ジンバブエの情報ノート

(2005年4月〜5月)


ジンバブエはグレートジンバブエ遺跡やビクトリアの滝、自然の石が作り出す不思議な景観など、この国ならではの見どころの多い国です。
現在のジンバブエは経済状態の悪化に伴い犯罪も増加し、ガソリン不足も深刻な問題になっていて、旅行するにはそれなりの注意は必要ですが、親切な人も多いので、いろいろ助けられてこの国の魅力に接する事が出来ると思います。
また、社会情勢の変化に伴い、旅行事情も変わってきているので、旅行前には出来るだけ最新の情報を調べておく必要があります。ここでは05年4月末〜5月上旬の旅行で気付いた点などを紹介しておきます。

ビザ


ジンバブエ入国にはビザが必要です。申請はとても簡単で、空港や国境などで入国の際にビザ代として30USドルを支払えばシングルエントリーのビザを取得する事が出来ます。特別な書類を書く必要もありませんが、釣り銭のいらないように予め30USドルを用意しておくと手続きもスムーズに済みます。

言葉

ジンバブエの公用語には英語、ショナ語、ンデレベ語があります。ほとんどの看板や標識は英語で書かれているので、わけの分からない文字に悩まされる事もなく言葉については旅行しやすい国です。
ローカルバスの中などで人々の会話を聞いていると英語でないショナ語やンデレベ語をよく耳にすることもあるので興味を持って聞いてみると面白いかも知れません。

通貨

ジンバブエではジンバブエドルが使われていますが、高級ホテルや遺跡の入場料など、場所によってUSドル払いのところもあります。
両替は空港や街なかの銀行などで出来ますが、05年5月現在の時点では多少問題があり、空港や銀行、高級ホテルなどで両替出来る公定レートの他に闇レートがあり、レートが倍以上も違っています。そのため公定レートで両替すると物価も高く感じてしまいます。
よって闇両替をする人も少なくない訳ですが、公に認められている事ではないので、あくまで自己責任で行ってください。 両替する場所は安宿や現地のツアー会社などで相談すると良いレートで両替してもらえる事があります。路上などでも声をかけて来る人はいますが、路上での両替はトラブルも多いので避けた方が無難です 。
05年4月末のレートは空港の公定レートが1USドル=6200Zドル、闇レートが1USドル=16000Zドルでした。闇レートは人や場所によって多少の違いがあり、現地の人の間ではもっと良いレートがあったかも知れません。
物価も為替レートも変わりやすく、政府の金融政策によって闇レートとの差が無くなった時期もあるので、現地で改めて確認して下さい。
物価についてはスーパーなどで商品に貼られている値札を見れば目安になります。

交通

バス
移動の手段として旅行者にも多く利用されるのがバスですが、ガソリン不足の影響でブルーアローなどの高級バスは路線を減らし、現在はハラレ-ブラワヨ間を走らせているのみです。が、古ぼけた旧式のバスならハラレ、マシンゴ、ブラワヨなどの主要な町の間を沢山走っています。
この手のバスは通路まで人がぎゅうぎゅう詰めになることもありますが、道路の舗装は悪くないので、比較的短い時間で安く長距離の移動が出来ます。問題はスピードを出すために事故も多いことで、その辺の事情を考えて利用して下さい。
また、バスターミナルは雑然とした感じのところが多いので、目的地への到着が夜にならないように午前中の早めの時間に移動するようにしましょう。
【 参考データ 】
ハラレ→マシンゴ
(ムバレバスターミナルから多数有り、4時間半ほど 54000Zドル)
マシンゴ→グレートジンバブエ
(ムチェケムシカバスターミナルからモーガンスター行き20〜30分、途中下車 6000Zドル)
マシンゴ→ブラワヨ
(ムチェケムシカバスターミナルから多数有り、5時間ほど 56000Zドル)
ビクトリアフォールズ→ハラレ
(ブラワヨ経由で1日1本、早朝4:40頃発、16:40頃着 120000Zドル)

