3月20日、モモの墓参りから帰ってくると、どこからともなく鈴の音が。一匹のキジトラ子猫が庭先をうろついているではありませんか。金の鈴をつけた派手な首輪をしているので、『どこかの飼い猫で放っておけば家に帰るだろう』と思い、すり寄ってきたのを無視して家に入りました。しかし一時間経っても二時間経っても玄関先でミャーミャーかぼそい声で鳴いて動こうとしません。近所で聞いても誰も知らないと言うし、まだ小さく首輪もしてるので飼い主捜しをすることにしました。写真入りビラをスーパーマーケットや獣医さんの掲示板や電柱にも貼りましたが、二ヶ月で一度しか問い合わせの電話がなく、それも猫違いと分かりました。その間、シャンプーし、獣医さんで健康診断をしたところ、何と小柄ながら既に六ヶ月くらいだと判明。三ヶ月位だと思っていたわたしは少しショックでした。『それにしては立派な歯をしてる』と思ってはいたんですけどね。

いたずらっ子パフィー キジトラ子猫はパフィーと名づけられ、結局我が家の子になりました。パフィーは家の中に入れた後毎日寝てばかりいて『おとなしい子で良かった』と胸をなでおろしたわたし。メグの時の経験が少しも身についていなかったことに気がつくまで時間はかかりませんでした。一週間後のパフィーは超元気、超タフ、超ワイルド、超筋肉猫、『本当に女の子?』といつも聞いてしまうほどの超スタミナ娘に変身していたのです。パフィーの好きな遊びは銀紙ボール投げです。見失わない限りいつまでも銀紙でサッカーしたり放り投げては追いかけたり一人で遊んでいます。面白いのは空の浴槽に銀紙ボールを持ち込みスカッシュをして遊ぶこと。そして、またまたメグの時と同じ経験をすることになりました。発情期です。

メグも拾ってすぐ、夜も寝ずトコトコトコトコ走り回り窓の側に行っては『こんな可愛い顔して』とあきれる程ドスの効いた野獣のような叫び声をあげていました。メグの時はモモと暮らしたペット禁止アパートにまだ住んでいたので、近所に聞こえないかハラハラしながら窓を全部締め切り、次の朝慌てて獣医さんに駆け込んだものでした。今度は実家(一戸建て)に戻っていたので落ち着いて対処できましたが、隣のおばさんから『うるさかったねぇ』と苦情をいただきました。

手術をしてからも超ワイルドな性格は相変わらずです。抱かれるのが大嫌いで、下手に抱くと怒って噛みつく始末。本当に誰かに飼われていたのかしら。誰かが気まぐれに首輪をつけただけじゃないのかな。のどゴロゴロもスリスリもしないんですから。メグも抱かれるのもキスもシャンプーも大嫌いですが、五年間の愛の日々の結果、少しの間なら気持ち良さそうにしてくれます。スリスリはとても上手。ミャーンと甘ったるい声で頭をこすりつけます。最近はお風呂から上がり鏡に向かっていると、炬燵から出てきて膝に上り、わたしの顔をウットリ見上げてのどを鳴らすのです。何度、メグが人間の男だったらと思ったことでしょう(爆)

さて、メグとパフィーの関係は・・・・?

最悪です。一年経った現在もパフィーの側を通る時メグは「シャーッ」と威嚇し、パフィーに待ち伏せられてはギャーギャー怒鳴りながら追いかけられるのです。わたしとの追いかけっこは好きなのにパフィーは嫌なのです。メグだけの生活が長すぎたみたいですね。今更他の猫とは仲間になりたくないみたい。パフィーの野生的な性格も恐いみたいです。実はわたしもパフィーが怒ると恐い。

寝顔もちょっと恐い?パフィー

それでも時々退屈が過ぎると二匹で遊び出します。パフィーがベッドの下にもぐって頭を出すところを上で待っていたメグが手でバシバシたたく「タヌキたたきゲーム」が主なメニューです。パフィーってキジトラ模様だし、顔は可愛いけどカギしっぽで卵形でずんぐりむっくりの尻デカ体型。うずくまっているのを上から見るとまるで子だぬきなのです。反対にメグは四キロ弱の小柄な体ですが、小顔で均整がとれていて、シッポは長く、三色の毛並みは艶々と輝き、しゃなりしゃなりと歩く姿には惚れ惚れするほど。でもパフィーにも可愛いところはあるんですよ。会社から帰ってくるわたしを一番に出迎えてくれるのは彼女なのです。ドアを開けると玄関マットの上にちょこなんと座ったパフィーがつぶらな瞳で「お帰り」と見上げます。それからわたしたちは鼻と鼻をくっつける猫式あいさつを交わすのです。どんなに噛みつかれても手が傷だらけになっても、ドアを開けた時に見るつぶらな瞳ですべてチャラになります。

二匹が仲良くなる日は来るのでしょうか。『来ないだろうな』と思いながらも、いつか二匹のツーショット写真を撮る夢を捨て切れないわたしです。

Kellyさん、今回も貴重な体験談をどうもありがとう!!
外出自由猫の問題、先住猫と新入り猫の問題など、いろいろ考えさせられました。パフィーとメグのツーショットいつか撮れたら良いですね♪

パフィーの写真は『旅猫写真館』第1回でも紹介しています。Kellyさんを夢中にさせるつぶらな瞳をぜひご覧ください。

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