1 大祓詞
高天原に~留り坐す 皇親~漏岐 ~漏美の命以ちて 八百萬~等を~集へに集へ賜ひ ~議りに議り賜ひて 我が皇御孫命は 豐葦原水穗國を 安國と平けく知ろし食せと 事依さし奉りき 此く依さし奉りし國中に 荒振る~等をば ~問はしに問はし賜ひ ~掃ひに掃ひ賜ひて 語問ひし磐根いはね 樹根きね立たち 草くさの片葉かきはをも語こと止やめて 天あめの磐座いはくら放はなち 天あめの八重やへ雲ぐもを 伊頭いつの千別ちわきに千別ちわきて 天あま降くだし依よさし奉まつりき 此かく依よさし奉まつりし四方よもの國中くになかと 大倭おほやまと日高見國ひだかみのくにを安やす國くにと定さだめ奉まつりて 下したつ磐根いはねに宮柱みやばしら太ふと敷しき立たて 高天原たかまのはらに千木ちぎ高たか知しりて 皇御孫命すめみまのみことの瑞みづの御殿みあらか仕つかへ奉まつりて 天あめの御蔭みかげ 日ひの御蔭みかげと隱かくり坐まして 安國やすくにと平たひらけく知しろし食めさむ國中くぬちに成なり出いでむ天あめのu人ますひと等らが 過あやまち犯をかしけむ種種くさぐさの罪事つみごとは 天あまつ罪つみ 國くにつ罪つみ 許許太久ここだくの罪つみ出いでむ 此かく出いでば 天あまつ宮事みやごと以もちて 天あまつ金木かなぎを本もと打うち切きり 末すゑ打うち斷たちて 千座ちくらの置座おきくらに置おき足たらはして 天あまつ菅麻すがそを本もと刈かり斷たち 末すゑ刈かり切きりて 八針やはりに取とり辟さきて 天あまつ祝詞のりとの太祝詞事ふとのりとごとを宣のれ
此かく宣のらば 天あまつ~かみは天あめの磐門いはとを押おし披ひらきて 天あめの八重雲やへぐもを伊頭いつの千別ちわきに千別ちわきて 聞きこし食めさむ 國くにつ~かみは高山たかやまの末すゑ 短山ひきやまの末すゑに上のぼり坐まして 高山たかやまの伊褒理いほり 短山ひきやまの伊褒理いほりを掻かき別わけて聞きこし食めさむ 此かく聞きこし食めしてば 罪つみと云いふ罪つみは在あらじと 科戸しなどの風かぜの天あめの八重やへ雲ぐもを吹ふき放はなつ事ことの如ごとく 朝あしたの御霧みぎり 夕ゆふべの御霧みぎりを 朝風あさかぜ 夕風ゆふかぜの吹ふき拂はらふ事ことの如ごとく 大津邊おほつべに居をる大船おほふねを 舳へ解とき放はなち 艫とも解とき放はなちて 大海原おほうなばらに押おし放はなつ事ことの如ごとく 彼方をちかたの繁木しげきが本もとを 燒鎌やきがまの敏鎌とがま以もちて 打うち掃はらふ事ことの如ごとく 遺のこる罪つみは在あらじと 祓はらへ給たまひCきよめ給たまふ事ことを 高山たかやまの末すゑ 短山ひきやまの末すゑより 佐久那太理さくなだりに落おち多岐たぎつ 速川はやかはのPせに坐ますP織津比賣せおりつひめと云いふ~かみ 大おほ海原うなばらに持もち出いでなむ 此かく持もち出いで往いなば 荒潮あらしほの潮しほの八百道やほぢの八潮道やしほぢの潮しほの八百やほ會あひに坐ます速開キ比賣はやあきつひめと云いふ~かみ 持もち加加呑かかのみてむ 此かく加加呑かかのみてば 氣吹戸いぶきどに坐ます氣吹戸主いぶきどぬしと云いふ~かみ 根國ねのくに 底國そこのくにに氣い吹ぶき放はなちてむ 此かく氣い吹ぶき放はなちてば 根國ねのくに 底そこの國くにに坐ます速佐須良比賣はやさすらひめと云いふ~かみ 持もち佐須良さすらひ失うしなひてむ 此かく佐須良さすらひ失うしなひてば 罪つみと云いふ罪つみは在あらじと 祓はらへ給たまひCきよめ給たまふ事ことを 天あまつ~かみ 國くにつ~かみ 八百やほ萬~等よろづのかみたち共ともに 聞きこし食めせと白まをす
2 祓詞はらへのことば
掛かけまくも畏かしこき伊邪那岐大~いざなぎのおほかみ 竺紫ちくしの日向ひむかの橘たちばなの小戸をどの阿波岐原あはぎはらに 御禊みそぎ祓はらへ給たまひし時ときに生なり坐ませる祓戸はらへどの大~等おほかみたち 諸諸もろもろの禍事まがごと罪穢つみけがれ有あらむをば祓はらへ給たまひ清きよめ給たまへと白まをす事ことを聞きこし食めせと恐かしこみ恐かしこみ白まをす
3 禊祓詞みそぎはらへのことば
高天原たかまのはらに~留かむづまり坐ます ~魯岐かむろぎ~魯美かむろみの命みこと以もちて 皇御祖すめみおや~伊邪那岐命かむいざなぎのみこと 竺紫ちくしの日向ひむかの橘たちばなの小戸をどの阿波岐原あはぎがはらに 御禊みそぎ祓はらひ給たまひし時ときに生あれ坐ませる祓戸はらへどの大~等おほかみたち 諸もろもろの枉事まがごと 罪つみ 穢けがれを祓はらひ給たまへ清きよめ給たまへと白まをす事ことの由よしを 天津~あまつかみ国津~くにつかみ八百萬やほよろずの~等かみたち共ともに 天あめの斑駒ふちこまの耳みみ振ふり立たてて聞きこし食めせと 恐かしこみ恐かしこみ白まをす
4 六根清浄大祓詞ろくこんしやうじやうのおほはらへのことば