列車
移動しながら宿代も節約出来るので旅行者にも便利なのがハラレ、ブラワヨ、ビクトリアフォールズを結ぶ夜行列車です。出発や到着が遅れる事もあるようですが、それぞれの区間を一晩掛けて走ります。値段もそれほど高くはないので、なるべく安全な1等の寝台車を利用するのがお勧めです。
座席は出発前に駅構内に張り出されるので、チケットは前もって予約の窓口が開いている時に購入しておきます。列車は出発するまで真っ暗で、時々盗難も発生するらしいので、荷物の管理には気をつけましょう。
また、夜間は冷え込む事もあるので、寒さにも注意が必要です。今回利用したブラワヨからビクトリアフォールズへの列車では毛布やシーツといったベッドメーキングのサービスが無かった(以前はあったらしい)ので、凍えました。予約する時に確認した方が良いでしょう。
【参考データ】
ブラワヨ→ビクトリアフォールズ
(19:00発 翌朝7:00着 1等 90500Zドル)

タクシー
空港から市内への移動や、市内から郊外のバスターミナルへの移動には、タクシーを利用すると便利です。
ハラレの空港から市内までのタクシーは事前に交渉してUSドル払いも可能です。値段は交渉次第で安くなっていきますが、あまり粘らなければ15USドルくらいです。ハラレの市内からムバレバスターミナルへは50000Zドルでした。
ローカルバスと比べれば割高になりますが、それでも日本と比べれば安いので、治安に不安があるところはタクシーを利用した方が結果的に安く済むと考えて利用しましょう。

ヒッチハイク
タクシーを勧めた後で何ですが、ジンバブエではヒッチハイクも一般の人達の交通手段となっています。ただし、こちらのヒッチハイクは有料で、乗せてもらった場合にはお金を払うのが一般的です。値段はバスを利用した場合より高めの料金を払うのが礼儀のようです。
安全面の保証はないし、旅行者が興味本位で行うものではありませんが、地元の多くの人達が路上で車を止めている光景を目にします。
旅行者がヒッチハイクのお世話になるとすれば、グレートジンバブエ遺跡からマシンゴの町へ戻る場合にバスがあまり拾えない状況で、ということになると思いますが、最終手段と考えておきましょう。
ちなみに、こちらで車を止める時は 手を斜め下の方に出して合図します。

気候
 
ここを訪れた4月下旬から5月上旬はジンバブエでは乾期の始まりの季節です。ハラレやブラワヨは、標高も1000メートルを超え、日差しが強いのですが、緯度の割には気温はそれほど上がらず、過ごしやすい気候です。
日の当たる場所にいると日中は暑く感じますが、風は涼しく、日陰などにいれば涼しく感じます。朝晩は冷えるので、地元の人もジャンパーやセーターなどを着ています 。

治安

ジンバブエには05年5月現在、外務省から「十分注意して下さい。」という注意喚起が全土に出されています。
ハラレでは市の中心部より少し離れた辺りの日本人がよく利用する宿近辺(Samora Machel Ave以北のFifth Stなど)での強盗事件も多いようなので徒歩では危険な地域だと思ったらタクシーを利用するようにしてください。短期の旅行者なら市中心部の多少値段の高いセキュリティのしっかりしたホテルに泊まるのも対策の一つです。
ビクトリアフォールズの町は小さいながらも観光客が多く、観光客ずれした人も多いので、声をかけられても必要なければ、はっきりと断りましょう。
いろいろ気を遣う部分はありますが、基本的な注意を怠らずにいればトラブルに遭う確率もかなり減らす事が出来ます。 全ての場所が緊迫した状況である訳でなく、犯罪を犯すのはほんの一部の人なので、自ら危険な状況を作り出さないように注意して行動すれば、まだ安全に旅行出来る状況です。



ジンバブエの遺跡へ