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第15回(平成10年12月11日)
香港国際レース情報 Part.1
 12/11 1998.

新聞での人気と主要出走馬のプロフィール

須田鷹雄から
「各馬の新聞での人気とプロフィールは枠順確定前に書いたものです。明日夜、情報を追加します」
「香港を含めて海外競馬については知ったかぶって書いておりますので、多少の間違いは見逃して下さい」
「JIS第2水準までで出ない漢字は、略字か近い漢字で代用しています」

●香港国際ヴァーズ

まずは、日本馬が出走していない(ローゼンカバリーが回避)香港国際ヴァース・国際G2・芝2400mの状況から。

専門誌3誌の本誌予想

老温(Lowan's)
原居民 (インディジェナス)
西単路 (カイタノ)
大班 (タイパン)

幸運(Lucky)
愛的果実 (フルーツオブラブ)
原居民 (インディジェナス)
萬事勝 (マルチスター)

賽馬勝経
萬事勝 (マルチスター)
大班 (タイパン)
原居民 (インディジェナス)

ダグラス・ホワイト騎手(今年の安田記念でオリエンタルエクスプレスに騎乗し2着)が騎乗するインディジェナスは、地元香港の6歳セン馬で、これまでの成績は21戦10勝。香港ゴールドカップ・シャティントロフィーなどに優勝している、中長距離の香港ナンバーワンホース。前走はマイル戦で追い上げ届かず4着と敗れたが、それ以前は4連勝で、ここで人気になるのも頷けるところ。
 同じ地元馬でも賽馬勝経が本命に推したマルチスター(マイケル・キネーン騎乗、6歳セン)は前走鮮やかな追い込み勝ちを決めているものの、重賞レベルとなると大敗も多く、展開がよほど上手くはまらないと苦しいのでは。インディジェナスとの直接対決でも分が悪いし、この距離も1戦1敗と実績がない。
 カイタノは前走ジャパンカップと同じようにオリビエ・ペリエが騎乗。その他、来日経験のある馬ではストラテジックチョイスとウンガロが出走している。登録段階ではこのレース2連覇中のルソーも出走予定だったが、回避した。
 タイパン(7歳牡)はイギリス代表のラストタイクーン産駒で、24戦9勝。G1ヨーロッパ賞、G1ローマ賞(2回)に優勝経験がある。2連勝中でもあり、実績・勢いともに買える。鞍上はパット・エデリー騎手。
 フルーツオブラブは12戦2勝の4歳牡馬で、イギリス代表。父はハンセル。7月にプリンスオブウェールズSを勝ったが、その後勝ち星なし。若い馬で上がり目は期待できるが、このメンバーでどこまでやれるかというところ。距離は合う。鞍上はランフランコ・デットーリで、人気になるとしたら騎手の影響か。



●香港国際ボウル

日本から出走のロイヤルスズカは漢字名が「皇家鈴鹿」となり、馬番は11番に決まった(ゲート番号は別・追って報告)。外国馬にG1ホースが4頭いるメンバー構成で人気にはならないが、専門誌・紙によっては▲〜△の評価をしている。沙田競馬場は直線が長いので、じっくり末脚を伸ばせば入着以上の成績を残すことも可能だろう。

専門誌3誌の本誌予想

老温(Lowan's)
圓利多 (トレド)
得奨英雄 (デコレーテッドヒーロー)
必勝湾 (ベジールベイ)

幸運(Lucky)
跳舞遊行 (ダンスパレード)
得奨英雄 (デコレーテッドヒーロー)
皇家鈴鹿 (ロイヤルスズカ)

賽馬勝経
圓利多 (トレド)
必勝湾 (ベジールベイ)
難尾酒 (ジムアンドトニック)

