NAN MADOL

ナン・マドール遺跡


ナン・マドール遺跡(ポンペイ語で言うとナン・マトル)はミクロネシア連邦のポンペイ島に隣接する小島ティムェン島の浅瀬に造られた92の人工の島から成る世界でもめずらしい海上都市の遺跡です。それぞれの島は王や神官、兵士などの住居や墓地、集会場などの目的で使われていた政治と信仰のための特別な町であったと考えられています。
11〜17世紀頃ポンペイ島を統治していたシャウテレウル王朝の遺跡と言われていますが、遺跡を築いた人々は文字をもたなかったらしく、全ては伝承によって伝えられた話と考古学調査による出土品などにより知る他はありません。遺跡のほとんどはマングローブに埋もれた謎の多い遺跡です。

主な島々と遺跡


NAN MADOL MAP92もある人工の島も観光で訪れる見どころのある島はそれはど多くはありません。
ナン・トゥワス以外の島は大きな石の建造物もほとんどなく植物に覆われていてあまり遺跡らしく見えません。
数百万本の石で造られた人工の島も今ではすっかり自然と同化してしまっています。
とは言えナン・トゥワスだけでもかなり見ごたえのある遺跡なので訪れる価値は十分にあります。
ここではナン・トゥワスをはじめとするナン・マドール遺跡の主な島々を紹介します。

ナン・トゥワス

ナン・トゥワス(酋長の口の中)

礼拝や祈祷の行われた場所。
代々のシャウテレウル王と初期のナンマルキの墓があります。
今では石室は空になっていますが、中に入って見ることも出来ます。
ナン・マドール遺跡の中で最も手の込んだ美しい遺跡です。

詳細はこちらです。
ナン・ムォルーセイ

ナン・ムォルーセイ(航海の終わるところ)

外洋からナン・マドールに入る石垣と門。
外海の荒波や潮流からナン・マドールを守るために巨大な玄武岩の石が組まれています。外洋から入る場合の唯一の入口となっています。
コーンデレク

コーンデレク

葬儀の際の儀式を行うための島。
島を縁取っている石組み以外は植物に覆われていてよくわかりません。
ダウ

ダウ

警備兵が住んでいたと言われる島。
ナン・トゥワスの参道の正面に位置している島ですが、この島もほとんどが植物に覆われています。
ナン・トゥワスから浅瀬を歩いて渡れます。
ウセンダウ

ウセンダウ

聖職者の住居があったといわれる島。
シャウテレウル王朝崩壊後はこの島の酋長ナンマキルの住居も置かれていたといわれます。
コの字型の集会場跡が残っています。

遺跡へのアクセス


ナン・マドール遺跡を訪れるにはツアー会社が行っているツアーで海上からボートで訪れるのが一般的です。かつてこの島の住人達もカヌーで島を行き来していたのですから伝統的な交通手段です。浅瀬に造られた遺跡なので引潮の時には水路の水位も下がり、ボートでの移動は困難になるので満潮の時間に訪れる方が便利です。
ツアーを行っている会社で多少の時間のアレンジはしてくれると思いますが、予め自分で満潮の時刻を調べておけば安心して計画を立てられます。逆に、レンタカーを借りてティムェン島付近まで行って浅瀬を渡って遺跡に行こうという人は引潮の時間に行くことになります。
費用や手軽さ、アプローチ法などを考えるとツアーまたはボートタクシーをチャーターして行った方が効率的ですが、ほとんどのツアーは遺跡全部をまわるものではなく、東半分の主要な遺跡を訪れるだけです。
ナン・トゥワス以外の島はあまり大きな構造物もなくマングローブなどの植物が生い茂っていてるので、見れなくてもあまり気にならないとは思いますが、どうしても見たいと言う人はそのへんも確認しておきましょう。
また、島の信心深い人達にとってナン・マドールは今でも聖地となっているので、それなりの敬意を払って訪れてください。
ナン・マドール観光の拠点となるポンペイ島についてはポンペイ島の情報ノートも参照して下さい。

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