレタを弾いていたけど、腱鞘炎になったので、張りの強い楽器をやめて軽いタッチに変えようとしているというお話でした。
よい楽器で強靭なタッチを追及する場合、フォーム、脱力などに十分注意する必要がありそうです。

最初の方でお書きになった「自分で弾きこなせるかどうかは別」というのはよく分かります。フレタやハウザーを買う経済力があっても私には弾きこなすのは無理だと思いましたから。

遠鳴りということで一番印象に残っているのが亡くなる少し前のイエペス。
高齢だったので、大ホールで聞こえるということは全く期待せず、巨匠を一目見ておこうと思ってでかけました。体調がとても悪そうで、かつてのようには弾けてなかったけど、大ホールの真ん中より後ろくらいの席で実にしっかりと聞こえたのには本当に感銘を受けました。10弦ギターは分離には不利だと思うんですが名工と名手が不可能を可能にしたということでしょうか。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.29 )
日時: 2009/07/25 11:08
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>aya-yu さん

ご参加ありがとうございます。

>ホールの隅でも音がしっかりとピアニシモまで聴き分けられることが、
>まず重要なのだと思います。

これはホントに高いハードルだと思います。
ホールでppを聞かせるは手元でどのくらいの音を出せばいいのか????

ガット弦が多い人さんが

>弱い音の反応がよければ

というところを重要事項と考えてることはやはりこれがなかなか難しいところだからではないでしょうか。

いずれにしてもホールでの演奏というのはクラギではもっとも重要なシチュエーションですが、ここの参加者(や読者?)の主要なシチュエーションはすこしずれるので、おっしゃるとおり、

>PAを通すことを前提にした鉄弦ギター等の場合や、
>ストロークでの歌物等をする機会の多い方との認識と基準が異なるのは理解できます

ということだと思います。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.30 )
日時: 2009/07/25 11:38
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ビンゴさん

ご参加ありがとうございます。拙ギターについての丁寧な解説もありがとうございます。

キャッチフレーズ的に言うと、
うちのマリンは
「銘器一歩手前」

近距離、録音だとなかなかいい音だと思うけど、倍音が多すぎでホールで使うのはちょっと苦しそうです。以前、G社(老舗のクラギ屋)に持っていったらA社長が、
「懐かしいねえ。だけどこの頃(1970)のマリンには100万はつけられなかったよ」とのコメント。
「それは倍音が多すぎるからですか?」と聞いたら「そうだね」とおっしゃってました。
その後のマリンは真の銘器と認められてるようですが、自分で使うには高貴すぎる(音も値段も)ものになってしまったようです。

例のラファエル・ロマン(ベルナベ工房)は
「銘器を知る人が作った廉価版」
という感じかなあ。廉価版で何を削り何を残すかということで「材」は落として「芯」を残したという判断ではないでしょうか。ブライトでないけど「色気」はそばで聴く限り悪くなかったと思いますが、少し離れるとまた違うのですね。勉強になります。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.31 )
日時: 2009/07/26 08:56
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

思い出したのですが、この掲示板の常連さんで、「ホールで生」に匹敵する難しい条件で演奏されてる方は911さんですね。(最近改名されたんでしょうか?)
他の音量が大きい楽器に混じって屋外で生!

楽器選定はノンスキャで大入力に耐えて芯の出る62年D28。極厚ピック限界まで引っ張ってリリースするピッキング。

銘器を強力なタッチで弾くクラシックギタリストに一脈通じるのではないでしょうか?

いかがでしょう? >911さん
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.32 )
日時: 2009/07/27 19:17
名前: ダン

YAMAGUCHI さんこんばんは。
>名器を強力なタッチで〜・・。
5〜6年前の事ですが、ひょんな事からプロのフラメンコギター奏者と1か月余りご一緒させて頂く機会がありました。
当時私はパーカッションでの参加でしたが、「フラメンコギターってこんな大音量が出るんだ??!!」と驚かされた経験があります。
複数のパーカッションにさすがに埋もれそうに思えて「もう少し音を抑えましょうか?」と申し出たところ、「私がもっと音を出せれば済む事なので御気使いなく!」とのこと。
実際、合わせの回数を踏むごとに音量がアップして、パーカッション軍団に負けない音量を確保していらっしゃいました。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.33 )
日時: 2009/07/28 16:55
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ダンさん

