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5回 子だぬきパフィーとおしゃべりメグの物語
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前回ご紹介した「星になったモモ」にはたくさんの感想が寄せられました。ありがとうございます。
Kellyさんも感激していました。今回はKellyさんから寄せられた続編をご紹介します。

おしゃべりメグ

モモが死んでから早五年。あの時拾った三毛猫メグもすっかり女らしくなりました。

モモを埋めた後で捜しに行った時、車の下に隠れていたメグは、抱き上げたわたしの指をちゅぱちゅぱ一生懸命吸い続けていました。もう七ヶ月位になっていて少し大きかったけど、ガリガリにやせてとても可憐だった。家に残っていたドライフードをあげるとかぶりつくように食べ、一口食べては嬉しくてたまらないという風にわたしの足の回りを一周し、また一口食べては一周し、あげてもあげても残らずたいらげて、その後下痢をして大変でした。

一週間ほとんど一日中寝てばかりいたので、友達も『おとなしい子で良かったね』と言ってくれたのに。六ヶ月位の少し大きくなった捨て猫や迷い猫を保護した方はご存知かもしれませんが、保護してから一週間位の間は猫は本当に猫をかぶった仮の姿なのです。それだけ疲れきっているのでしょうね。とにかくこんな活発な子だとは思いませんでした。寝ている時以外はほとんど歩き回っています。見習わなくちゃ、と炬燵からでられないわたしは感心しながら見ています。

外界にも大いに興味を持っていて、以前は【網戸破りのメグ】の名をほしいままに脱走歴10数回。今は網戸の前に白い大きなキッチンパネルを立て掛けてあるので諦めているようです。よく歩き回るのも、どこかに抜け穴がないか確かめているのかも知れません。かわいそう? でも外にはノミがいるし、AIDS菌もあるし、車も猫の嫌いな人も殺虫剤のついた葉っぱも。毒団子だって転がっているかも知れない。それに外に出すと必ず外で排便するようになるんです。これはモモで確認済みです。わたしも雄大なコロラドの自然の中で排尿(便ではありませんよ、念のため)した事があり、その気持ちよさは理解できます。でも隣家の花壇でされると困るし、健康状態をチェックできなくなるのが何といっても一番の問題です。人間から餌をもらっている以上、少しは我慢してもらわなくちゃね、メグリン。この間、近所の外出自由な飼い猫が戻ってこなくなったという話を聞き、やはり外に自由に出すべきではないと決意を新たにしました。

メグスケの好きな遊びはかくれんぼと追いかけっこ。でも追いつめるのは厳禁。「イヤーン」と鳴いて怒ります。ちょっと難しい技が必要です。隠れていてワッと驚かし、すっ飛んで逃げている合間にまたどこかへ身を潜めてじっと通りがかるのを待つ。自分が猫になった気分です。でも一日中こんな事をしているわけにもいかず、また寒い冬の間はわたしが炬燵で丸くなって遊びも怠けがちです。だいたい、猫と人間のスケジュールはまったく食い違っていると思いませんか。あっちが活発な早朝と夕方は、こっちは出勤の仕度や夕食の用意で忙しく、こっちが結構ひまな休日の昼間や夕食後から夜11時頃までは、あっちは熟睡。さて寝ようかと炬燵から出る頃、あっちはう〜んと背伸びをし、大あくびをして「さあ遊ぼうか」って誘いにくるんですから。わたしが夕食の仕度をしていると食器棚の上から「退屈だ。ワアーオ、ワアーオ」と鳴き叫びます。それでは、とポリ袋で大きな音をたて追いかけてあげますが、台所へ戻ると、奥の間から「何故やめるのよォ。グアーオ、グアーオ」と顔に似合わずドスの効いた声で呼び続けます。【おしゃべりメグ】は実は【文句だらけのメグ】の意味なのです。
そんなメグにも待望の遊び友達が出来たのです。と思ったのはわたしだけでしたが。
遊びたくってウズウズ

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Sweet Melody