まえがき
6回目の海外となる今回は、南半球のオーストラリアである。これまでの海外旅行と違い隣に女性がいる。いわゆる新婚旅行というものである。
新婚旅行だけに、いつものパックパッカースタイルというわけにもいかないので、列車に乗れるツアーを探し、オーストラリアの「ザ・ガーン」の旅と、今年(1999年)の4月にデビューしたばかりの「GSPE(Great South Pacific Express)」のいずれもオーストラリアの鉄道の旅に絞り込んだ。
「ザ・ガーン」はエアーズロック登山とセットになっており、惹かれるモノがあったが、希望の出発日はエアーズロック登山が満員で、手配できないとのこと。「新婚旅行は一度しか行かないものだし、どうせなら豪華に!」と云うことで、日本航空系列のI'llが主催する「GSPE」の旅に決定した。
1999年11月3日
午前7時30分頃(日本との時差+1時間)、約3時間遅れでJAL767/QF60便(JAL/カンタスコードア便)は、ケアンズ国際空港に到着。定刻だと成田発20時15分、ケアンズ到着4時30分なのだが、搭乗が完了したあと、機材点検となり約2時間30分遅れで、成田を離陸したのである。おかげで、睡眠時間は比較的多くとれたが、機内食が24時過ぎになるなど慌ただしかった。もっとも、あと10分も離陸が遅ければ、成田空港の離着陸制限時間(23時)に引っかかっていたと思われる。
ケアンズ国際空港に到着したコードシェア便
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本来ならば、暗闇の中だっただろうが、遅れたおかげで朝日が射し込む中、オーストラリアの大地を踏むことができた。ターミナルビルからも外の様子が伺える。日本はこれから冬に向かうが、南半球は逆に夏へ向かう。さらに、ケアンズは亜熱帯気候地帯に属するので、パームツリーが揺れ、トロピカルなムードがあふれていた。
入国審査、荷物の受け取り、税関への申告を終え、到着ロビーへ向かう。ロビーでは I'llの係員が旗を持ち、大幅に到着が遅れた我々を待っていた。I'llの旗のもとに集まったのは3グループ8人。各グループとも異なるコースのツアーで、「GSPE」に乗車するのは我々2人だけと云うことが判明。
「こちらのお客さんは列車に乗られるので、荷物が少ないんですねぇ」との係員の説明に振り返ると、私は機内持ち込みのカバン1つとカメラだけを持っていただけで、旅行用品一式を詰め込んだキャスター付きのバッグがない!!
税関に提出する書類がなく慌てていたときに、手を離したすきに税関ゲート前に置き忘れたようである。慌てて税関まで逆戻り。無事バッグを取り戻したが、再度税関を通過するときに呼び止められた。
つたない英語で「バックを忘れたんだよぉ」と説明し事なきをえたが、同じ税関を一日に二回も通ったのは初めてである。思わぬ失敗で、旅が始まったが、ケアンズでの忘れ物はこれだけに終わらなかった(苦笑)
送迎のマイクロバスに乗り、国道1号線を市内に向かう。ガイドの説明によると国道1号線はオーストラリア大陸を1周していて、まっすぐ進めば元の場所に戻ってくるそうである。ただし、距離は数万キロのオーダである。1日1,000キロペースで走ってもどれだけかかるのやら・・・。
市内をさらりと巡り、ホテルへむかう。各グループで宿泊するホテルが異なり、皆さんを見送る。結局、我々が乗り物好きだからか?、一番最後まで乗っていた。
今夜の宿は、ホテル・リーフカジノである。名前の通りカジノを併設したホテルで、高級ホテルの部類に属するらしい。部屋に入ってみると、広々とした室内で非常によかった。
トリニティー・ウォーフの貨物駅跡
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ロビーで明日の行動予定の説明を受ければ、今日はまるまる自由行動となる。
朝食を食べ、一息ついてから市内探索に繰り出す。地図を見ると我々の宿泊したホテルの近くに長距離バスターミナルがあるトリニティ・ウォーフがある。ここには、ケアンズ駅から支線が出ている。港に隣接していることから貨物駅だと思われる。さっそく出かけてみる。
人影が少なく、のどかな雰囲気の場所にその貨物駅はあった。既に役目を終え廃止されたようだ。線路もほとんど剥がされ、一部がアスファルトに埋もれ残っているだけであった。
