<私の猫へ送るメッセージ>

ちょっと長いんだけれども、がまんして最後まで読んでみて下さい。
僕が、トーチャンとカーチャンとどうして一緒に暮らすようになったのか?…とか、色々書いてあるんだ。
なんていっても、90年度(古いな〜)猫手大賞、受賞作だもんネ!トーチャンもがんばって書いたけれど、
やっぱりモデルが良かったんだよネ!

1ページ目

    昨夜から天気が崩れはじめ、案の定朝目が覚めると外は雨。 成功する事だけを祈って、仔猫を獣医さんに預けてきたので
久しぶりの連休だというのに、ついていないものです。 した。
「あー、ヤダ、ヤダ」布団を頭からかぶり、またウトウトして     夏になって私は友人に相談を受けました。かくかく、しかじ
いると布団からとび出た足にうちの息子がじゃれ始めました。 か…。なんとか手術はうまくいき、体力も回復して元気になっ
「コラッ、イタイッ!」思わず足を引っ込めますが、どうやら たのですが、残念ながら右目だけは眼球を摘出したのです。
それがまた彼にとってはおもしろいらしくて。毎朝の事ですが 左目も少し光の反応が鈍いけれども、物は見えているらしい
休みの日ぐらいは勘弁してくれと思います。 とか。「顔は美形でかわいいんだけれどなぁー。誰か猫を飼
「オイッ、たのむからゆっくり寝かせてくれヨ。イタイッ!」 ってくれる人いないかなぁー。ミケ猫なんだけれど、片目にな
    ああ、この梅雨空にこの猫。最悪……。 っちゃったからなぁ。好きこのんで片目のを飼ってくれる人は
    雨の音を聞きながらフト彼が私の友人に拾われた時の話を思 なかなかいないよなー。」
い出しました。ちょうど昨年の今頃の話です。梅雨の雨の中を     2ケ月ほど入院したあと、友人が引き取って飼おうとしたの
友人が傘をさして歩いていると、向こうの駐車場の隅に猫の様 ですが、どうも今飼っている猫と相性が合わない様なのです
なネズミの様な、雨に震える猫の背中が目に入ったらしいので 。体力を取り戻し、元気に遊び回る仔猫とは逆に、先住猫は
す。本当にネズミかとも思ったということですから、生まれて エサは食べなくなってしまうし、いつも冷蔵庫の上とか部屋
間もない頃でしょう。そばに寄って抱きあげた友人は二度ビッ の隅にこもったきり。このままではおかしくなってしまいそうと
クリ。その身体は今にも死にそうに衰弱して骨ばっており、目 、困り果てている友人でしたが、私も最初は正直いうと他人
は開きたくても開けられないほどの目ヤニ。一生懸命何かを訴 事でした。
える様にもだえ苦しんでいるのでした。
    もともと猫が好きで、すでに一匹飼っている友人は、迷わず     私も別に動物は嫌いな方ではありません。子供の頃は猫
かかりつけの獣医さんの所へ抱きかかえ連れて行ったそうです も飼っていたし、犬も飼った事があります。小学生の頃デパ
。しかし思ったとうりその両目はかなり悪く、場合によっては ートで売っていたシマリスのあまりのかわいさに、兄と小遺
両方の眼球を摘出しなければならないとの事でした。 いを出し合って飼った事もあります。しかし高校を卒業して東
写真1 写真2
退院後、友人宅で…… 我家にやってきたばかりの頃。
いくら猫が好きだといっても、両目の見えなくなる猫をもう一 京に出てきて10年ちょっと。広い庭付きの家にでも住めれば
匹飼うのはさすがに躊躇したのでしょう。獣医さんもこのまま 大きな犬でも猫でも飼ってみたいとは思います。しかし都会
飼い主が見つからない状態であるならば、かわいそうだけれど でのマンション暮らしでは夢のまた夢…。忙しい毎日の中、
も処分するしかないと。 猫を飼うなど想像もつきません。友人に相談されても初めの
    獣医さんの言う事も確かにうなずけます。友人もよりによっ うちは無理な話でありました。しかしそんな私も、毎日その猫
てその朝何の用事があったのか、雨の中を外出したばっかりに の話を聞いているうちに少しずつ気持ちが揺れてきました。
…。とにもかくにもその時、一匹の仔猫の命は、生かすも殺す 実はもう4、5年ぐらい前の話ですが女房と買い物の帰りに
も彼の決断一つに迫られたわけです。友人はとりあえず手術が 友人と同じ様な体験をした事があったのです。それはやはり


>>>2ページ目へ進む>>>