天照皇大~あまてらしますすめおほかみの宣のたまはく 人ひとは則すなはち天下あめがしたの~物みたまものなり 須すべからく靜しずめ謐しづまることを掌つかさどるべし 心こころは則すなはち~明かみとかみとの本主もとのあるじたり 心~あがたましひを傷いたましむること莫なかれ 是この故ゆゑに 目めに諸もろもろの不浄ふじやうを見みて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを見みず 耳みみに諸もろもろの不浄ふじやうを聞ききて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを聞きかず 鼻はなに諸もろもろの不浄ふじやうを嗅かぎて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを嗅かがず 口くちに諸もろもろの不浄ふじやうを言いひて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを言いはず 身みに諸もろもろの不浄ふじやうを觸ふれて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを觸ふれず 意こころに諸もろもろの不浄ふじやうを思おもひて 心こころに諸もろもろの不浄ふじやうを想おもはず 此の時ときに清きよく潔いさぎよき偈ことあり 諸もろもろの法のりは影かげと像かたちの如ごとし 清きよく浄きよければ假かりにも穢けがるること無なし 説ことを取とらば得うべからず 皆みな花はなよりぞ木實このみとは生なる 我身わがみは則すなはち六根清浄ろくこんしやうじやうなり 六根清浄ろくこんしやうじやうなるが故ゆゑに五臓ござうの~君しんくん安寧あんねいなり 五臓ござうの~君しんくん安寧あんねいなるが故ゆゑに天地てんちの~かみと同根どうこんなり 天地てんちの~かみと同根どうこんなるが故ゆゑに萬物ばんぶつの靈れいと同體どうたいなり 萬物ばんぶつの靈れいと同體どうたいなるが故ゆゑに為なす所ところの願ねがひとして成就じやうじゆせずと言いふこと無なし 無上むじやう靈寶れいほう~道しんたう加持かじ
5 十種祓詞とくさはらへのことば
高天原たかまのはらに~留かみづまり坐まします 皇~等すめかみたち鋳い顕あらはし給たまふ 十種とくさ瑞津みつの寶たからを以もちて 天照国照彦あまてるくにてるひこ天あめの火明櫛玉ほあかりくしたま饒速にぎはや日ひの尊みことに授さずけ給たまふ事こと誨おしゑて曰のたまはく 汝いまし此この瑞津みつの寶たからを以もちて中津国なかつくにに天あま降くだり 蒼生あおひとぐさを鎮しづめ納おさめよ 蒼生あおひとぐさ及および萬物よろづのものの病疾やまい事こと阿あらば ~寶かむだからを以もちて 御倉板みくらいたに鎮しづめ置おきて魂魄みたま鎮祭しづめまつりを為なして 瑞津みつの寶たからを布留部るふへ其その~祝かむほぎの詞ことばに曰いはく 甲きのえ乙きのと丙ひのえ丁ひのと戊つちのえ己つちのと庚かのえ辛かのと壬みづのえ癸みづのと 一ひ二ふ三み四よ五い六む七な八や九こ十と瓊音にのおと 布瑠部ふるへ由良由良ゆらゆら如此かく祈所いのり為せば 死まかる共とも更さらに蘇生いきなんと誨おしゑ給たまふ 天あまつ~かみの御祖みおや御詔みことのりを稟かけ給たまひて 天あまの磐船いはふねに乗のりて 河内国かはちのくに河上かはかみの哮峯いかるがみねに天降あまくだり坐ましまして 大和国やまとのくに排尾ひきの山やまの麓ふもと 白庭しろにはの高庭たかにはに遷うつし坐ましまして鎮斎いつき奉たてまつり給たまふ 號なづけて石~いその大~おほかみと申もうし奉たてまつり 代代よよ~寶かむだからを以もちて 萬物よろづのものの為ために布留部ふるへの~辭かむことを以もちて 司つかさと為なし給たまふ故ゆゑに布留るふ御魂~みたまのかみと尊敬そんけいし奉たてまつり 皇子すめみこと大連おほむらじ大臣おとど其その~かみ武たけきを以もちて 斎いつきに仕つかゑ奉たてまつり給たまふ物部もののべの~社かむやしろ 天下あめがした萬物よろづのものの聚類たぐい化なり出いでむ大元おほもとの~寶かむだからは 所謂いわゆる瀛都鏡おきつかがみ 邊都鏡へつかがみ 八握生剣やつかのつるぎ 生玉いくたま死反玉まかるがえしのたま足玉たるたま道反玉みちかゑしのたま 蛇比禮へみのひれ蜂比禮はちのひれ品品物比禮くさぐさもののひれ 更さらに十種~とくさのかみ 甲きのえ乙きのと丙ひのえ丁ひのと戊つちのえ己つちのと庚かのえ辛かのと壬みづのえ癸みづのと 一ひ二ふ三み四よ五い六む七な八や九こ十と瓊音にのおと 布留部ふるへ由良ゆらと由良加之ゆらかし奉たてまつる事ことの由縁よしを以もちて 平たひらけく聞きこし食めせと 命いのち長ながく子孫しそん繁栄はんえいと 常磐ときはに堅磐かきはに護まもり給たまひ幸さいはいし給たまひ 加持かじ奉たてまつる ~通じんつう~妙じんめう~力しんりき加持かじ
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