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御
陣 乗 太 鼓
御陣乗太鼓は輪島市の名舟町に古くから伝わる太鼓で、昭和38年に石川県無形文化財に指定されている。
天正4年(西暦1566年)越後の上杉謙信は、七尾城を攻略して「霜は軍営に満ちて 秋気清し 越山を併せたり
能州の景」と詠じ、その余勢をかって奥能登平定に駒を進めた。
現在の珠洲市三崎町に上陸した上杉勢は、各地を平定し天正5年、破竹の勢いで名舟村へ押し寄せてきた。武器らしいものがない村の人達は、鍬や鎌で打ち向かったがさんざんな負け戦であった。
そのような時、村の古老の指図に従い、樹の皮をもって仮面を作り、海草を頭髪とし、太鼓を打ちならしつつ、上杉勢に逆襲し、戦いを勝利に導いたという。
面をつけることによって、「御陣乗り」と称して今日まで伝えられている。
この戦勝は舳倉島の奥津姫神社の御神威によるものとし、毎年奥津姫神社の大祭(名舟大祭・7月31日夜から8月1日)に仮面を被り、
太鼓を打ち鳴らしながら、御輿渡御の先駆をつとめ、氏神への感謝を捧げる習わしとなって現在に至っている。
始めはゆっくり、次にやや早く、最後はもっと早く、即ち序・破・急の三段で打ち切り、
各自が自由な形で見えを切り、面に応じ、個性を生かした芸を入れるのが御陣乗太鼓見どころであり、聞きどころである。
愛地球博のオープニングでも披露されたが、保存会は数々の海外公演もこなしており、4月28日には米国ニューヨーク市のカーネギーホールで
在米邦人の社交団体「日本クラブ」の創立百周年記念式典で演奏した。
この太鼓は観光客のために、4月中旬から11月中旬までの間、輪島駅ふらっと訪夢前で無料で演じられます。