◎成長とヨウ素
  ホシガメたちがあまり成長しませんでした。しかしヨウ素を与えたところ成長が
促進されました。まず下のグラフをご覧ください。
ホシガメ成長グラフ

  このグラフの見方ですが、縦軸は甲長で単位はcmです。甲長は実測の甲羅の長さ
ですが、厳密のは体の左右中心の喉甲板(腹甲)から臀甲板(背甲)までの長さです。
理想甲長というのは体重を理想(標準)的な甲長に変換したものです。具体的には
体重(g)を係数0.23で割ったものの3乗根で、単位はやはりcmです。

  グラフから甲長の伸びを見ると2頭とも99年4月までほとんど伸びていません。
  何故成長しないのか不思議でしたが、ヨウ素の不足ではないかと思い、テトラ社の
熱帯魚用の栄養剤バイタルを餌にかけました。バイタルは成長促進という事でヨウ素と
その他のミネラル類(具体的には不明)からなる栄養剤です。これを3月下旬から
7月一杯まで与え、特に5月、6月は毎日与えていた時期もありました。すると
グラフでも分かるように4月から2頭とも甲長が伸びました。
  グラフを見るとエレガンスはバイタルの使用を止めた8月から甲長の伸びが
止まっています。亀吉と違い季節、気温変動にはより伸びない時期があるような
事はないようです。こうしてグラフにして見ると効果は明らかですが、ステラの方は
バイタルの使用を止めても引き続き伸びていたので、バイタルの効果には気付きま
せんでした。それで使用を止めて、それ以後ほとんど使っていません。
  エレガンスは甲長の伸びが止まった後に体重が徐々に減少して行き、
ついには2000年5月に死亡しました。

  この結果からヨウ素の不足から成長阻害の原因だったと言えそうですが、
結論づけるは早計でしょう。
  少なくとも以下のような点には注意が必要です。
  ・エレガンスと異なり、ステラはヨウ素を与えなくなっても成長が続いた。
  ・ヨウ素の過剰摂取による弊害があるかも知れない。
  ・エレガンスはヨウ素摂取以前は微少ながら成長していたが、摂取を
    中止するとむしろ甲長が縮まる傾向になった。
  
  参考までに亀吉(ホルス)の成長グラフを掲載します。なお、亀吉にはほとんど
バイタルは与えていません。
亀吉成長グラフ
  亀吉のグラフに対する注意は以下の通りです。
  ・ホシガメたちと比べる時、縦軸がずっと長い事に注意して下さい。亀吉の方が
    ずっと早く成長しています。
  ・体重測定に使っていた1Kg計りが限界に来ていた事に気づかなかったので、
    理想甲長の16cm程度で測定限界になっていました。この部分は不正確です。
  ・理想甲長が下回っていますが、これは本来背甲長で表わすところが
    実際には腹甲も含んで計っているため、甲長が長くなっているためだと
    思われます。現在では腹甲の喉甲板が背甲より見た目で2cm程度張り出して
    います。
  

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