フラメンコの人は音でかい人が多いようです。
フラメンコの友人と共演したときは、生音量ではだいぶ差をつけられました。
かなりブリッジよりでアポヤンドを多用しますよね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.34 )
日時: 2009/07/29 13:03
名前: ダン

>YAMAGUCHIさん
はい、恐るべしフラメンコギターです。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.35 )
日時: 2009/07/30 12:29
名前: うさタンぴ

元911です。
改名宣言をしたのですが、そのスレッドが消されちゃったみたいで。。。

>銘器を強力なタッチで弾くクラシックギタリスト
とんでもないお話です(笑
そういった方たちは、おそらくトーンと音量とのバランスなどについて葛藤した結果、
その奏法を採用されているのだと思いますが、
うさタンの場合、トーンを犠牲にしてでも音量を求めているという感じですので。。。

さて、中野駅北西の駐車場や、駅前で時折、トランペット、トロンボーン、スネア、
テナー・バンジョー(4弦)、マンドリン、フィドル、コントラバス、
そして、ギターという編成で遊んでおります。(最近行ってませんが。

この編成ですと、聞こえにくさベスト3は、コントラバス、ギター、フィドル(の低音)です。
(屋外でコントラバスというのは、ちょっと離れると何も聞こえないのに近いです。)

そんななかで、(さらに電化しない制限のなかで)『音量が出る』というより、
『人に聞こえる音を出す』というところに主眼をおいているうさタンは、経験則で以下のように考えています。

1 弦。
   ゲージは太く、スズは少なく。という好みです。
   当然ですが、同じ楽器で、同じ素材・製法の弦であれば、弦は太いほうが音量が出ます。
2 楽器。
   大入力に耐えられる堅固さと、芯の強い、倍音の少ない楽器を選ぶ。
   経験則でいうと分離のよい楽器では『ギャラガー』や『マーティン』に懐の深い楽器が多い。
3 弾き方。
   単音リードは手首を返さない。ストロークは手首の返しのみでひっぱたくように弾く。
   まだまだ研究していきます。
4 ピック。
   とにかく分厚いピックを。硬くもろいピックは輪郭が立つが、音がうすっぺらくなる気が。
   やわらかい素材のピックは芯が出る感じがするが、輪郭が立たない気もします。
   ウェーゲンの白が音量を出しやすい気がしますので、愛用品です。
   トーンで言うと好みはジムダンの赤いJAZZIの素材。
5 姿勢。
   べたっと覆いかぶさるようにギターを抱えると音がこもります。
   前かがみになって、体とバックを放すとそれだけで低音の出方が違う気がします。
   リードのときは気をつけます。
6 セッティング。
   弦高が高すぎたり低すぎたりすると音量が出なかったり目立たなかったり。
   6弦12Fで3.5〜4mmぐらいが好みです。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.36 )
日時: 2009/07/30 12:31
名前: うさタンぴ

そして、その中で楽器についてもっと突っ込みますと、『大入力に耐えられる懐の深さ』を持つ楽器ですが、
そういう楽器って、有る程度の値段以下には存在しない気がします。なぜでしょうかね。。。?
そんななか、やはりD−28は大入力OKの筆頭だとも思いますし、もっとも安く手に入る楽器のような気もします。
ちなみに、60年代のD−28は、若干音が軽く軽快でやかましく、70年代以降のもののほうが音も太く芯も出ると思います。

あと、『ギャラガー』ってところのローズ楽器がとにかく音が硬くて重くて世間一般的には『鳴らない楽器』ですが、
音量を出そうとするとどこまでも音量が出る感じです。ハードピッカー御用達という感じです。

上記二つはたぶん分離(?)する楽器です。

ブレンド重視で言うと『コリングスD2』がすごいです。
これも、『鳴らない楽器』で、音は物凄く硬くて金属音の輪郭も耳につきます。
が、力を入れて弾くとものすごい音の膨らみ方で、圧倒的な存在感(主に低音)を感じます。
うさタンも一時期使ってました(頑丈なのでものすごく野外用!)が、芯が強いわけではない感じです。
悪い言い方すると、うなってる低音と、がしゃがしゃの金属音で、頭が痛くなるような音です。


