第2日目


1997年10月31日

 (出雲 3号) 7:53 鳥取 8:13 (砂丘 1号) 10:38 岡山 10:49 (南風 3号) 12:20 阿波池田
12:55 (四国交通バス) 14:12 かずら橋 14:55 (四国交通バス) 15:17 大歩危 15:37 (256D)
16:07 阿波池田 17:35 (剣山 6号) 18:45 徳島 19:17 (うずしお22号) 20:31 高松


出雲3号

 香住駅の手前のおはよう放送で目が覚める。香住の次の鎧駅にはNHKの「ふたりっ子」のロケ地である旨を示す看板がでかでかと建てられていた。鎧を過ぎると有名な余部鉄橋を渡る。以前はとてもスリルがあった鉄橋だったが、突風による列車転落事故以降、防護策が設けられて眺めも悪くなり、スリルもあまり味わえなくなっていた。列車は淡々と走り、定刻 7:53鳥取に到着。

砂丘1号
sakyu

「砂丘」

 鳥取で「砂丘1号」に乗り換える。「砂丘1号」は「出雲3号」が発車した後、同じホームに入線。今日の編成は鳥取寄りに国鉄色気動車を連結した4両編成であった。今回のお別れ乗車にあたって、グリーン車を手配している。「砂丘号」のグリーン車は、普通座席とグリーン座席が1両の車両に混在するキロハ28形と呼ばれる車両である。
 空いている時期だと思ったが、私の席の廻りは旅行ツアーの一団で埋め尽くされていた。朝っぱらから団体客の中に放り込まれるとはついていない。
 8:13 定刻に鳥取を発車する。郡家、用瀬、智頭と停車するとお待ちかねのタブレット区間である。智頭から運転席後ろの窓にかぶりつく。グリーン車内は騒々しかったが、運転台後ろの特等席は私だけであった。
運転席をのぞき込むと、実際に列車を運転する運転士の他に3人の乗務員が乗務していた。この3人がタブレット授受区間では重要な働きをするのである。

 「砂丘1号」は土師を通過し、交換設備のある那岐駅にさしかかる。列車は約 20km/h 程度まで一気に減速し、ホームにさしかかる。ハンドルを握っていない乗務員が、智頭駅で受け取ったタブレットを、運転席横の窓から身を乗り出して、ホーム後方にあるタブレット受器に投げ込む。
 列車はさらに 15km/h 程度まで速度を落とし、窓から身を乗り出した乗務員が、ホーム前方にある位置するタブレット授器にセットされたタブレットを腕で引っかけて受け取る作業を行う。
 タブレットは真鍮で出来ているので、キャッチした反動で車体に当たると「ゴ〜〜ン」と良い音が響く。
 このタブレットによる列車の運行は、単線区間で駅の両側から列車が進入して正面衝突事故を起こさないようにするために考えられた仕組みである。真鍮の玉に、丸や三角、四角、楕円形の穴が空いているものを通行手形として使用し、タブレットを持っていないとその区間は走れないという、列車を運行する際の約束事である。

 昔はこのタブレットが全国何処でも見られたのだが、新しい信号方式が導入されて、どんどんと廃止されている。各駅停車だと、駅に停車している間にこのタブレットを受け渡しすることが出来るのであるが、通過駅のある急行だと、走行中にタブレットの受け渡しが行われるのであり、現在日本で残っているのはJRでは因美線の東津山−智頭間のみである。この風景も、この11月のダイヤ改正で「砂丘」の廃止と共に消える運命になっている。

 津山まで間に、那岐、美作河井、美作加茂、高野、東津山でタブレット授受(東津山は受け渡しのみ)を行うが、美作加茂以外はすべて走行中に行う。

 興味を持って見ていると時間がたつのが早く、いつの間にか列車は津山に着いてしまった(^^;
 津山からは、山の中へ入り福渡付近から旭川に沿ってトロトロと走る。10:38、岡山に到着。「南風3号」への乗り継ぎ時間は11分。その間に特急券購入も行わなければならないので、ダッシュで飛び出した。

南風3号

nanpu

「南風号」

 次に乗車する列車は「南風3号」である。5両連結しているが、前3両が宿毛行き、後ろ2両が高知止まりであった。自由席は後ろ3両で、宿毛へ直通する3号車は満席であるが、高知止まりの後ろ2両はがら空きであった。随分と落差が激しい。
阿波池田までの乗車なので、高知止まりの5号車に席を確保して、ホームで「まつたけ弁当」を購入した。「砂丘1号」から下車して、一端改札を抜けて特急券を購入し座席を確保して弁当を購入するまでの時間はわずか10分。ゆっくりするまもなく、列車は定刻に岡山を発車した。
 児島に停車した後、瀬戸大橋をわたる。巨額の資金を費やした瀬戸大橋であるが、列車から眺める風景はよく、個人的には好きである。わずか9分で渡ってしまうのは惜しい気もするが、あっという間に四国に上陸である。

