西山火口散策路

有珠山は、北海道、洞爺湖の南に位置する標高 737m の活火山で、山頂は壮瞥町にあり、山体は洞爺湖町・伊達市にまたがっている。
過去 100 年間に 4 度の噴火活動が観測された日本でも特に活発な活火山である。

二重式火山で、直径約 1.8km の外輪山の中に大有珠、小有珠、オガリ山、有珠新山などの溶岩円頂丘群が形成されている。
また山麓にも昭和新山や金比羅山、明治新山などの円頂丘群を有している。

最近の噴火は、2000 年 3 月 31 日午後 1 時 7 分、西山山麓からのマグマ水蒸気爆発で、噴煙は火口上 3500m に達し、
周辺に噴石放出、北東側に降灰した。翌日には西山西麓、また温泉街に近い金比羅山でも新火口が開いた。

今回噴火の特徴は、所謂山頂噴火ではなく旧国道 230 号線上で起こったことと、噴火前に緊急火山情報が発令され危険区域に住む約
1 万人が避難し人的な被害を回避できたことにある。

「有珠山のホームドクター」と呼ばれ、1977 年噴火以来 23 年間、この山を診断してきた北海道大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター岡田弘教授は、
記者会見を開き 「2、3 日から 1、2 週間で爆発的噴火の可能性がある」 との見解を発表したが、噴火予知連内での専門家の意見は大きく分かれた。

最終的に、噴火前の 3 月 29 日、気象庁から緊急火山情報が発令され、壮瞥町・虻田町・伊達市の周辺 3 市町の 1 万人余りが避難を実施した。
通常、緊急火山情報は人命に関わるような噴火が発生したことを知らせるもの
で、噴火前にこれが発表されたのは初めての例である。

西山火口散策路

2000 年に噴火した西山火口付近に設定された散策路で、枕木を敷き詰めており、子供から年配の来訪客まで容易にアクセスできる。
ちなみにその枕木は鉄道のレールの下に敷かれていた枕木である。
展望台からは水蒸気が立ち上る様子や噴火により破壊された建物、隆起により寸断され水没した道路(国道 230号)などを見学できる。
以前は駐車料金 300 円を徴収していたが、2005 年から土産物屋の利用を呼びかける形で無料となっている。

入り口付近

散策路入り口(徒歩片道約1q)

国道230号の災害状況説明板

西山火口沼の説明板

沢の下流が約70m隆起して堰きとめられてできた西山火口沼
国道230号が水没している

噴火時に乗り捨てられたレンタカー

虻田町火山資料展示室(旧西胆振消防組合本部)

まくら木ロード

無残に変わり果てた電柱

散策路(まくら木ロード) 

硫黄の臭いと足下から熱気

破壊された町道(下り坂が上り坂となった)

説明板

元は平らだった段々畑の町道(断層)

第1展望台

i今も蒸気をあげる噴火口と倒壊した工場の煙突

西山火口

水をたたえる噴火口

第2展望台

地殻変動を関知するGPS火山探知機 をバックに

第2展望台で記念写真撮影

虻田町と噴火湾方面

噴火口と地殻変動地帯

地殻変動と噴石で破壊された民家
名菓子「わかさいも」を製造していた泉工場