昔は貨物駅として賑わったのだろう。今は、ホーム跡に古い客車を利用した売店があるだけであり、敷地の一部が長距離バスターミナルとなっていた。
このあと郵便局に寄ったあと、ケアンズ駅に向かう。駅前には大型ショッピングセンターが建ち、駅舎はショッピングセンターの高架駐車場の下に隠れるように存在していた。改札はフリーでホームへの出入りは自由である。線路幅は日本と同じ1067mmで、2面2線の相対式ホームになっているが、対面ホームへの跨線橋も連絡路も無い。旅客列車は1面1線で運用し、待避線は貨物や回送列車が使用している模様である。これが主要都市の駅だとは、想像絶するものがあった。
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ケアンズ駅
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時刻は15時をまわったばかりだが、発車案内をみるとすでに今日の発車は無く、到着列車がキュランダ発の観光列車2本と、ブリスベンからの長距離列車「サンランダー(SUNLANDER)」があるだけであった。
といっても今日だけでなく、ケアンズ駅の定期旅客列車は、ケアンズ−キュランダ間の観光列車が毎日2往復。ケアンズ−ブリスベーン間の長距離列車「サンランダー」「ザ・クィーンズランダー」が4往復/週あるだけである。
ケアンズでは都市圏輸送の需要が全くないのである。それなのに不思議と人並みが途切れない窓口を覗いてみる。時刻表を探したが本になったものはなく、列車毎にパンフレットを片っ端から貰う。
念のため、「入場券」があるかどうか尋ねてみる。残念ながら無いとの返事であったが、鉄道に興味があるとわかると事務所の奥からポスターを持って来て、プレゼントしてくれた(^o^)。
このあと、市内観光に戻り写真撮影しようとしたが、先ほどまで持っていたカメラの三脚がない!!
一目散に駅へ駈けるが、ケアンズは連日30度を超える日が続いているので、汗だくになる。しかし、三脚は何処へ行ったのか見あたらなかった。ウロウロと探してあきらめかけた頃、ホームに旅客列車が到着し、賑やかになる。ブリスベーンから32時間かかって到着した長距離列車「サンランダー(SunLander)」である。三脚紛失の痛手を癒すべく、写真撮影に勤しんだ(苦笑)。
編成の最後部から最前部まで歩いてみる。最後部の客車の妻面は、窓や貫通路もないのっぺりとした顔立ちで面白味に欠ける。後ろの方の客車は4列座席、中程に食堂車、前の方に簡易寝台と1等寝台を連結した編成になっていた。32時間も座席に座りっぱなしはゴメン願いたいが、結構乗っている人も多い。
乗ってみたいが、明日もっと豪華なGSPE(Great South Paciffic Express)に乗車することになっている。見れただけでも良しとしよう。
ケアンズ駅に到着した「The Sunlander」
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一旦ホテルに戻り、一休みしたあと夜の街へ食事に出かける。レストラン街を歩いてみるが、メニューに日本語を置いている店が多いのは幻滅である。折角なので、オーストラリアらしいものを食べたい!。
ということで、カンガルー、クロコダイル(わに)、エミュー(ダチョウのような鳥)のステーキを食べた。カンガルーは癖もなく、ラムに似ているかな?という感じ。クロコダイルは鶏肉のササミに似ている。エミューも柔らかく美味しかったが、肝心のソースが甘ったるい。後日食べた料理もソースがいまいちという感じで、オーストラリアの味付けというのは日本人にはあわなそうである。妻は無難に焼牡蛎に走った。こちらは上々の味であった。
ビールは、クイーンズランド州のビール、”XXXX(フォーエックス)”が美味しかった。食事の後はNight Marketを歩いてみる。日本人観光客が多いからか、各店には日本からワーキングホリデーの日本の若者が働いている。日本語が通じるのは便利だけど、観光地化していて味気ない。
後で聴いた話によるとケアンズの人口10万人に対して、日本人観光客が年間20万人いるとのこと。日本語が通じやすいのも道理である。
ふと、インターネットショップが目に留まる。1時間2豪ドルと格安なので、試しに自分のホームページに接続してみた。言語を日本語に設定するとちゃんと読めたのは感激であった。日本語入力は出来なかったが・・・(^_^;;。
こうして、ケアンズの夜は更けていった。