 「南風3号」は宇多津に停車。10年前は宇多津駅周辺は何もなかったのだが、今はショッピングセンターやホテル等が建ち随分とにぎやかな町に成長していた。多度津から「南風3号」は土讃線に入る。途中駅で交換列車の遅れの影響により4分ほど遅れて阿波池田に到着した。

かずら橋

Iya Hot Spring

祖谷温泉を望む

Kazurabasi

Kazurabasi

かずら橋

 早速、駅前の四国交通のバスの待合所に行く。10月1日に改正があったらしく、予定していた12:30発の大歩危峡経由のバスは無く、次のバスは祖谷温泉経由で12:55であった。この辺の情報が全国版時刻表に反映されるのにはタイムラグがあるので、旅行行程を計画する上では悩ましい。
 池田に着いたときから、雲行きが怪しかったのだが、いきなり「ひょう」が降り始めた。しかし、バスの発車間際には「ひょう」も上がり晴れ間がのぞく。ずいぶんと変わりやすい天候である。
 計画通りならば大歩危経由だったのだが、ダイヤ改正のおかげで乗車予定の無かった祖谷温泉経由のバスに乗る。この路線はスリルがありおもしろい路線であった。祖谷口から祖谷川に沿って走る県道は、狭くカーブもきつい上、並行する祖谷川は、深い渓谷になっている。ガードレールがあるとはいえ、脱輪したらひとたまりもなさそうである。バスは対向車とのすれ違いに苦労しながらどんどん山の中へ入っていった。
 ちょうど。山々の紅葉が始まった頃で、少し色付き始めている。もう少し遅い時期だと紅葉がきれいだろう。沿道は何もないが、バス停だけはいっぱいある。池田から50分近く走ると観光客で賑わう一軒の旅館の前に出た。祖谷温泉の「ホテル祖谷温泉」である。
 この旅館の谷底には露天風呂があり、ホテルの本館からケーブルカーに乗って行く。このケーブルカーはホテルの施設で、交通機関ではないので乗り潰しの対象ではない。温泉だけでも入れるらしいので是非寄りたいが、今回は見合わせて次回の楽しみとする
 阿波池田駅から1時間10分でかずら橋に到着。運賃は2,550円であった。ずいぶんと高い気がする。
 早速、かずら橋へ出かける。かずら橋は野生のシロクチカズラで編んだ吊り橋である。500円の料金を払って、早速渡り始めたが、思ったほど恐怖心がない。よく見ると、カズラの中にワイヤーが組み込まれているし、高さも随分と低く感じる。(水面高さ14mとのこと)
この程度ならば、8月に訪問した静岡県静岡市井川の「夢の吊り橋」の方がスリルがあった。それに、観光客が多くあまり、ゆっくりと行き来する余裕もない。観光地化されているとよくない。
 1時間ほどの滞在の後、13:55 のバスでかずら橋を後にする。今度のバスは大歩危経由である。こちらの道は、先ほど経由したような険しい山道でないのでスリルはない。
 このバスは、大歩危駅前を通過するので、ニューワイド周遊券を活用すべく、大歩危で下車する予定であったが、バス車内では停留所のアナウンスもなく、運賃表の値段表示も変わらない乱暴な運転であった。注意して見ていたのだが、バスは信号に引っかかることもあまりなく、大歩危駅を通過して国道32号線に入ってしまった。
 あわてて、運転手を呼び止め、大歩危駅で下車する旨を伝えたら、バスをUターンさせ大歩危駅まで戻ってくれたが、サービス業としては最低である。ちなみに、私の他にもう一名、大歩危で降り損ねた乗客がいた。バス停の案内くらいはきちんとして欲しいものである。

剣山6号/うずしお24号

turugisan

「剣山」

 大歩危駅から15:37発の阿波池田行きに乗車する。キハ54の2両連結であったが先客はわずか2人。これだけ空いているとロングシートが虚しい。しかし、沿線には大歩危峡・小歩危峡が広がり、JR四国の中では一番風光明媚な場所と言われている。しばし、空いている座席を移動して、風景を楽しむ。明日からはこの区間にトロッコ列車が走るそうである。阿波池田で「剣山6号」までしばらく休息。この日は年賀状の発売日なのを思いだし、郵便局へ出かけて年賀状を入手し、高校野球で有名な池田高校の見学に行った。夕暮れのグランドでは野球部がキャッチボールをしていた。
 駅に戻り、「剣山6号」で徳島へ向かう。徳島駅は以前来たときと比べて、駅ビルが新しくなっていた。地下の総菜屋で投げ売りで半額になっていた弁当を購入し、夕食とする。

 徳島から「うずしお24号」で高松へ向かう。我ながら呆れるルート選択である。どうも、周遊券の元を取るために遠回りしたり、いろんな特急に乗車したりする傾向がある!(^^;
 すっかり暮れてしまい、タダ揺られるだけであったが、駅ビルの建て替え工事を控えた高松駅に 20:31 定刻に到着した。あらかじめ予約していた高松駅前のホテルに投宿し、四国1日目は過ぎていった。明日は宿毛線に初乗車である。


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