◎メタハラ
  爬虫類ライトが昼行性爬虫類の飼育にもたらした恩恵は計り知れないものが
あると思います。しかし、やはり日光には及びません。
  日本の日光は棲息地より弱いでしょうし、熱帯種にとっては季節変動し、
弱くなるのも不満でしょう。それでも、日光浴はとても喜びます。確保できれば、
ある意味無料といえる結構ずくめの日光ですが、確保がままならないので
困ります。

  「では照明器具で」と話はなるのですが、今は爬虫類ライトです。
  そこで爬虫類ライトに何が足りないか考えた時に、一つは絶対的な光量不足で
あり、熱です。
  熱はバスキングライトなどで補えますが、できれば、他の波長と
いっしょに自然な形で与えたいというのが人情。

  そこで、今、一番イメージに近い照明器具がメタルハライドランプ(以下
メタハラ)だと思います。光量は太陽には届かないものの、爬虫類ライトより
ずっと良い感じです。
  体育館の照明に使われるでかい電球=水銀電球の仲間ですね。体育館のあの
高さから照らしても明るいですよね。あれは形は電球ですが、放電を利用する
蛍光燈の親戚ですね。水銀電球は明るいだけですが、メタハラは更に
幅広い波長を出すように工夫してあります。水銀電球を普通の蛍光燈だとすると
メタハラはフルスペクルライトに当たるという訳です。
  ただし、飼育用のメタハラは電球タイプより平らなタイプが多いです。

  メタハラは今は主に海水水槽、特に珊瑚水槽用に売られています。
いろいろな製品も出始め、低価格化してますが、一方で特性が珊瑚水槽用に
特化してきており、爬虫類飼育には不向きな面も出てきました。
  ひとつは紫外線をカットしようという動きで、もう一つは色温度を
高くしようという動きです。紫外線は水中では届かず、水中を通ると
色温度の低い色もカットされ、色温度は上がるという理屈ですね。
  爬虫類ライトは蛍光燈では色温度が高目の5500K程度ですが、
メタハラはこれが最低線で、中には20000Kなどという製品も
あります。
  海水水槽向け製品の広告では色温度の高さを競っているような印象が
あるので、高い程高性能というイメージを抱きやすいですが、
色温度は言わば絵の具のように色の混ぜ具合なので、高いから
いいのではなく、爬虫類向けには地上の昼行に近い方が良いです。

  価格も高いです。10万円以上が普通でしたが、6−7万円の
低価格なものも出始めました。
  珊瑚水槽はそもそも高価(生体込みで100万円くらいらしい)なので、
10万円でもいいのでしょうが、爬虫類用にはもう少し、低価格であって
欲しいです。



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