生物の進化 と 地質年代約40億年前ころ(明確な証拠はない)に誕生したと考えられる最初の生命は、細胞核を持つ真核生物へ進化し、さらに多細胞生物となると爆発的に多様化していった。 そのうちのいくつかは、何らかの要因(巨大隕石の衝突、火山の爆発なども考えられている。)により絶滅したが、生き残った生物は、絶滅した生物が支配していた領域をも我がものとして、進化を続けていく。 哺乳類は、恐竜が絶滅した後の地上で中心的な存在となり、そのなかの霊長類から人類が現れることとなる。 【生物(動物)進化の系統樹】 生物(動物)の進化については、おおよそ次のような系統樹を描くことができる。 |
40億年前 10億年前 8億年前 現在 ┌バクテリア(原核生物)──────────────────────────────────── 最初の生命┤ └古細菌┬─────────────────────────────────────────── │ └真核生物┬原生動物────────────────────────────────── │ └群体原生動物┬─────────────────────────────── │ └プラヌラ─┐ ┌────────────────────────┘ │ │ │7〜6億年前 5億年前 4億年前 2.5億年前 現在 ├腔腸動物─────┬┬─(クラゲ・サンゴ・イソギンチャク)───────────────────── │ │└扁形動物─────────────────────────────────── │ ├円形動物──────────────────────────────────── │ └輪形動物──────────────────────────────────── ├──────腕足動物とコケムシ動物───────────────────────────────── ├軟体動物(二枚貝・巻貝・タコ)─────────────────────────────────── ├環形動物──┬(ミミズ(ただし海中))─────────────────────────────── │ └節足動物┬三葉虫類─────────────絶滅 │ ├クモ形類────────────────────────────────── │ └┬甲殻類────────────────────────────────── │ ├多足類────────────────────────────────── │ └コンチュウ類─────────────────────────────── ├──────キョクヒ動物────────────────────────────────────── └──────セキサク動物┬ゲンサク動物─────────────────────────────── └魚類┬────────────────────────────────── └両生類─┬───────────────────────────── │ │ 3億年前 2億年前 6500万年前 現在 └ハイリュウ類(ハチュウ類) ├カメ類──────────────────────── ├有鱗類(ユウリン類)───────────────── ├海生ハチュウ類───絶滅 ├ソウシ類┬ワニ類─────────────────── │ ├ヨクリュウ類──────絶滅 │ └恐竜類┬─竜盤類────絶滅 │ └┬鳥盤類────絶滅 │ └鳥類─────────────── └単弓類──────中生代ホニュウ類──ホニュウ類─── (注:等幅フォントでご覧ください。) |
【遺伝子の研究】 遺伝子の塩基配列が明らかにできるようになり、新しい発見が相次いでいる。これにより、生命進化の新事実が明らかにされる可能性があり、ダーウィンの進化論が、見直されるかもしれない。 1 ネズミの「免疫グロブリンE結合因子」をつくる遺伝子が、ハムスターに感染するIAPというウイルスの遺伝子とほとんど同じであることが発見された。これは、太古の昔、IAPウイルスの遺伝子が、これに感染したネズミの体内で「免疫グロブリンE結合因子」をつくる遺伝子へ変化し、生き残ったネズミにより子孫に伝えられたことを示している。 2 細胞核の遺伝子と、その細胞のなかにある葉緑体とミトコンドリアの遺伝子が、まったく異なることが発見された。これは、いくつかの生命が合体して、ひとつの細胞を形づくったことを示していると考えられる。 3 哺乳類7種の系統樹 ミュンヘン大学のセバンテ・ペーボ氏のグループが、ミトコンドリアDNAの全塩基配列を研究して、次の系統樹を発表した。(斎藤成也著「遺伝子は35億年の夢を見る」から。) この系統樹では、横軸は時間ではなく遺伝子の変化量に比例しているので、右端がそろっていない。 |
┌─── ラット ┌──┤ │ └── マウス ┌┤ ││┌────── ヒト │└┤ │ │ ┌── アザラシ ─┤ └─┤ │ │┌─ ウシ │ └┤ │ └── クジラ │ └───── オボッサム(南米から北米に分布する有袋類) (注:等幅フォントでご覧ください。) |
この系統樹からわかることは、次のとおり。 ・有袋類であるオボッサムが、最初に他の有胎盤哺乳類と枝分かれしている。 ・有胎盤哺乳類のなかでは、ラットとマウスのグループ(ねずみの類)が、先に枝分かれしている。 ・クジラは、ウシと近い関係となっている。骨の形の比較からも、あり得ることだといわれていた。 【参考ページ】 遺伝子のしくみ 【地質年代】 地質年代とは、古生物の進化や地殻変動に基づいて、地質学のうえから区分を行ったものです。 年代は書物によって微妙に異なるので、2つを併記しました。(単位:百万年) Aは、「新版地学ハンドブック」築地書館 1984年。 Bは、河野長著「地球科学入門プレートテクトニクス」岩波書店 1986年。 |
大区部 | 代 Era | 紀 Epoch | A | B | |
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隠生類代 化石が 見つか らない |
(創成時代) 無生代・先地質時代 |
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始生代 単細胞バクテリア類 ランソウ類(光合成) |
先カンブリア紀 化石になりにくい生物 微小生物・エディアカラ動物群(クラゲなど) |
百万年 〜575 |
百万年 〜2500± |
||
原生代 真核生物・菌藻類 |
2500〜590 | ||||
顕生類代 化石が 見つか る |
古生代 三葉虫 両生類(後半) 化石急増 |
カンブリア紀 無脊椎動物・サンゴと海綿の中間生物 |
575〜500 | 590〜505 | |
オルドビス紀 | 500〜446 | 505〜438 | |||
シルル紀 | 446〜415 | 438〜408 | |||
デボン紀 | 415〜367 | 408〜360 | |||
石炭紀 | 367〜289 | 360〜286 | |||
二畳紀 | 289〜247 | 286〜248 | |||
中生代 アンモナイト 爬虫類 シダ類 針葉樹 |
三畳紀 | 247〜212 | 248〜213 | ||
ジュラ紀 恐竜・甲虫類・原始的針葉樹 |
212〜143 | 213〜144 | |||
白亜紀 | 143〜 65 | 144〜 65 | |||
新生代 哺乳類 被子植物 |
第三紀 哺乳類 |
暁新世 | 65〜 55 | 65〜54.9 | |
始新世 | 55〜 38 | 54.9〜38.0 | |||
漸新世 | 38〜 25 | 38.0〜24.6 | |||
中新世 | 25〜5.2 | 24.6〜 5.1 | |||
鮮新世 | 5.2〜 2 | 5.1〜 2.0 | |||
第四紀 人類 |
更新生(洪積世) | 2〜0.01 | 2.0〜 | ||
完新生(沖積世) | 0.01〜 |
参考文献 「遺伝子は35億年の夢を見る」斎藤成也著、大和書房、1997年 「化石は愉しい!」ニコラス・ウェイド著、冨田幸光監修、神保睦訳、翔泳社、1999年 「動物進化の物語」ジョン・C・マクローリン作/画、八杉龍一訳、岩波書店、1984年 「大異変=地球の謎をさぐる」A・レザーノフ著、中山一郎訳、講談社現代新書、1973年 「地球科学入門プレートテクトニクス」河野長著、岩波書店、1986年 「新版地学ハンドブック」築地書館、1984年 更新 2003/3/16 |
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