クラシックギターには造詣がないのですが、
上の楽器のなかでも、『ギャラガー』や『コリングス』って小さい入力のときにはこもった音で、
軽快に響いてくれる感じがしない楽器です。
十分に力を乗せて、しっかり打ち抜いたとき、そのうえでドライブがどうこういう言ってる感じです。

D−28は最大音量で言うと上記の楽器に劣る気もしますが、入力の強弱によって反応やキャラクターが
ガラッと変わる感じもしませんし、そういう意味ではオールラウンダーだと思います。

が、ホールでピアニッシモを〜なんてレベルの話といっしょにできる話じゃない気もします(笑
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.37 )
日時: 2009/08/02 10:42
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>うさタン さん(ちょっと書きにくい!)

ご参加ありがとうございます。

>小さい入力のときにはこもった音で、
>軽快に響いてくれる感じがしない楽器です。

ここら辺が難しいところなんだと思います。
ガット弦が多い人さんがお書きになった

>弱い音の反応がよければ

というあたりですね。
D-28は私からみると十分強音にも耐え弱音もいいので、(ほんの数本しか弾いてないけど)なかなかの名器だと思います。
究極の大入力、大音量はまた別なのでしょうが。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.38 )
日時: 2009/08/02 20:20
名前: aya-yu  <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm

私もYAMAGUCHIさんのおっしゃる通り、D28も素晴らしい銘器だと思います。
ただ、鉄弦ギターとクラシックでは、音の特性としてピアノとハープシコードほどの違いがあると思います。同じ土俵で語るのは難しいのかもしれませんね。もともとギターの大音量化を目指して取り入れられた鉄弦ですが、ブルースやフォークソング、ハワイアン等とともに発展してきたものですから、小さな音の聴き分けをする必要がなかったということも言えるかとも思います。(最近はソロでの使用も増えて遠鳴りを意識した鉄弦も出てきたようですが)同じナイロン弦ならフラメンコギターのほうが条件が近いのかもしれませんね。

いつも興味深くROMさせて頂いています。YAMAGUCHIさんの演奏も勿論ですが、建設的な内容の書き込みを楽しませてもらっています。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.39 )
日時: 2009/08/06 17:08
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>aya-yu さん

>もともとギターの大音量化を目指して取り入れられた鉄弦ですが、
>ブルースやフォークソング、ハワイアン等とともに発展してきたものですから、小さな音の聴き分けをする必要がなかったということも言えるかとも思います。

おっしゃるとおり、目的とするサウンドが違えば、よい楽器の定義も変わります。
弱音のレスポンスはドレッドの目的とは少し離れていますね。マーチンでも小型の楽器でそれほど強いタッチでなくてもとてもレスポンスのよいものもありました。
aya-yuさんんはSomogyiなどもお使いのようですが、この辺はガットのつくりこみとやや共通点があるようにも感じますがいかがでしょうか?
わたしはSomogyiのガットは先日旅先で弾く機会がありましたが、これもなかなかの楽器であると思いました。スチールは触ったことありません。

作りこみというともう一つ気になっていることは、
「トップの板とブレーシングの微調整」ということです。個人製作家はスチール、ガットを問わずここに時間をかけていると思います。それに対し量産ギターは基本的に微調整なしだと思うのです。

マーチンはオーセンティックシリーズはこの一本ずつの微調整をしてるそうですが、普通のシリーズはブレーシングはどれも同じという談話が最近の雑誌にありました。

同じ000-18でもオーセンとGEは材料が似ている(グレードが違うという説明は受けましたが)のに音がかなり違う原因はこれかなと思ってます。接着がニカワかどうかはそんなに大きな違いは出ないと思うし。

マーチンは基本的には量産的(一本ずつのトップの微調整はあまりしない)であり、以前911さんが言われていた「ZIPPOのような」よさだと思っていたのですが、オーセンはちょっと系統が違う楽器なのでしょうか?
それとも昔からハイエンドの楽器(45シリーズ等)は入念に音作りしていたのか?
あるいは昔はすべての楽器にこの微調整がなされていたのか?

