◎ビタミンA,Dの過剰
  ビタミンは不可欠な栄養ですが、脂溶性のビタミンは取り過ぎると過剰症を
起こす事が知られています。ビタミンB類やビタミンCなど水溶性つまり水に
溶けるタイプのビタミンは過剰摂取しても尿から排出されますが、
脂溶性のビタミンつまりビタミンA,ビタミンD類、ビタミンEなどは
この仕組みが効かないようです。ただし、ビタミンEは過剰症は
知られていません。
  さらにはリクガメは草食性であり、脂肪類は食べ物に少なく貴重です。
そこで、少ない脂肪を生かすため、身体にため込む仕組みになっていると
私は考えます。すると脂溶性のビタミンもますます過剰が恐いと思います。

  さて本題ですが、リクガメに不足しがちなビタミンA,ビタミンD3にも
過剰症はあります。しかも過剰症が恐いのは見かけ欠乏症と似た症状に
なるらしいのです。しかもどちらも、特に幼体時には不足しやすい
ビタミンなので厄介です。

  ビタミンAは欠乏すると目が腫れたり、赤く皮膚が剥けたりするようですが、
過剰でも同じような症状らしいです。したがって、最初は欠乏でもビタミン剤を
与えつづけると何時の間にか過剰になって、同じ症状が出るのかも知れません。
  ビタミンD3はもう少し急性度合いが少ないでしょうが、過剰症は食欲不振等も
招くようです。ビタミンD3入りのカルシウム剤などを毎日など高い頻度で
与えていると自然に過剰症なっているかも知れません。

  過剰症を起こさない少なくとも起こしにくい与え方は、次の通りです。
  ビタミンAは水溶性の前駆体であるベータカロチンなどで与え、体内で
必要量変換させれば良いという事です。野菜はむしろベータカロチンが
多いので、野菜からビタミンAを摂り、ビタミン剤に頼らない方が良いです。
  また、ビタミンD3は中波紫外線UVBを浴びる事により、体内合成させましょう。
なおビタミンD3を含む、植物系の餌はないので、餌からは取れません。
椎茸などのビタミンD2は爬虫類には良くて無効、悪ければ有害ではないかと
言われます。ドックフードを与えてはいけないのは、ドックフードには
このビタミンD2が多く含まれるので、この過剰摂取がいけないとの説も
あるようです。


前へ 次へ 戻る