南極地方の情報ノート

(1996年11月)

南極へ行くには

南米から南極へ行くにはチリのプンタアレーナスから海軍の船に便乗させてもらう方法とアルゼンチンのウスアイアから出ている南極ツアーに参加する方法があります。
日本からでも時々旅行会社が南極ツアーをやっているのでそれに参加するのが一番簡単かも知れません。料金は高めですが・・・。
いずれにしろ普通に働いている人にとっては料金もさる事ながら全行程を合わせれば10日以上は軽く超えてしまうのが問題です。
南極周辺地図

チリ海軍の船に便乗させてもらう方法

チリ海軍の船に便乗させてもらう場合はまずプンタアレーナスの海軍のオフィスに行って南極行きの船が出る日を聞いてきます。実際に船に乗り込むには船の停泊しているドックへ行ってキャプテンと直接交渉することになります。ある程度スペイン語が話せたほうがいいようです。航海は15日から20日で1日100ドルくらいです。
この方法では実際に行っていないので詳しいことはわかりませんが、快適さを望むなら次に紹介するツアーの方がよさそうです。

南極ツアーに参加する方法

ウスアイアからの南極ツアーは町の中にある旅行代理店で扱っているところが数軒あります。ツアーに空きがあれば直前でも参加することができます。
僕の参加したツアーはマリン・エクスペディションズ社の主催するツアーで、サウスジョージア島を経由して南極地方の島々に立ち寄りながら南極半島まで行ってくる15日間のものでした。コースや料金は時期によっても変わってきます。ツアーは毎年南極地方の夏となる11月から3月くらいまで出ていますが、夏の初めの11月が一番安くなっています。値段は96年11月11日からの15日間のツアーで2500ドルでした。他に船内でドリンクやみやげ物を買ったり、クリーニングをたのんだり、医者にかかったりすると追加料金がかかりますが、あとは最終日にまとめて払うチップ代以外はかかりません。
ツアーは3食付きで上陸の無い日は南極に関するレクチャーやビデオ上映会もあります。キャビンは4人用のキャビンを2人で使うことになります。同室が誰になるかわかりませんがひとりでも参加できます。船内の共通語は英語でした。
上陸はゴムボートを使ったウエットランディングとなるため25センチ以上高さのあるゴム長靴とカッパが必要です。手袋や防寒衣、紫外線をカットするサングラス、日焼け止め、酔い止めの薬もあったほうがいいでしょう。カメラを持っていく人はフィルムは多めに、カメラの電池も寒い所では消耗が早いので予備を用意しておきましょう。
長期旅行で長靴などは持っていきたくないという人はウスアイアの町で買うこともできます。最果ての町とはいってもカジノや免税店が並ぶにぎやかな町なのでひと通りのものはそろえることができます。

サウスジョージア島について

サウスジョージア島はイギリス領ということになっているのでチリの海軍の船に便乗させてもらっても行くことは出来ません。個人で行くにはウスアイアから出る観光ツアーに参加するしかなさそうです。
この島には片道でも2、3日かかるので航海日数の少ない南極ツアーでは訪れることはあまりありません。南極半島周辺だけなら1週間から10日くらいのツアーもありますがサウスジョージア島を経由していくとなるとやはり2週間はかかります。ウスアイアからサウスジョージア島への航路もかなり荒れた海の上を航行することになります。最果ての地へ行くにはなかなかの演出です。
この島では他の南極ツアーではほとんど見ることのできないたくさんのキングペンギンが見れるので、できることなら立ち寄って行きたい島です。

南極への出発点となる町について

南米から南極へ行く拠点となっているのがチリのプンタアレーナスとアルゼンチンのウスアイアです。

プンタアレーナス

プンタアレーナスへはチリ国内を南下してプエルトモンまで来たのならそこからはバスか船か飛行機で行く方法があります。
バスの場合は一度アルゼンチン領内に入ることになります。チリの領土として陸続きになっているのですがまともな道が通っていないためアルゼンチン領内を通らなければならないわけです。南極に行けるのは夏の時期なので問題ないと思いますが、冬の時期にはバスの便はほとんどなくなってしまいます。夏でも週に2、3便といった具合です。
バスターミナルにバス会社が何社かあるので出発日やバスのグレード、料金などを聞いてから決めましょう。
プンタアレーナスまでは30時間以上かかる道のりなので軽食のサービスもありますが、食事の休憩や買い物のために停車することもあります。アルゼンチン領内でも夕食の時に止まったレストランではチリペソが使えましたが、米ドルも持っていた方がアルゼンチンペソと等価で使えるので便利かもしれません。どちらでも払える場合はレートのいい方で払うといいでしょう。

プンタアレーナスには夕方ごろ着くことになります。まずは宿探しですが、終点のバス会社のところに客引きが来ている場合が多いのでそこで交渉することもできます。観光案内所でも安宿を紹介してくれるので宿探しに苦労することはありません。(安宿は3000ペソ、800円くらいで泊まれます。)

腰を落ち着ける場所が決まったらいよいよ南極行きの交渉を始めるわけですが、海軍の南極行きは不定期なので乗せてもらえるかどうかという問題と日程が合うかどうかという問題があります。街の郊外には巨大な免税品のショッピングセンターもありますが長期滞在するにはちょっと退屈な街です。日にちが開いてしまったらパイネ国立公園やカラファテの方に行ってくるのもいいかもしれません。いずれにしろ観光ツアーで行くよりは粘りと交渉力が必要になります。

ウスアイア

Ushuaiaと書きますが、地元の人の発音を聞いているとウスアイアと言っています。スペイン語ではHは発音しないためでしょう。
ウスアイアへはバスや飛行機で行くことが出来ます。アルゼンチンの場合はバスの値段が高いのでもう少しお金を出して飛行機を使った方が(予約が取れるかなどの問題はありますが)合理的なようです。
僕はプンタアレーナスからバスを使って来てしまいましたが、この区間を走るバスは値段の割にはオンボロです。リオグランデからウスアイアまでの道は特に埃がひどく快適ではありません。
しかし、パタゴニアを走るバスはそう悪いものでもありません。時々グアナコやニャンドゥーなどの動物が見れたり、マゼラン海峡を横切る渡し舟に乗ると白と黒のパンダイルカ(ホントはイロワケイルカというらしい)が7、8頭くらい寄ってきて一緒に泳いでくれます。

チリに比べるとアルゼンチンの物価は非常に高く感じます。ガイドブックで得た情報ではウスアイアでは20ドルより安い宿はないなどとなっていましたが、実際にはもう少し安く14ドルで泊まれる宿もありました。

この町で南極ツアーを探すならまずは観光案内所へ行って町の地図をもらって南極ツアーを扱っている旅行会社の場所を教えてもらいましょう。南極ツアーを扱っている旅行会社が何軒かあります。
RUMBO SURという会社はウスアイアの中では大きな旅行会社でビーグル水道のツアーなどを主催していますが、南極ツアーを行っているMARINEEXPEDITIONS社の代理店にもなっているのでここで南極ツアーを申し込むことも出来ます。

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