旧造幣寮貨幣鋳造所玄関

 所在地:大阪市北区天満橋
 竣 工:明治3年
 設 計:ウォートルス

 明治元年、大阪に造幣工場を造るために、香港造幣局の設計監督を担当したT.J.ウォートルスがT.B.グラバーの推薦により招かれました。
 イギリスに発注していた鉄柱の納期が大幅に遅れたため、かつてウォートルスが設計監督した香港造幣局で鉄柱を購入したり、工事途中に火災が発生するなどの障害がありましたが、明治3年11月に竣工し、明治4年4月4日に無事創業式が挙げられました。
 創業時の貨幣鋳造所は老朽化のため昭和3年に解体されましたが、多くの要望により玄関部だけは復元を前提とした解体を行い、その石材は保存されました。
 昭和10年、明治天皇聖徳記念館を建設するときに、その玄関部は復元されました。後に桜宮公会堂となり、桜宮ユースアートギャラリーとなって今に至ります。


泉布観

 竣 工:明治3年
 設 計:ウォートルス

 泉布観(せんぷかん)は造幣寮の応接所として建てられたもので、煉瓦造でありながら日本の気候を考えた設計になっています。明治5年に明治天皇によって、貨幣を意味する「泉布」から泉布観と名付けられました。
 昭和31年に旧造幣寮貨幣鋳造所玄関と共に国指定重要文化財に指定されました。


 敷地の国道1号線側には廃虚化した倉庫があります。可燃物保管庫といった感じで、なぜか煉瓦がフランス積みなのです。朽ち方からすると創業時のものかと思えますが、このような小物は資料がないので確認できませんでした。
 OBP側にも煉瓦の倉庫があって、こちらはイギリス積みできれいです。コンクリートも使われていますので、もっと新しい時代のものかもしれません。
 煉瓦塀も年期が入っていて見応えあります。煉瓦の目地のすき間から枝を伸ばし成長し、煉瓦塀にヒビを入れる樹の生命力も感じることが出来ます。

 国道1号線の向こう側には桜の名所で有名な「造幣局通り抜け」や造幣局旧火力発電所(造幣博物館)があります。詳しくは大蔵省造幣局ホームページを見て下さい。

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