ここを読むほとんどの方がご存じだと思いますが、青紫こと竹林明秀さんが2003年11月23日に交通事故で亡くなりました。享年32歳でした。
ネットでは色々とおもちゃにされていましたが、私にとっては志保という生涯忘れることの出来ないキャラクターを生み出したシナリオライターとしてその名を深く胸に刻み込みたいと思います。
高橋龍也という巨人と共にLeafの黄金期を形成した彼でありますが、その巨人と共にいたが故、高橋氏がLeafを去りし後は独りで重い看板を背負っていたような気がします。
彼の書くシナリオは破綻を大きく含んだものでしたが、語られるキャラクターは誰もが人生を真摯に捉え、前向きに生きていこうとする力のこもったキャラでした。何よりキャラに深い愛情を注ぎ、そのキャラに血肉を与えようとする姿勢は現在主流の記号的な薄っぺらいキャラ造りしかできない百凡のシナリオライター達の中では異彩を放っていました。プレステ版ToHeartで青紫パートが全面書きなしされていたのは驚きを越えて畏怖さえ感じました。
思えばここが氏の最高潮だったのでしょうか、その後の凋落ぶりは哀れを感じるほどでした。風聞でLeafを辞めたと聞きましたが、久々に聞いた彼の名がその生涯を閉じたことの知らせだったとは……。
花火のような人生だったと思います。
高橋氏と水無月のサイトの雑記(11月28日付)によれば、やはり物書きの仕事がしたいと別のゲーム会社(スタジオメビウス)に就職した矢先だったそうです。Leafという枷から逃れた今ならもっと伸び伸びと仕事が出来ただろうと思うと残念で仕方がありません。
……神様は残酷だ!!
もっと彼の書いたシナリオが読みたかった! もっと彼の書いた志保に会いたかった! もっと彼に生きていて欲しかった……。
私がいま感じている感情はいったい何なのでしょうか? どうすればしずめることが出来るのでしょうか!?
竹林氏のご冥福を祈ります。