外国馬の粒が揃った上に地元馬にこれといった存在がおらず、ここは外国馬どうしの争いとなりそう。
 トレド(6歳牡)はオーストラリアのG1ホースで、23戦6勝。通算の勝率はさほどでもないが、ここへ来て3連勝と勢いに乗っている。地元ではもう少し短めの距離を中心に出走しているようだが、3走前には1400mでも勝っており、今回の距離でも心配はないだろう。鞍上はパトリック・ペイン騎手。
 ベジールベイ(6歳セン)もオーストラリアのG1ホースで、通算18戦10勝。勝率の高さもさることながら、1400mがベストの距離というのが心強い。鞍上はジム・キャシディ。
 イギリス代表のデコレーテッドヒーロー(7歳牡)は32戦14勝の実力馬で、G1勝ちこそないがブリーダーズC3着の実績がある。すでに7歳だが、前走チャレンジS(G2)を勝って勢いに乗っており、今回も同じ1400mで期待大。鞍上はオリビエ・ペリエ。
 ダンスパレード(5歳牝)はこのレース唯一のアメリカ調教馬。日本でもおなじみのゴーンウエスト産駒で、11戦7勝。鞍上にゲーリー・スティーヴンスを配し、牝馬ながら遠征してきた点に意気込みが感じられる。1400mでの実績はないが、今年に入って1300mと1600mで勝っているから大丈夫だろう。
 ジムアンドトニック(5歳牡)はフランス代表。モーリスドギース賞でシーキングザパールの2着した馬。通算成績は18戦7勝だが、2着も6回あり安定味のあるレースぶりには好感が持てる。鞍上はジェラルド・モッセ。



●香港国際カップ

国際レース3レースの最後を飾るのは、かつてフジヤマケンザンが優勝した香港国際カップ。いまでも沙田1800mのレコードは当時出した1分47秒0である。
 今回日本から出走のミッドナイトベットは漢字名が「午夜博彩」となり、馬番10番(ゲート番号は別)となった。希にシルシのついている新聞もあるようだが、ロイヤルスズカよりはだいぶん低い評価のようである。ここ2走がともに大敗であることが影響しているのかもしれないが、地元の評価ほどチャンスが無いというものでもないように思う。

専門誌3誌の本誌予想

老温(Lowan's)
大官僚 (タイクーンリル)
奔騰 (オリエンタルエクスプレス)
告魯夫 (ヨハンクライフ)

幸運(Lucky)
政治家 (ステーツマンシップ)
*哲倫 (マジェラン)
告魯夫 (ヨハンクライフ)

賽馬勝経
藝之道 (アルタン)
來定得 (ノーザンドレーク)
奔騰 (オリエンタルエクスプレス)

前売り開始以前の段階で書いているのでなんとも言えないが、地元3割増の法則からいけばオリエンタルエクスプレスとヨハンクライフが人気になりそうだ。
 ご存じオリエンタルエクスプレスは帰国後も手堅い競走を続け、前走久々に3着したものの、それ以外は連対をキープ。その前走も勝ち馬から4分の3馬身差だし、連軸としては頼りになりそうな馬である。好位につける脚もあるし、大崩れはないだろう。今回の鞍上は現在香港リーディングのセイント・マーティン。
 ヨハンクライフも安定した成績をあげており、オリエンタルエクスプレスとは先着したりされたり。ここ2走惜敗を続けたがいずれも1600m以下のレースで、距離伸びる今回の方がいいはず。
 タイクーンリル(5歳牝)は昨シーズンのニュージーランド年度代表馬。その名から分かるようにラストタイクーン産駒である。19戦して4着以下がないとい堅実したレースぶりで、今秋は2、3着が多かったものの前走を勝って勢いをつけてきた。鞍上はシェーン・ダイ。
 ステーツマンシップ(5歳牡)は通算18戦8勝のシルヴァーデピュティ産駒。G2ウィザーズS勝ちが最高の良績である。成績のインパクトはさほどでないが、距離の適性はあるようだ。ずっとホセ・サントスが騎乗していたが、今回はキャッシュ・アスムッセンを鞍上に迎える。
 マジェラン(6歳牡・最初の一文字はどうしてもワープロソフトで出ない)は24戦6勝で主な勝ち鞍はG2アメリカンH。そのアメリカンHを勝ってからはぼちぼちの競馬が続いているが、距離はベスト。鞍上はゲーリー・スティーブンス。
 アルタン(7歳牡)はドイツ代表で、昨年5月に共和国大統領賞G1を勝っている。通算成績は24戦9勝。鞍上はマイケル・キネーン。
 ノーザンドレーク(5歳牡)はオーストラリア代表で、16戦5勝。G1勝ちはないがコックスプレートで2着している。前5走に15着と8着という大きい数字があるが、着差は1秒以内なので大丈夫だろう。



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