鳥居松沈殿池

 所在地:愛知県春日井市上八田町(調圧水槽は現存せず)
 竣 工:大正2年(調圧水槽は昭和8年)
 設 計:不明

 木曽川の犬山取水場(大正3年3月竣工)から鍋屋上野浄水場まで原水を導水する過程で、この鳥居松沈殿池にて不純物を沈殿させます。この塔は鍋屋上野まで送水するポンプを昭和8年に設置した際に、その圧力を調整する水槽を保護するものでしたが、現在は稼働していません。

 鳥居松沈殿池や鍋屋上野の緩速濾過池を見ていると、時間をかけて自然の力で水がおいしくなっていく様が目に浮かぶようです。工場のような建物の中で、薬品(硫酸バンドという名前もマイナスイメージ^^;)を使った急速凝固、沈殿、濾過をするのも時代の流れでしかたがないことですが、大都市の水道の中では随一と言われた名古屋のおいしい水を守っていってほしいと願っています。

 この塔が壊されるという噂を聞いたものの、先月、国道19号を走ったときに見かけて安心していたのですが、今日('98年6月27日)残ったフィルムを使い切ろうとカメラ持って行ったら、既に残骸もない状態でした(;.;)。金網フェンスには特設掲示板が設置されていて、近所の子供が描いたと思われる塔の絵がたくさん貼ってありました。
 現在では災害時の応急給水栓を兼ねたモニュメントが建っています(1/4に縮小・復元)。


お詫び「硫酸礬土(バンド)」という薬品名のイメージは良くありませんが、豆腐などに古くからから使われている凝固剤と似たようなものです。

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