ここらへんも興味あるポイントです。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.40 )
日時: 2009/08/08 08:25
名前: aya-yu  <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm

YAMAGUCHIさん
視点がさすがだな、と感じています。
答えになっていない部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

一つは、私の手持ちの中で、重厚な低音、芯のある音色、適度なサスティーン、バランスを兼ね備えた鉄弦ギターはと言われると、2000s以降のソモジギターだけのように感じていることです。同じソモジギターでも’90s以前のものは、それほどではないと感じています。手元の’00s以降のソモジは、「そのように」作られているのだと思います。
でも、多分、弱音のレスポンス自体に関しては、カーシャスタイル(要は変形のファンブレイシング)のギターのほうがよいとも感じています。ソモジは小さく弾いてもある程度反応して鳴ってしまうのですが、特に杉田さんカスタムのカーシャスタイルギターは小さく弾くと小さな音が鳴り、大きく弾くとそれに合わせて大きく鳴るのを比較して確認しています。これは、私は放射状にトーンバーの広がるファンブレイシングと網目状のX(或いはラティス)ブレイシングとの音の伝達の特徴の違いのようにも思っています。
一方で手持ちのソモジギターについて、私が最も好んでいるのは必ずしも’00以降のものとは限りません。

また、手元の’30s前後のマーチン(OOO18・OOO28・OOO45)は、Dに比べれば反応は早いと思うものの、遠鳴りを意図したギターとは感じられていません。以前、私の’28sOOO45について「おじいさんにいい音を教わっているような感じがします」と言われたことがありますが、「言い得て妙」といった印象を持っています。小さく弾いてもよく鳴りますが、ダイナミックレンジはやや狭いかもしれません。細かな作りに関しては、歴史的な価値は感じますし製作本数も今に比べて遙かに少ないはずですが、特別に丁寧な作りとも思えないです。そのあたりは「ジッポ的」かもしれませんね。
また、某所で以前弾かせてもらったD18オーセンティックは、私のお気に入りの’83ソモジDと1弦ハイフレットの音の伸び方が非常によく似て、それぞれ大きな音で鳴っていたのですが、どちらも遠鳴りを意図したギターとは感じていません。かわりにどちらもネックが太く硬く重いような気がしています。オーセンティックの仕上げはとても丁寧ですね。

スタイル45の製造過程でのチェック項目が他に比べて格段に多いというのは昔からよく聞く話です。マーチンの製造工程については私より詳しい方が多くいらっしゃるかとも思いますが、D45はD28に比べて硬い板を丁寧に削りこんでいる可能性はあると思います。逆に言えば、D28の音を作るのには、それほど細かな微調整の必要性自体がないのかもしれません。
でも、D28は銘器ですよね。大好きな音です。

おっしゃる通り、個人製作物を中心にレスポンスや遠鳴りを意識したギターは増えつつあると思いますが、鉄弦においてプレイヤーがどこまで求めているのかと、若干ギャップがあるような気もします。実は私自身が「小ホールでのPAなしの鉄弦コンサート」を目指して立ち上げたミニコンサートも、回を重ねるごとにPAの存在が大きくなってきています。その理由は、私にとっては残念ながら(?)、プレイする側も聴く側も、実は既にスピーカーを通した大音量の鉄弦アコースティックの音を求めているからのような気がしています。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.41 )
日時: 2009/08/09 01:34
名前: ビンゴ

YAMAGUCHIさん、こんにちは。
「微調整」に手間暇かけられないマスプロメーカーのギター・・・・
これ、鉄弦フォークギターはマスプロブランドしかなく、個人製作家はいない、
というのが普通のことだったんですよね、もともとは。ところが、マスプロ
メーカーの職人さんにも、すごい人がいて、「ボイシング」だったかな、
1本1本トップやブレーシングをタッピングしながら微調整するノウハウは
あるみたいなんです。寺田製のゼマティスで、シリーズのプロトタイプ(1点製作モノ)
があるショップにありまして、ローズのくせに(笑)140万円ぐらいするからか、
そしてあまりにもださださデザインだからなのか、ほとんど試奏が入らないようですが
あれ、サウンド、すごいです。日本製でこんな音が出来るのか・・・・という
感じのサウンド。ボイシングのたまものだと思っています。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.42 )
日時: 2009/08/10 10:14
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>aya-yu さん

