東山配水場 給水塔

 所在地:名古屋市千種区田代町
 竣 工:昭和5年3月
 設 計:成瀬薫(元長崎市助役)

 覚王山一帯の高台に自然流下によって給水を始めたこの塔は、頂部に円筒形のタンクがある普通の給水塔でした。昭和48年2月に、その43年間に及ぶ仕事を終え、昭和54年3月に常時300立方m(10万人の1日分)を蓄える災害対策用の応急給水施設に生まれ変わりました。このトンガリ屋根の展望台は昭和58年6月に設けられ、昭和60年「近代水道百選」に選ばれました。
 毎年、春分の日、6月第1日曜日(水道週間)、8月1日(水の日)は公開日で、展望台に上ることが出来ます。展望台からは旧昭和塾堂が同じ目の高さで見られ(高層住宅に隠れて塔屋しか見えませんが ^^;)、天満通り向こうにある第一軍戦死者記念碑を見おろすことが出来ます。
 塔の内部は小規模ながら資料館になっていて、名古屋の近代水道の歴史を窺い知ることができます。


東山配水場 計量室

 竣 工:大正3年3月
 設 計:不詳

 給水塔の西側には量水器が納められたこの立派な煉瓦造りの計量室があり、入口の上部に美しい装飾が施されたアーチを見せています。側面の窓には、鍋屋上野浄水場の第一ポンプ所と似た意匠が見られますので、設計者は同じかも知れません。

 給水塔の南側には、この煉瓦造りのかわいらしい塔があります。多分、地下配水池への出入口だと思いますが、片山東熊設計の赤坂離宮正門哨舎を彷彿とさせる意匠の凝り方から見て、これも鍋屋上野浄水場の第一ポンプ所の設計者と同じかも知れません。
 給水塔と一緒に写っている出入口は北側にあるもので、トンガリ屋根の意匠の統一が見られますので、昭和58年以降に改築されたと思われます。
←2018年8月追記:敷地外に第2号配水池の「水位計建屋」として同じ形の建屋が展示されています(2014年解体、2015年のストリートビューで、この地に写っている)ので、これも水位計建屋かもしれません。

 公開日には記念品がもらえます(^^)。水の缶詰は水道の水を詰めただけなので、名古屋市民にはありがたみが薄いかも知れませんが、証拠品としてはインパクトがあります。因みに私が平成5年にもらった缶詰は既に賞味期限が切れ、完全にコレクションと化しています(^^;)。平成8年にもらった缶詰はデザインが変わって「大治浄水場通水開始50周年」と書かれています。


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