旧清水町浄水場
(水道公園配水塔、源井上屋)

 所在地:富山県高岡市清水町
 竣 工:昭和6年6月
 設 計:横尾弘貞

 昭和3年12月、清水町の地下水を水源とする浄水場の建設を始めましました。昭和4年4月には配水塔建設に着工し、昭和6年6月に急速濾過室、送水ポンプ室、配水池など全てが完成しました。
 北陸本線の車窓からも良く見える配水塔は高さ29.5mで、直径9.29mの鉄筋コンクリート4階の上に直径11.3mの貯水槽部があり、昭和3年当時の給水人口8万人の1時間分の水量である355立方メートルの容量があります。
 貯水槽部には銅板を貼り、鉄筋コンクリートの架構を露出させる重厚感と、塔頂部には望楼とも見える空気抜きをのせ、内部の螺旋階段に合わせてアーチ窓を配置する美しさが見られます。入口の上には当時の首相・犬養毅が揮毫した「恵澤萬年」の巨大な扁額がかかり、当時の水道布設に対する意気込みが感じられます。
 煉瓦造りの第三号源井上屋はこの場所で地下水を汲み上げると共に、第一号、二号源井から送水される原水の着水井も兼ねていました。
 昭和33年3月、佐野の地下水を水源とする取水場が建設されるに伴って清水町浄水場は廃止され、昭和49年には公園として整備され、平成5年には配水塔1階が資料館となり市民に親しまれています。急速濾過室のあった場所には福祉センターが建ち、配水池は応急給水設備として生まれ変わり役立っています。
 昭和60年に近代水道百選に選ばれ、平成8年には登録文化財に選定されました。

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