非常に濃い書き込みありがとうございます。
価値ある実感報告ですね。

>D28の音を作るのには、それほど細かな微調整の必要性自体がないのかもしれません

今のレギュラーのD28の音は、私はなかなかのものだと思っています。生産工程も含めた工業製品としての設計が優れていると思います。残念な個体例の報告もあるので、QCはもう一つというところかも知れませんが。

>プレイする側も聴く側も、実は既にスピーカーを通した大音量の鉄弦アコースティックの音を求めているからのような気がしています。

こういう面は確かにあります。CDで聴かれる音はこっちでしょうし。
実際に生のギターを生き生きと聞けるのは、多少残響のある、広めの部屋だと思います。
20万の西野のエレアコが、100万くらいの音に聞こえた経験があります。広い会場や、音の大きい楽器との組み合わせだとどんなに鳴る楽器&腕でも音量が物足りないと思います。上の方で書いたイエペスのコンサートは驚異でしたが、それでも静まりかえった聴衆が耳を澄ませて実現したことですから。

>ビンゴさん

凄いアンテナですね。場所は神田の線路下でしょうか?

>1本1本トップやブレーシングをタッピングしながら微調整するノウハウはあるみたいなんです。

ヤマハでも名人が何人かいるという話はありましたね。(一人はテリーズテリーの人?)
マーチンもオーセンのボディ作ってる人はそんな人なんだと思います。
量産メーカーだとごく限られた機種のみエキスパートの手間がかけられると思うのですが、それがどれなのか?興味あります。

先日ヤマハのAREというのに興味があって「吉川忠英モデル」というのを弾いてみました。おそらく吉川氏本人に渡ったものはエキスパートが調整してると思いますが、私が弾いた個体はなんら特別の印象はありませんでした。

生産量のずっと少ないHEADWAYのOM-CUSTOMなんかは百瀬氏本人が手がけたかどうかはともかく微調整は入っていると思います。かなりバランスよく鳴っており、鳴りだけみれば(HEADWAY初期状態ではそれほどならないと言われているのに)000-18GEに勝ってました。音色の好みはまた別の問題と思いますが。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.43 )
日時: 2009/08/10 11:38
名前: ビンゴ

YAMAGUCHIさん、こんにちは。

aya-yuさんの書き込みは、いつも凄いなって私も思います。客観的だから、本当に
良く解る。ソモギギターの感想については、数少ない私のソモギ体験にもピタッと
私の感じていたことを整理して教えていただいたような気がしました。

ゼマティスは新大久保のあそこにあります。あのゼマティス、ほぼ間違いなく
アンフィニさんのワークレポートに載っているアレだと思います。

ついでに、もう店頭には無いのですが、ブルージーさんにしばらくあった、ホセオリベ作の
鉄弦アコースティックギターが忘れられません。ブレンド感と分離感が絶妙でした。
ネックもクラシック的で弾きやすかった。縁があればお金が無くてもどうにか
やりくり出来て手元に来るんですが、いろいろ心残りなギターが多くて、人生退屈しませんネ!
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.44 )
日時: 2009/08/11 19:29
名前: aya-yu  <aya-yu@mxc.mesh.ne.jp>
参照: http://www5a.biglobe.ne.jp/~aya-yu/index1.htm

YAMAGUCHIさん
>上の方で書いたイエペスのコンサートは驚異でしたが、それでも静まりかえった聴衆が耳を澄ませて実現したことですから。
おっしゃる通り、クラシックは、PAなしのコンサートで聴き手が育ってきた歴史がありますね。鉄弦の場合、ソロが広まる以前にピックアップの技術も既に発展していましたから、状況が異なるのかな、とも思います。それと、私も今のD28系、かなり好きです。かみさんとの本数制限条約のために、以前に友人のところに行ったレギュラーHD28など、未だに後ろ髪を引かれています。

ビンゴさん
こちらこそ、いつも幅広い見識と判断に感心させられながらROMさせて頂いています。
ホセオリベも素晴らしいギターを作りますね。私もブルージーさんにいると心残りだらけになってしまいます。
鉄弦で「利き酒」ならぬ「利き音」をしている自分は、いよいよ普通の方の感覚からはずれてしまった「変人」かな、とも思っていますが・・。

