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実録・ホルン個人輸入体験記

お金はないけど、いいホルンが欲しい・・・

私がアメリカの楽器店からホルンを購入するまで

ホルンの個人輸入は前々から考えていましたが、実行に移したのは1994年のことです。個人輸入は10数年前からやっており、内外価格差を実感していたので、きっとホルンも安く買えるはずだと考えていました。1994年5月、アメリカのカンザスで開催された国際ホルン協会のワークショップに参加した友人がホルンを買って帰りました。この時彼らが持ち帰った資料を見て、私の予想が間違っていなかったことを確信しました。おりしも連日円高(1ドル=80〜90円代)のニュースが続いていたので、「買うなら今しかない」と決心するまでさほど時間はかかりませんでした。

Paxman 25Lファクスで、アメリカのある楽器店に問い合わせることにしました。パックスマンのフルダブルホルンの在庫と価格(送料と保険料を含む)の見積もりを依頼しました。この楽器店では管楽器全般を扱っていて、問い合わせには、ホルン担当のセールスマネジャーが対応してくれました。

この時のフルダブルの在庫は、ラージベルとニューワールド(エクストラ・ラージベル)の仕様の異なる5〜6本のみ。当初はミディアムベルをと思っていましたが、入荷まで数ヶ月かかるとのこと。パックスマンの場合、ラージベルといってもミディアムとあまりサイズが違わないという楽器店側のアドバイスに従い、ラージベルにすることにしました。ここでは実際に一本一本を試奏することはあきらめなければならなりません。在庫の中から、ラッカー仕上げのゴールドブラスのワンピースのものに決めました。ついでに、レザースペシャルティーズ社のハンドガードも付けてもらうことにしました。注文後、このホルンのベルの縁にわずかな歪みが見つかったという連絡がありました。修理すればラッカーにほんのわずかな跡が残るが、それでもよければ100ドル割り引くという提案でした。早くホルンを手に入れたかったので、その提案を受け入れ、やっと正式に契約が成立。ここに至るまでに4〜5回のファクスのやりとりがありました(現在はメールでやり取りできます)。

注文して1週間後、楽器本体とケースが別々に入った二つの大きな段ボール箱が届きました。宅配便の配達人に消費税を支払い、受領証にサインするときは、思わず手が震えました。早速、箱を開けてみると、バブルシートと発泡スチロールの粒粒が隙間なく詰められ、中身は無事でした。こうして憧れの楽器のオーナーになることができました。

不思議だったのは、宅配業者に関税を請求されなかったことです。その後、友人が同じようにホルンを輸入した時も同様だったそうです(注:現在、吹奏楽器の関税はすべて無税になっている)。

試奏もしないで楽器を買うのは、一種の冒険です。個人輸入にあたっては、内外価格差の分、多少の問題は割り切るしかないとも考えていました。ところが、実際に届いたのは、幸いにも「当たり」の楽器。その後2年間で為替レートは円安に傾き、米国内でのホルンの価格も値上がりしました。良い時期に良い買い物をしたと思っています。


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Last Update: 98/11/10
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