所在地:東京都東大和市多摩湖
竣 工:大正15年3月(一号塔)
設 計:
大正3年、神田上水では人口の増加した東京への給水が間に合わず、当時の東村山村、大和村に貯水池を造るため、測量を開始しました。大正5年5月に着工しましたが、大正12年9月の関東大震災により工事は中断、間もなく工事は再開し、昭和2年3月に完成しました。
貯水池総面積330万平方m、満水面積14万6千平方m、有効貯水量は上貯水池が298万3千立方m、下貯水池が1084万3千立方mもの巨大な物でしたが、当時の東京の上水事情はまだ逼迫していて、この時点で山口貯水池の建設が予定されていて、さらに小河内貯水池の建設も計画することになりました。
玉川上水の始点でもある羽村取水堰から地下導水管により原水を導き、村山貯水池にいったん貯留し、東村山、境、朝霞の各浄水場に送水しています。
取水塔は2基あり、同じデザインであるため、同年代に建設されたと思われがちですが、手前にある一号塔が大正15年3月24日完成で、奥にある二号塔が昭和48年2月完成であり、半世紀近くもの隔たりがあります。昭和60年、山口貯水池と共に「近代水道百選」に選ばれました(下の写真は余水吐=堰堤から溢れないようにここから放水する)。
村山下貯水池も上貯水池と同様に多摩湖と呼ばれ、ジョギング、犬の散歩、桜の季節には花見などに利用され、親しまれています。私が望遠鏡にカメラを付けて取水塔の細部の撮影をしていたら、バードウォッチャー夫婦の奥さんが鳥の本を持って話しかけてきました。「むくどり見ませんでしたか? ここ毎年来ていたんですけど今年は見つからないんですよ。」「鳥のことはよくわからないんですよ。」と答えると、怪訝な表情で去っていきました(^^;)。
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