余談ですが、リットームックの「銘器の音」を開いたら、渡辺香津美さんがカオルギターをオーダーした理由が「遠鳴りする鉄弦の依頼」だったというのが目に留まりました。鉄弦の生音にこだわりを持たれるプロの存在はうれしかったりします。勝手なことをいろいろ書きましたが、実はYAMAGUCHIさんが、こうしたスレッドを立てて下さることも同じようにうれしかったりしています。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.45 )
日時: 2009/08/14 16:06
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

>ビンゴさん

本当に世の中にはいいギターがいろいろあるものですね。縁は異なもの、とは言いえ妙で、出会いは不思議なものだと改めて思います。

>aya-yu さん

>カオルギター
石川鷹彦さんもご愛用の楽器ですね。
これもまた興味津々な楽器です。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.46 )
日時: 2014/02/12 09:53
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

久しぶりのこの話題ですが、
このビデオもスゴイ!

Julian Bream Masterclass 1978: Heitor Villa-Lobos 3 Preludes
http://www.youtube.com/watch?v=iAXUzIrukt0

マスタークラスの指導内容も勿論すばらしく参考になりますが、若いギタリストとの比較でジュリアンブリームの音作りのすごさが改めてわかります。
このスレッドでたびたび話題になった「弱音の反応」が素晴らしい。しかしこれは楽器だけでなくタッチもいいんでしょうね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.47 )
日時: 2014/02/23 20:09
名前: ビンゴ

YAMAGUCHIさん、こんにちは。
ジュリアンブリームの演奏ははホント、素晴らしい芸術ですね〜。
良いビデオを知らせていただき、感謝します!ありがとうございます。

この映像は78年とありますので、ブリームのギターは70年代の
ロマニリョスですね。素晴らしいギターです。ブリームのタッチが
もう、神懸っていますね。

一人目の生徒さんは河野を使ってましたね。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.48 )
日時: 2014/02/28 09:28
名前: YAMAGUCHI
参照: http://www.jazz-musician.jp/yamaguchi/

ビンゴさん、コメントありがとうございます。
最初の生徒さんは、すごくよく弾けてるけど、表現がそっけないという感じ。このマスタークラスには最適な方ですね。その後本国で有名な先生になったというコメントがありました。
これを見て私もこの3曲をさらいなおしました。あまりこの通りだとコピーになってしまいますが、表現技法はとても参考になります。
メンテ
Re: 分離とブレンド ( No.49 )
日時: 2014/02/28 23:26
名前: ビンゴ

YAMAGUCHIさん、こんにちは。

この動画はお気に入りユーチューブコレクションに入れて聴いてます。
何が良いって、ブリームさんは「ダダダダ〜!」とか「ブルルヤン!」
とか、口で歌って弾いていますよね。コレが良いんです。
私も曲によっては人間の歌声で歌うことをイメージしてメロディーを
弾くようにしています。ギターの高音部はアルトの女声をイメージしますね。
そう弾くとゆったりと弾くことが出来て、曲が美しく仕上がります。
「弱音の反応」についての議論も興味深く読ませていただきましたが、
感じるところ大です。強い音だけでは表現としては平板な演奏になってしまいますね。
ピアニシモからフォルテシモまでの強弱の対比や組み合わせに音楽美の
秘密があることを実感します。

セゴビアは近くで聴くとそれほど大音量ではなく、それでいて会場の後ろまで
ピアニシモが美しく届いたそうです。
ジョンウイリアムスさんが愛用しているスモールマンは大音量が欲しいからではなく
強くないタッチで(むしろ弱いタッチ?)で音をコントロールしながら出せるギター
として採用しているのかもしれません。そう思う根拠は、ジョンはマイクで音を拾って
スピーカーから流しているからです。クラシックギターの演奏会でも
近ごろはオンマイクのステージが普通に行われるようになってきています。
スモールマンは異様なまでの音量感がありますが、ほとんどの奏者の場合、目いっぱいの
音を出そうとする弾き方です。ところが、ジョンはそれほど強く弾いていません。だから
オンマイクで観客に音を流しているのでしょう。コントロールや音色の美しさを考えてのことと思います。
単なる推測ですが・・・・。わたしはそんな風に感じています。

では、また!
メンテ

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