アボリジニー(オーストラリアの先住民)「アボリジニー」は、オーストラリアの先住民である。 オーストラリアへ初めて人類が進出したのは5万年ほど前(ホモ・サピエンス・サピエンス(現世人類)であった。)と考えられるが、約1万年前ころから、それまでとは異なる体型の人類が現れた。同じホモ・サピエンス・サピエンス(現世人類)ではあるが、ひどく頑丈で分厚い頭骨を持っていた。新しい移住者であった可能性もあるし、小さな集団が隔離されて特異化した可能性もある。これが、アボリジニーの祖先と考えられる。 アボリジニーは、濃褐色の皮膚・黒色の緩い波状毛・濃いひげと体毛・高い眼窩・平たく広がった鼻翼を特徴とする。血液型はB型が極端に少ない。 ただし、地域的な差はかなり大きい。 オーストラリア大陸の各地で狩猟・採集の生活を営み、ディンゴとよばれる犬を愛玩用に飼育している。男が狩猟をし、女が植物の採集や小動物を捕まえるという分業を行っている。 狩猟の道具は主に投槍だが、投槍器のウーメラやブーメランなど独自の発明品を持つ。これらの道具を使って、カンガルー、ワラビー、エミューなどの比較的大型の動物を狩った。 採集の道具としては、根を掘り起こす堀棒が使われる。集めた種子は石臼でひいて粉にし、地面におこしたたき火の灰の中で焼いて食べる。 道具はすべて石器か木製品で、金属器を持たなかった。住居は木を組み合わせて作る簡単なもので、以前は衣服をまったく用いなかった。 15〜20の氏族が集まって1部族を形作している。基本的に父系で、各氏族は神話上の祖先(動植物)を持ち、その祖先の聖地がある。また、各氏族特有の模様がある。 主に男児には、割礼や歯を欠くなどの通過儀礼がある。 普通の時間のほかに、夢見(ゆめみ。dreaming(アランダ族の alcheringa の英訳))という時間の概念を持つ。大昔は夢見の時代であり、睡眠のときには夢見の時に戻るとされる。老年に至って夢見の知識が完成されるとされ、老人は権威あるものとされる。 病気の治療は呪術師が行い、すべての死には呪いなどの原因があるとされる。 宗教儀礼の際には、体に模様を描いたり、踊り、音楽、絵画、彫刻そして夢見といったものが密接に結びついている。 ヨーロッパ人が本格的に移住してきた1700年代後半の時点では、約500の部族に分かれていたという。1788年ころの人口はおよそ30万人と推定されるが、1930年代には5万人にまで激減した。現在は、混血を含めて約20万人に回復している。 現在、彼らの多くは、都市のスラムや牧場・原住民保護地域に定住している。教育の普及などが、これまでの世界観を変容させてきている。 オーストラリア政府は、従来は白人文化への吸収同化を待つ姿勢であったが、原住民にも市民権が与えられ、また、原住民の独自性を認める方向にある。 このページから入られた方は、上位ページ 「人種」 についても、ぜひ参照してください。 【LINK】 アボリジニ - Wikipedia オーストラロイド - Wikipedia ブラック・ウォー - Wikipedia New Carthago City ≫ THE G-FILES ≫ アボリジニ 進化の鍵を握る人々 前編 同 後編 ★阿修羅♪掲示板 ≫ 残酷な ”ハクジンの作り方”、猫ならぬ新生児を壁にぶつけて殺す国、先住民の告白 (オーストラリア) 〜個人による投稿文書です。 酒たまねぎやホームページ ≫ イギリス人にとっての有色人種とは 〜個人のサイト 「旅の孫の手」 ≫ 先住民族(マオリ、アボリジニー)について (リンク切れ) 電子文庫パブリ ≫ 中央公論新社 中公eブックス ≫ 中公新書 e版 ≫ 中野不二男著「アボリジニーの国」中央公論新社刊の立ち読み版 (リンク切れ) 【 オセアニアの諸人種 】 「改訂新版 人種」アンリ・V・ヴァロア著、寺田和夫訳、文庫クセジュ、1971年から引用 参考文献 「日本大百科全書4」小学館、1985年 から「オーストラリア原住民」榎陽介著 「クロニック世界全史」講談社、1994年 「改訂新版 人種」アンリ・V・ヴァロア著、寺田和夫訳、文庫クセジュ、1971年 NHK教育テレビ「未来への教室 マンダウィ・ユヌピングさん(アボリジニーのミュージシャン)」 更新 2012/10/16 |