世界文化遺産 国宝 姫路城
姫路城は今から600年前の元弘3年(1333)播磨の守護職赤松則村が砦を築いたことに始まる。
今日のような規模になったのは、池田輝正が400年ほど前の慶長6年(1601)から8年の歳月を費やして
大規模な城域の拡張をおこなった時からです。
美しい連立式天守閣 5 重 6 階の大天守と 3 つの小天守が渡櫓でつながり、幾重にも重なる屋根、千鳥破風や唐)破風が、
白漆喰総塗籠造の外装と相まって、華やかな構成美をつくっています。
*姫路城は木造なので、防火のため壁だけでなく軒から柱に至るまで、ほとんどの外面を火に強く強固な補強材と言われる白漆喰で塗り固められています。
白漆喰で塗り固められた白壁ゆえ、別名「白鷺城」とも呼ばれています。
その城内は防御線が 3 重の螺旋形になった複雑巧妙なもので要塞としても高い機能性を誇り、江戸城と姫路城にしか類例のない形式です。
400 年の歴史の中で、一度も戦にまみえることなく、近代の戦災に遭うこともなかったために、城全体がよく保存され、内曲輪の城郭
建築がほぼ完全に当時の様式を伝えている点でも全国的に貴重な文化財となっています。
1993年12月、日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
*国 宝 大天守、東小天守、西小天守、乾小天守、イ・ロ・ハ・ニ・の渡櫓(やぐら)の
8 棟
*重要文化財 化粧櫓、ニの櫓、折廻り櫓、備前門、水の一門、水の二門、菱の門、い・ろ・は・にの門、ぬの門など
74 棟
三の丸広場付近
大天守の高さ 姫山(標高 45.6m)、石垣が 14.85m、建物が
31.5m で合計海抜 92m
心柱の大きさ 東西に 2 本、高さ 24.6m、根元直径 95cm、末口 42cm
面積 内曲輪以内の面積は 23ha また外曲輪以内の面積は 233ha
菱の門
三の丸から二の丸へと通じる大手口を固める櫓門です。門全体に安土桃山時代の様式が残されている城内で最も大きな門です。
この門の扉や柱にはけやき材を用い両柱の上の冠木に木彫りの菱の紋のあることから、この名前が付いています。
禅宗寺院などに使われる華灯窓が城郭に使われるのは珍しく、美しさを添えています。
扉の内側には、通路をはさんで西側(左)に門番部屋、東側(右)には馬見所と納屋がありました。桁行 10 間、梁間 4 間。
備前丸
本丸の一郭で、城主池田輝政が住んでいた所。城主・輝政が客と会見する対面所や夫人・督姫の住まう御台所などがありましたが、明治
15 年の火災で焼失。
備前丸の名前は、輝政と督姫の間に生まれた忠継が備前国を与えられましたが、幼いため両親とここに住んでいたためにそう呼ばれたようです。
往時の備前丸には二層櫓が四棟、折廻櫓や長局もあり、本丸の南半分を占めていました。
大天守
天守台の東南隅に位置し、外観は 5 層ですが、内部は地下
1 階・地上 6 階になっており、最上階の大棟両端には阿吽一対の大鯱瓦が飾られています。
ちなみに鯱は頭が虎で背中にトゲのある想像上の獰猛な海魚で、火を防ぐお守りとして棟飾りに使われました。
天守はもともと遠くを見渡すための「望楼」が発達したもので、姫路城の天守の高さも約 30m(海抜約 90m)あります。
この壮大な天守を支えるのは、地階から 6 階の床下までを直径 2m 近い東西 2 本の心柱で、当時としては進んだ工法でした。
西の心柱は昭和の大修理で新材に、東の心柱は地下部分だけ取り替えられましたが、その他は築城当時のまま残されています。
また、姫路城は大天守と 3 つの小天守が渡櫓で連結された連立式天守と呼ばれるもので、大きな特徴となっています。
姫路城の大天守は外観も千鳥破風・大千鳥破風・唐破風が組み合わされ、調和のとれた非常に美しい仕上がりになっています。
東小天守
大天守の北側にあって、外観 3 重、内部は地階をあわせて
4 階となっている。
東西 22 尺 9 寸 (6.9m)、南北 16 尺6 寸 (5m)、三つの小天守のなかで最も小さく、大天守とは「いの渡櫓」によって連結している。
乾小天守
3 小天守の 1 つで、天守台の北西隅(乾の方角)に位置するため、乾小天守と呼ばれます。
3 つの小天守の中では一番大きく、外観は 3層で、内部は地下 1 階・地上 4 階の重厚な造りになっています。
石落とし、武者格子窓などの戦闘構造もさることながら、大入母屋、唐破風造り、火灯窓、天守閣最上階と同じ仕様の明り障子が最上階にはめ込まれていることなど、
準天守扱いの造りになっています。
西小天守
大天守入り口に達した敵を迎え撃つ、最後のポイントとなる場所。
東天守と対になっており、外観・内部とも東小天守と同じ造りで、石落とし、鉄格子窓も備わっています。
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